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3月9日(木) 旧暦2月18日
芽吹きへむかう欅。 たくさんの鳥がやって来ていた。 エナガ、シジュウガラ、ヒヨドリ等々。 わたしは囀りにしばらく耳をかたむけていた。 そして、 これは鶲。 すごく遠くにいたものをズームで撮ったもの。 友人たちは気づかす、わたしだけに見えている。 昨日はご来社くださった歌人の吉川宏志さんが、ツイッターで昨日話題になったふらんす堂文庫のことや、猪村直樹さんの句集『二水』について触れておられる。 句集『二水』を読んでみたくなりふらんす堂の資料書庫を漁ってみたがやばりなかった。猪村さんからいただいていたはずなのに。 吉川宏志さんは、この句集を大学生時代に先輩に勧められ初めて読んだものであり、「物の見方等を学んだ気がする」とツイートされ、次の二句をあげておられる。 紹介してみたい。 シーソーの一方を地に着けて冬 古暦はづすと釘も抜けにけり 「シーソー」の句はわたしも記憶があるような気がする。すでに俳句を作らなくなった人の作品であっても、読み手によって息を吹き返す(?)。 この句集1988年の刊行であり、35年前のものだ。 また、吉川宏志さんは、「ふらんす堂文庫」についてもツイートをされている。髙柳重信句集『夜想曲』のみならず、ほかの俳人の句集も愛読してくださったようである。星野立子句集『月を仰ぐ』、芝不器男句集『麦車』、安東次男句集『流』、木下夕爾句集『菜の花集』の書影をあげておられる。 なんと懐かしいことよ。そしてそのなかでも木下夕爾の『菜の花集』は「特に好きでした」と書かれ「もしかしたら影響を受けているかもしれない」と。 そして、三句あげておらる。 春雨やみなまたたける水たまり 児の本にふえし漢字や麦の秋 をりからの雪に解かるる花屋の荷 おもわずわたしもふらんす堂の書棚コーナーにいって、飾ってあるふらんす堂文庫にそっと触れたりした。どれも愛おしいものであり、宝石箱のような句集である。 髙柳重信句集『夜想曲』と木下夕爾句集『菜の花集』。 『夜想曲』は髙柳重信として書いたタ行俳句と山川蝉夫として書いた一行俳句を対応させた新しい試みのもの。 ひとつだけ紹介しておきたい。 「月光旅館」 開けても開けてもドアがある 『蕗子』 人恋ひてかなしきときを昼寝かな 『前略十年』 『夜想曲』は1990年刊行のもの。 ふらんす堂文庫の本作りは楽しい時間だった。 いまこうして歌人の吉川宏志さんによって語られることが不思議に思える。 装丁は、俳人の千葉皓史さん。 千葉皓史さんもしばらく遠い人であったが、いま千葉さんの第2句集を制作中である。 目下、「髙柳重信の百句」と「木下夕爾の百句」は、百句シリーズに入っており、すでに俳人の方に執筆をお願いしてある。 楽しみにしていただきたい。 今日はお客さまがおひとり見えられた。 真板道夫(まいたみちお)さん。 第一句集となる句稿をご持参くださった。 真板道夫さんは、「円座」と「古志」の同人である。 今回は「円座」(武藤紀子主宰)に発表したものを第1句集として上梓される予定である。 句集名は「フランス山」。 「ふらんす堂さんに合っているでしょう」って真板さんは笑っておっしゃる。 「フランス山」は横浜に実際にある地名である。港の見える丘公園の一角で、「幕末から明治初期にかけてフランス軍が駐屯したところ」であるそうな。 わたしは何度も行っているし、好きな場所である。 「フランス山」いいんじゃないですか。。 山がつくのにやはらかくておもくれておらず、洒落ている。 真板道夫さん。 1938年のお生まれだから、85歳になられる。 ご自宅のある杉並区松庵からなんと自転車でふらんす堂までいらっしゃったのだ。 「どのくらいかかりました?」と伺うと、 「30分ほど。慣れているから平気です」と、大変お元気である。
by fragie777
| 2023-03-09 18:55
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