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10月20日(木) 土用 旧暦9月25日
茶の花。(小石川後楽園にて) 「石川桂郎の百句」を校了にする。 発行日は、桂郎の忌日である11月6日、それを意図したわけではないのだが、くしくもそういうことになった。 執筆者の南うみをさんは、そのことを喜んでくださった。 この「石川桂郎の百句」は、まず桂郎の代表句にふれられるということと、また南うみをさんの鑑賞をとおして同時代の俳人たち、石田波郷はもとより西東三鬼や秋元不死男などとの生き生きとした交流にふれることができることだと思う。いや、俳人のみならず、小説家志望でもあった桂郎とかれを取りまく横光利一などの小説家も登場する。利一は厳しく「ひとかどの作家になりたければ俳句を捨てよ」と桂郎に迫ったエピソードなど、興味ふかい。昭和という時代が色濃く反映されている一書であると思う。 「手前の面(つら)の俳句を作れ」 とは、桂郎が提唱した俳句観である。 カバー表紙の装画には、なかなかいい面がまえの蛙を配したのであるが、出来上がりはいかがだろうか。 一輪挿けふ茶の花をほしと思ふ 石川桂郎 今日は午後に俳人の藤本美和子さんが、ご来社くださった。 目下すすめている「綾部仁喜全句集」の打ち合わせである。 石田波郷選の「鶴」時代への投句も収録したい、という思いが藤本さんにはあって、それを仕事の間をぬって調べてこられたのだ。 今日はそれが完了し、その原稿を持って来社されたのだった。 一ページに何句で組むか、どんな製本でいくか、こもごも打ち合わせをしたのだった。 わたしは、目下年譜づくりのお手伝い中である。 俳句文学館の閲覧室へ行って過去の総合誌などを調べているのだ。 大枠がきまったので、すすめられるところはすすめておきたいと思う。 藤本美和子さん。 美容院へ行ってそのままふらんす堂へいらしてくださった。 さっぱりとした髪型、つややかな黒髪。(染めてないんですって!) 「ふらんす堂通信」で「わたしのプルースト」を連載してくださっている高遠弘美さんより一冊の本をいただいた。 高遠さんが編をした市河晴子紀行文集『欧米の隅々』と題した一冊である。 市河晴子紀行文集『欧米の隅々』(素粒社刊) 定価2200円+税 四六判上製カバー装 400頁 注・解説・年譜・著作目録付き 渋沢栄一の孫にして、稀代の文章家であった市河晴子。 その代表的著作である『欧米の隅々』『米国の旅・日本の旅』より一部を精選。 とあり、高遠さんの「はじめに」の一節が帯裏に記載されている。 堀江敏幸さんの推薦のことばもしるされている。 現代にあって、もっとも必要とされる言葉はたとえば市河晴子から発せられていたのではないか。そんな気がしてならないのです。晴子の言葉はそれほど近くにあって二十一世紀を生きる私たちを慰藉すると同時に鼓舞し続けています。耳を傾けるのは今からでも遅くありません。(高遠弘美「はじめに」より) わたしがいまちらりと中をのぞいたら、なかなか威勢のいい文章が飛び込んできた。 電線の上で羽をひろげた白鷺。 まるでドレスをひろげて自慢しているかのよう。
by fragie777
| 2022-10-20 19:16
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Comments(4)
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桂郎のファンです。「風況列伝」面白く、凄まじかったです。
桂郎の本を探しましたが、全集や読本みたいなのは見つかりませんでした。古い「俳句」に桂郎の自伝や交友録があり、楽しく読みました。
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![]() ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
高山恵美さま
コメントをありがとうございます。 とても嬉しく存じます。 このコメントを執筆者の南うみを氏へお送りしてもよろしいでしょうか。 また、わたしのブログでも取り上げたさせていただきたく、よろしくご了承くださいませ。 (yamaoka)
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