辛夷の光に満ちて。

3月11日（土）　桃始笑（ももはじめてさく）　旧暦2月20日

神代植物園のかたわらにある広場の辛夷。

ここには辛夷の大きな木が三つある。

そのうちの一つ。

自転車でやってきた。

今日はどうしても辛夷の花を見ておきたかった。

辛夷の花は大好きである。

風に花びらをはためかせていた。

　

　ひかりつつ辛夷は満てり朝の弥撒　　　　星野麦丘人

こちらはもう一つの辛夷の木。

やや薄紅が花びらに走っていて、シデコブシか。

辛夷の花を仰いでいるときに、三鷹市の放送が流れた。

「３月11日午後２時46分頃の防災無線放送内容 本日、3月11日は、東日本大震災が発生し、東北地方を中心に、大変大きな被害が発生した日です。大震災の教訓を深く心に刻むとともに、亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、被災地の一日も早い復興、再生を願い、ただ今から黙とうを行います。」

わたしもその場で黙祷をしたのだった。

3月7日付けの毎日新聞の坪内稔典さんによる「季語刻々」は、佐藤延重句集『蝉時雨』より。

　春風とラリルレラララランララン　　　　佐藤延重

「春風に乗って楽しそうに歩いているようすが目に浮かぶ。」と坪内さん。「春風の日には春風に心身を合わせて歩きたい」とも。

今日はまさにそんな一日。わたしは歩くのではなくて、わたしは自転車だ。ジーンズの裾を折り返して自転車にまたがる。ギアチェンジして加速する。足元を風が通り抜けて行く。

神代植物園の一角に可憐な小さな白い花が咲いていた。

ユキワリイチゲというらしい。

はじめて知った。

近づいてみると花びらが好きとおっており、美しい花である。

山渓の『日本の野草』で調べてみると、「キンポウゲ科イチリンソウ属」とあり、いわゆるイチリンソウなどの仲間らしい。

春の山草で、「しばしば紫色を帯びる」とある。たしかによく見ると淡むらさきの筋が幾本か走っている。

今日はめずしく朝の6時すぎに目が覚めた。

休日の朝って思うと嬉しくなって、ベッドのなかで音楽を聴いたり、ゲームをしたり、インスタを眺めたり。

たっぷり一時間以上、ゴロゴロしていたのだった。

午前中もベッドの上で本を読んだりしてでごろごろするわたしと日向子。