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3月15日(火) 菜虫蝶化(なむしちょうとなる) 旧暦2月13日
ご近所の桐朋学園に咲いていたカンヒザクラ(寒緋桜)。 セブンイレブンにお茶を買いに行って気づいた。(ああ、今年も咲いた)って。 夢見るように咲いている。 わたしはサンダル履きでセブンへと急ぎ、購入したお茶のペットボトルを抱えながら横断歩道をわたって、急ぎこの桜を写真にとり仕事場に駆けもどった次第であるので、夢見るようにというわけにはいかなかった。 まったくもって慌ただしいばかりの日々である。 昨年の4月にふらんす堂より歌集『われらの狩の掟』を上梓された松野志保さんが、この歌集によって歌誌「月光」(発行人・福島泰樹)が主催するところの第9会黒田和美賞を受賞された。 本日送っていただいた「月光」№71(2022年2月)にその賞の特集がされているので抜粋して紹介をしたい。 第9回黒田和美賞 本賞は2013年、黒田和美(くろだかずみ)を顕彰して創設された。 第9回は、松野志保氏に決まった。 ここに選考経過を記しつつ、松野志保の歌業の一端を紹介する。 選考委員 福島泰樹 岡部隆志 竹下洋一 高橋凜凜子 大和志保 ここでは、松野志保氏の受賞の言葉と福島泰樹氏の選評を抜粋して紹介したい。 福島氏の選評のタイトルは「訣別の賦」 松野志保の透徹した抒情の核に根付くのは精神(ガイスト)であり、人生(レーベン)であり、潔い訣別の賦であるのだ。(福島氏は12首をえらばれているがここでは5首のみ抜粋) 荒天に釘ひとつ打つ帰らざる死者の上着をかけておくため シテとして舞うさびしさを問われれば切岸に咲く花と答える 井戸水にひたせば銀を帯びる梨捨てたいほどの思い出もなく 後の世も汝が枕辺に立ち尽くし花を零せる一樹とならむ 角灯(カンテラ)をともすは長く肉体と旅するだろうたましいのため これらの歌を唇にのせながら、わたしは「永遠」を思った。 そうであったのか、松野志保の背後には、私が学生時代に出会い、生涯の愛誦歌となった塚本邦雄のこの一首が、厳かに屹立しているのであったのか。 固きカラーに擦れし咽喉輪のくれなゐのさらばとは永久(とは)に男のことば 松野氏の受賞のことばのタイトルは「冬眠からの帰還」こちらもかなりの抜粋になってしまうが、紹介をしておきたい。 立ち尽くす誇あらばや風のなか一糸纏はぬ冬の木立よ 黒田和美 このたび、月光の偉大な先輩である黒田さんのお名前を冠した賞に選んでいただき、その作品と人となりをあらためて思い出しては偲んでいる。黒田さんの歌からは作者の日常はほとんどうかがい知ることはできない。それでもそこに歌われた痛みや矜持は、紛れもなく作者の人生の深いところに結びついていることが自然と伝わるし、凛とした歌のたたずまいは黒田さんという人そのものであると感じる。 (略) 自分はつくづく「かっこいい歌」が好きなんだと思う。前衛短歌に心奪われたのが出発点だったせいか、歌を作る時には、成功するか否かは別としてどうしても「かっこよくしたい」という意識が働く。その一方で、ライトヴァース以降の短歌の潮流や、「失われた20年」の暗い空気を思うと、かっこいい歌というのは今の時代にそぐわないのではないか、むしろかっこよくしようとすること自体かっこ悪いのではないかという疑問と迷いをずっと感じてきた。それは今も解消していないが、美しい装幀の一冊にまとまると、これはこれでいいのではないかという気がしてくるから不思議なものだ。 十余年ぶりに編集作業をしながら、歌集は舟だと思った。そこに載せる歌を作ったのは私だが、舟はさまざまな人の力を借りてようやく出来上がる。あとは作者の予想を超えて遠くまで行ってくれることを願うのみである。今回の受賞が追い風となって力を与えてくださることを感じ、あらためてお礼をもうしあげます。 松野志保さま、「かっこいい歌」をさらにさらに作りつづけていってくださいませ。 ご受賞をこころからお祝い申し上げます。 本日はお客さまが見えられた。 もっか句集をおすすめしている荒井慈(あらいめぐみ)さん。 今日は装幀についてのご確認にいらしてくださったのである。 嬉しいことに、2019年に句集『風聴くや』を上梓された三上程子さんもご一緒のご来社である。 三上さんも荒井さんも俳誌「春燈」に所属され、三上さんは荒井さんと句会をともにし、そのご指導にあたられている。 三上さんは、今回の荒井さんの句集「仙人掌の花」に跋文を寄せておられる。 是非におめにかかりたいと思っていたので、本当に久しぶりにお会いできてわたしも嬉しかった。 担当はおなじく文己さん。 装幀については、君嶋真理子さんの装幀をとても気にいられて、ご希望の色も決まった。 文己さんもほっとしたのだった。 三上程子さん(左)と荒井慈さん。 荒井慈さんの句集は5月刊行となる予定。 カソリック信者である荒井さんは、おなじ教会の信徒さんたちにも句集を差し上げたいということである。 俳句をつくるお仲間もおられるということ。 「荒井さんのご上梓によって、さらに俳句のお仲間が増えるとよろしいですね」と文己さんとわたしは声をそろえて申し上げたのだった。 仕事場に向かう途上で。 ああ、もうこの季節なんだって。 晴れやかでいいなあ……
by fragie777
| 2022-03-15 18:51
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