カテゴリ
以前の記事
最新のコメント
検索
外部リンク
画像一覧
|
2月24日(木) 霞始靆(かすみはじめてたなびく) 旧暦1月24日
国立・谷保天神の梅。 空が青いと梅は夢を見ているように見える。 今日は早出。 給与振り込みの手配のため銀行へ行く。 お財布のなかに小銭数百円しか入っていないことを思いだし、キャッシュカードでお金をおろそうと思ってATMの前に立った。 で、気づいたのだ。 お財布もカードも持っていないことに。 すごすご引き返し、結局はそのまま。 仕事場にもどって財布の中身を確認したら653円しかなかった。 だから、わたしにご馳走してとか言ってもダメだよ。 が、 いまはSuicaとかpaypayとかカードがあるからお財布がなくても用が足せるが、なんともお札が一枚もないってわびしい。 しかし、これからは現金をもたないという時代がやってくるのではないだろうか。いやすでに来ている。 物(ブツ)の手触りを失いつつ、あらゆるものが小さな画面で済んでしまう世の中。 そういう時代にあきらかにものの手触りの本をつくるというふらんす堂の仕事は、楽しい仕事である。 今年度の俳人協会賞を受賞した津川絵理子句集『夜の水平線』の再版(三刷)が出来上がってくる。 戸田勝久氏による装釘。 シンプルであるがカバーに型押しをしっかりといれ、用紙の材質感にこだわった一冊である。 かがり製本であるので、きちんと糸でとじてある、 本をひらけば糸綴じの糸がみえる。 この開いた感覚がやはりいい。人間の手を多く介在させればさせるほど、風合いのある一冊となる。 こういう本作りをしていきたいって、丁寧につくられた本を手に取るたびに思う。 以下は、『夜の水平線』より春の句をいくつか。 春寒し順番を待つパイプ椅子 墨当てて硯はやらか百千鳥 あたたかやカステラを割る手のかたち 水彩画二月の光塗り残す 花梨やひとりに開く美術館 ちよいちよいと味噌溶いてゐる桜どき 漣の無限の網目鳥の恋 クルーザー陸に売らるる日永かな 22日付けの坪内稔典氏による「季語刻々」は、 松下道臣句集『二字』より。 反骨の隠れてをりぬ牡丹の芽 松下道臣 坪内氏によると牡丹の芽は、「なんとなく武骨で、ボタンの優雅な花からは遠いその感じが」あるということで、「わたしも好きだ」と。 今日は朝からあれこれあれこれと息をつく間もなく仕事をした。 それでも課題をやりきれていない。 スタッフの文己さんと、君嶋真理子さんが装釘をしてくれたデザインの前で、紙の見本帳などをどっさりおいて、用紙の手触りや風合い色等々を確かめながら、その微妙な違いをこころにおきつつ、一冊の本ができあがっていく過程を夢見る。 仕事のなかで一番たのしい時間である。 お客さまがひとり見えられた。 いま句集をすすめている種谷良二さんである。 今日は装釘の確認に見えられたのだった。 担当の文己さんと念入りなる打ち合わせ。 著者の方にとってはそれは大切なことである。 お帰りになる時に、yamaokaに 「乃木坂に行って来たんですね」と。(こらは昨日のブログの記事だ) 「はい。行ってきました。」 「写真に写っていたあの白い建物、あれは有名なデザイナーの桂由美の建物ですね」と。 「あら、そうなんですか! 知らなかったです」 「わたし、あのすぐ近くに住んでいたことがあるんです。実は」と種谷さん。 「まあ、いいところに住んでおられたんですね!」と、驚くyamaokaであった。 会社の寮がありそこにおられたということである。 「仙川はにぎやかでいいですね」とおっしゃりながら帰られたのだった。 雀。 雀はいま姿を消しつつあるらしい。 わたしの近所にはたくさんいるが、、、 いると写真にとりたくなってしまう。
by fragie777
| 2022-02-24 18:51
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||