ふらんす堂編集日記 By YAMAOKA Kimiko

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選句をするということは、人間に向き合うこと。

2月18日(土)  旧暦1月28日


今日はうららかな春の一日となった。

国立・谷保天神の梅林をぶらぶら歩く。


白梅も紅梅も咲きそろい、多くの人出だった。


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沢木欣一、細見綾子の著作権者である澤木くみ子さんが、この度の山崎祐子著『細見綾子の百句』の刊行をとても喜んでくださった。
そしてご自身のブログで紹介をしておられる。

→「風茶房 つるのなか」

このブログには沢木欣一、細見綾子に関する情報が詳細に記されている。
澤木くみ子さんが、両俳人の顕彰に力を注がれているのである。






昨夕、高橋睦郎さんからお電話をいただいた。
先日お送りした小山玄紀句集『ぼうぶら』についての感想を語ってくださった。
以下に高橋さんのご了承を得て、紹介してみたいと思う。



小山玄紀さんの句集『ぼうぶら』、潔い句集だと思いました。句会などで評価された句を惜しみなく捨て、まっさらなところから自分の作りたいように作って出発点としたことに爽快さを覚えました。特徴は大きく二つ。、一つは有季と無季の区別をしなかったこと、もう一つは虚句――意味の成立しない句がけっこう多かいこと。最初は無季句に目が行きましたが、だんだん虚句のほうが気になってきました。虚句は実句に対する虚句、一句の中の実にいったいどんな意味があるのか問いなおしている、それは人間や世界の実存の意味に繋がるはずです。もちろん、有季・無季もそこに関わる。約束事としての季語一つ一つの根底には深い虚無が覗いている。小山さんの俳句は(小山さんの俳句はに=傍点)(あえて小山さんとは(小山さんとは=に傍点)とは申しますまい)その虚無を見つめることなしには詩が成立しなことを知っている。因みにこれは可能な限り最短の詩型である俳句の特権で、虚句は成立しても、虚歌や虚詩はそもそも成立しえないのではないか。小山さんの『ぼうぶら』はじつに大切なことに気づかせてくださいました。


若者の俳句表現へのさまざまな挑戦について、とても励ましの言葉になるのではないだろうか。
わたしは「小山玄紀さんへお伝えしたいです」と高橋睦郎さんへ申し上げたのだった。








今日は午後5時半より、片山由美子さんと髙田正子さんにお会いして一夕をともにすることになっていた。
片山由美子さんへは日頃の句会のご指導への御礼、髙田正子さんには「花実集」の選者をしてくださってきたことへの御礼を申し上げたかったのである。

ひさしぶりにゆっくりとお目にかかって、いろいろとお話を伺うことができた。
片山さんは、毎週1000句近くの俳句の選をされている。今日も待ち合せの場所にすでにいらしていて、選句をされていた。「大変でしょう」と申し上げると、
「最初は、俳句のみを見て、それを選句していたのだけれど、最近は俳句の向こう側にいる人間をできるだけ見るようにしています。選句というのは人間と人間との関係だって思うんですよね。そう思って選句をするようになったら、選句が楽しくなってきました。」
なんだかとてもいいお話である。

髙田正子さんも、「花実集」の選句はとても丁寧である。添削指導も優れていて、読んで得心がいく。
今日お二人の話を伺いながら、お二人が選句というものをとても大事にされているということがよく分かったのだった。



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片山由美子さん(左)と髙田正子さん。

(髙田さんの胸の白いブローチは燕である)









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こちらは今日出会った四十雀。












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by fragie777 | 2023-02-18 22:21 | Comments(0)


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