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10月21日(金) 旧暦9月26日
仙川沿いである。 メスのコガモ。 秋の水に沿ってあるいていると、ああ、いい季節になったなあって実感する。 今日の毎日新聞の坪内稔典さんの「季語刻々」は、深見けん二句集『菫濃く』より。 やや家の建て込みたれど柿日和 深見けん二 「かつては柿はたいていの家の庭などにあったが、近年、改築の際に切られてしまうことが多い。」と坪内さん。たしかにそうかもしれない。わたしの郷里の実家でも「B29」という名前の柿の木があった。実はこぶりであるが、水気がたっぷりあって甘く、たいへん美味しかった。しかし、いつの間にか切られてしまっていた。 この句を読んで、一度だけ伺ったことのある深見けん二先生のお宅を思い出した。ご自身の住まいのことを読まれたのかもしれないな。龍子夫人とつつましく暮らされていたことを思い出す。「柿日和」の明るさがとてもいい。わたしはこの一句を声に出して読んで、「ああ、いい句。」っておもわず呟き、深見先生のことがとてもなつかしく思い出されたのだった。 昨日は、俳人秋尾敏さんの「自句自解」を校了にして下版したのであるが、秋尾敏さんの俳句をまとめて読む機会ははじめてであり、自解をふくめてたいへん面白く読んだ。秋尾敏さんは、「耳の人」であると思った。つまりとても聴覚がするどく、それが俳句をつくるときや俳句を読むときに現れるのである。「頭韻」「押韻」など韻律を大切にし、また、「音通」ということにも詳しく、わたしはそれをはじめて知ったのだった。いまは説明しないが、この「自句自解」を読むと、それがよくわかる。校正者のみおさんも、「『音通』の解説、とても勉強になりました」と言っていたな。。。そして、この「自句自解」は、主宰をされている俳誌「軸」の若い人にむけて書かれたということである。 そうか、わたしがそれを新鮮におもしろく読んだ、ということは、わたしの感度もそれほど老いているわけじゃないんだなって、思ったりした。 あはっ。 今の季節は障子にうつった影にこころ引かれるものがある。 これは今朝の障子。
by fragie777
| 2022-10-21 18:14
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