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6月15日(火) 梅子黄(うめのみきなり) 旧暦5月6日
ふりむく四十雀。 かわいい顔をしている。 ふりむく椋鳥。 ザリガニを咥えたセミコ。 最近は鳥の声で目が覚めることが多い。 2,3日前は四十雀に起こされた。 翡翠たちと親しくなったのを皮切りに、わたしと鳥との距離はずいぶんと縮まったような気がする。 しかし、実は永遠の平行線であることをわたしは知っている。 わたしは決して彼らと関わることはないだろう。 触ったり抱いたりはしないし、放し飼いにされた部屋にいっしょにいるなんて絶対できない。 俳人の津川絵理子さんは、虫たちをその手でそだてている。 彼らの命に深く関与している。 彼らの死をうけいれながら、生をみつめている。 鳥たちもそうやって飼っていた。 わたしには絶対むり。 上っ面だけでかわいいかわいいって言っているyamaokaである。 ここだけの話だけど、マンション住まいをしていたとき、部屋に雀が飛び込んできたのね。 わたし、小さな子どもを置いて自分だけ部屋の外に飛び出した。 もう一人の大人がこわがる子どもを助けに行った。 わたしは硝子越しにその様子を見ていたのね。 あとで呆れられた。 そういうヤツなんだ、わたしは。。。 誰よ、地獄に落ちろ、なんて言うヤツは。 ふふん、上等じゃない。。。 モデル料を払えって、いつか鳥たちの反撃に遭うかも、、、 13日(日)付けの朝日新聞の記事を紹介したい。 まず「風信」に木暮陶句郎句集『薫陶』が紹介されている。 「ひろそ火」創刊主宰の第3句集。「水と土ぶつけて轆轤始かな」「両の手は太古の器水の秋」 同じく朝日新聞「うたをよむ」では、俳誌「諷詠」の和田華凜主宰が、「俳人・後藤比奈夫」と題して、比奈夫先生について書かれている。 抜粋して紹介したい。 夢に燃え現(うつつ)に燃えて夏椿 後藤比奈夫は私の父からの祖父である。私が四代目を継承する俳句結社「諷詠」の名誉主宰を現役で続けながら、昨年百三歳の天寿を全うし、浄土へと旅立った。六月五日は比奈夫一周忌であった。コロナ禍のため面会のかなわぬ病室から電話で伝えてきた辞世の句が、この「夏椿」の句である。寝ても覚めても俳句に心を燃やしていた。 (略) 比奈夫は九十六歳から亡くなるまで、蟄居生活の中で俳句を詠み続けた。 白寿まで来て未だ鳴く亀に会はず 句集『白寿』で、百歳にして第三十三回詩歌文学館賞を受賞。その喜びから、同年には句集『あんこーる』を上梓。タイトルの面白さと内容の軽やかさが評判となった。 あたたかや句集白寿にアンコール さらに二年後、句集『喝采』を上梓。 こんなとき喝采起こる涼しさよ 「日常茶飯のことを記して置いて自らのメモとする態のもの」とあとがきにある。その後も、未完に終わった句集『エンドロール』の予稿を書き続け、その途中に旅立っていまったが、幸せな人生であった。 ほんとうにお幸せな俳人でいらしたと思う。 比奈夫先生のことを思うと、あのお優しいお声が耳元によみがえる。 「俳壇」七月号の「本の庭」で内村恭子さんが、 向瀬美音編『HAIKU Column Vol.6』を紹介しておられる。抜粋して紹介したい。 「HAIKU Column」主宰による約三十か国からの俳句を、英語、フランス語と日本語、またはフランス語、イタリア語と日本語で併記し、書の後半には、一句鑑賞、選者評、エッセイなどを掲載。元はFacebook。全てが対訳ではないので、英語、フランス語、イタリア語をある程度読者が理解している前提だが、十七音に統一された日本語訳は俳句の歯切れ良さを活かして洗練されている。また多言語のレイアウトは難しいと思うが、すっきり読みやすい。改良を重ね、これが六冊目のアンソロジーとのこと。果敢な挑戦に喝采を送りたい。次の課題は季語のバラエティーか。 (略) 過日ふらんす堂よりシリーズ自句自解IIベスト100『津久井紀代』を上梓された俳人の津久井紀代さんが、俳誌を創刊された。 俳誌「天晴(てんせい)」2号(夏号) 季刊誌である。 本誌に、35歳で命を絶った澤田和称さんが追悼をされている。シリーズ自句自解IIベスト100『津久井紀代』には、その澤田和称を詠んだ一句とその鑑賞が収録されている。追悼記事を書かれている筑紫磐井さんもその自解にふれている。 ゆりの木で逢ふ約束を修司の忌 新宿御苑に大きなゆりの木がある。有馬先生、上井正司さんたちと吟行したときに出来た。丁度五月であった。若い時は誰もが一度は寺山修司に憧れる。三十五歳で命を絶った澤田和弥も修司に憧れ、多くの修司忌の俳句を残した。もがきながらついに修司に追いつくことが出来ず死という道を選んだのである。惜しい若者を失ってしまった。一周忌に澤田和弥論を発表した。 (『神のいたづら』)(シリーズ自句自解IIベスト100『津久井紀代』より) 筑紫さんば「これを読んで改めて澤田和称は自死してしまったのだなと思い返した。」と記している。 津久井さんは澤田和称さんに期するところが大きかったのだろうと思う。 本誌「天晴」においては、彼を知る句友が澤田和称さんの夭折を歎き、生前の俳句への情熱とその孤独に思いを寄せている。 後藤比奈夫氏が辞世の一句に詠まれた夏椿。
by fragie777
| 2021-06-15 19:06
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