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6月11日(金) 入梅 旧暦5月2日
梅雨の川を歩く白鷺。 コサギである。 青鷺。 胸元の模様をみていると、あたまの中がウズウズしてきそう。 装釘に、ブックデザイナーの和兎さんが是非ともつかいたい浮世絵があるというので、家から日本美術全集の別巻の資料集を仕事場まで運んだ。 B4判の上製本であるが本文の紙が厚く、なんとも重たい一冊である。 日傘をさして、片手にそれをかかえエンコラと商店街を歩いてきたのだった。 第20巻の浮世絵の絵でつかいたいものがあるらしい。 これ。 こんな風に収録されたいている絵などがすべてここに一覧されている。 はじめからおわりまで食い入るようにみていた和兎さんだったが、結局使いたい絵は載っていなかった。 しかし、これをふたたび家に持ち帰るのはいやなので、仕事場においておくことにしたのだった。 今日のふらんす堂ホームページの大石悦子氏による「俳句日記」の句、 陪塚の裾廻のことに茂りたる の一句、スラスラと読めました? 意味はともかく。。。 わたし? 言わせる気? もちろん読めなかった。 「陪塚」は「ばいづか」と読んだ。 意味を言えといわれたら、「ええっと、ですね、陪はお墓のことかな? うんと、その塚のこと。昔の古墳の塚か。。。」と、まことにたどたどしい。 大石悦子氏はよみを記してくださっている、よみは「ばいちょう」ですと。 なぬー!っていう感じである。 しかし、「塚」を「ちょう」と読むの?なんて思ってはいけないんだと思う。 広辞苑によると「陪塚(ばいちょう)」=「大きな古墳に近接してある小さい古墳。近親者や従者を葬ったと伝えるが、特定の副葬品のみを収めたものもある。ばいづか」 とあり、ああ、良かった、「ばいづか」でもいいんだ。 しかし、この一句は「ばいちょう」と読むのである。他の語句との音のひびきなどの関係からあくまでも「ばいちょう」なのである。 そしてもうひとつ、 「裾廻」 これってすぐに読めました? わたし、これもわかんなかった。「すそわ」かなあ。。。 それがちがうのである。 「すそみ」ですよ。 広辞苑をふたたび引く 「山の麓のめぐり。万葉集⒇〈高円の宮の裾廻の野司に〉」とある。 「すそわ」は、「すそみ」の誤読から「すそわ」とも読むようになったらしい。 で、今日の句 「ばいちょうのすそみのことにしげりたる」 と読むのである。これがyamaoka流となると 「ばいづかのすそわのことにしげりたる」 となって、イ音が句をなだらかにしているはずの一句が、なんだか雅さが失われてガクガクした一句になってしまう。 俳句をつくるにあたってもいろいろな言葉をその読みとともにちゃんと知っておくことがとても大切なことなんだって学ばされる。 世界でもっとも短い詩はこんな風にあなどれないのである。 大石悦子さんは、こういう言葉たくさんご存じでほんとうにボキャブラリーが豊かである。 今日の句を、スラスラと読めなかったみなさん、 わたしと一緒に「俳句日記」でまなびましょう。 ああ、でも、 明日になったら、 完全にわすれてしまいそう。 絶対忘れる、 ほうにかけてもいい。 だめだ、こりゃ。。
by fragie777
| 2021-06-11 18:57
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