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5月28日(土) 旧暦4月28日
久しぶりに神代植物園に行く。 大きな山法師の木。 わが家にも二本の山法師の木があって、目下咲いているのだがとても地味。 これがそのうちの一本。地味でしょう。 背伸びしてズームにしてようやく撮ったもの。 「ジェンニー」っていう名がついている。 今日は、俳人の鈴木明の忌日である。 昨年の今日、亡くなられた。 本日、麻布善福寺で一周忌の法要があり、ホテルニューオータニにて、「鈴木明を偲ぶ会」が行われた。 『鈴木明全句集』を担当したPさんが出席。 『鈴木明全句集』は、鈴木明氏のご存命中に間に合わすことができ、手に取っていただけたのだった。 ご挨拶をされる鈴木明夫人の山本敦子氏。 敦子夫人は、明氏の亡くなる前の一週間について語り、明氏は、辞世の句を詠まれて敦子夫人に渡されたという。それがつぎの一句。 天涯の至純至白の滝の壺 この一句は、辞世の句として全句集の謹呈用紙に記されたものである。 出来上がった全句集の見本をお届けした日のことについては、お二人で頁をめくって喜びあわれたという。 最後まで俳句のことを気にしておりました。明さんは立派な堂々とした最期でした。 男で死にたい梅雨の羅漢の頭撫で という俳句がありますが、本当に男で死んだと思います。 本当にありがとうございました。 とご挨拶をされた敦子夫人であるが、亡くなられてから今日まで、涙の涸れる日がなかったということである。 この「偲ぶ会」には、俳句関係の来賓としては、高橋睦郎、筑紫磐井、高山れおな、の各氏が招かれ、それぞれがご挨拶をされた。 「野の会」「実の会」の人たちがたくさん集い、鈴木明氏を偲んだ。 今日は、鈴木明氏を偲び、全句集より作品を数句記しておきたい。 野菊咲く駅から見える次の駅 ト書きのように女駆け出す小諸の秋 揚雲雀梯子を縦に運ぶ空 沙羅の花前世もたぶんこんな俺 君たちのいじめ知ってるぼくバナナ 掛軸の美しき嘘冴えかえる めまといやふと二の腕を嗅いでみる 笑う馬の桃色歯茎雪来る頃 たましいを水色にして寝冷えの子 雪虫や昭和といつかはぐれたり 俺おれおれと広がる俺や穴惑い キャベツ畑徴兵制が粛々くる 死ぬ死ぬと言い死なぬ俺冬青空 亡くなる直前に出来上がり、手にとっていただけた『鈴木明全句集』。 どこからが戦後舌出し蛇いそぐ 鈴木 明 「俳句づくりも、結局はいい読者に恵まれることしかない。句集をひらいて私の俳句に、一人でも多く感応する読み手があれば、本を出した甲斐がある。」(鈴木明・『寫楽』(あとがき)より)
by fragie777
| 2022-05-28 18:57
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