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5月31日(月) 麦秋至(むぎのときいたる) 旧暦4月20日
白紫陽花。 白の花はなんでも好きかも。。 ナースの帽子のような質感? 俳人の鈴木明氏が、5月28日午後4時に亡くなられた。 ふらんす堂では、昨年より『鈴木明全句集』刊行へむけて、スタッフのPさんが取り組んでいた。 昨年暮れから鈴木氏はかなり病が悪化され、今年の5月までにはなんとか全句集をつくりあげてほしいと敦子夫人から切望されていた。 進行状況としては、5月刊行はとてもむつかしいと思われたが、印刷屋さん、製本屋さんの特別な協力によって、27日に鈴木明氏の病床へお届けすることができたのだった。 それまで昏睡状態でおられた鈴木明氏だったが、突然意識を回復し待ち望んでおられた全句集を手に取りたいへん喜ばれたということである。敦子夫人の手をとりなんども「有り難う。あっちゃんとふたりで句集を見れたのはうれしい」と夫人に感謝をされたということである。 そして28日に亡くなられたのである。 死を覚悟されていた鈴木明氏は、26日に辞世の句を詠まれている。 天涯の至純至白の滝の壺 鈴木 明 全句集が実際にできあがるのはもう少し先になるが、その謹呈用紙にこの「辞世の一句」が刷られて寄贈者の方々に贈られることとなると思う。 鈴木明氏の手もとに届けられた一冊は、校正刷りや刷りとりをつかって製本屋さんが特別につくってくれたものである。 かなり無理を言ったのであるが、一緒懸命になってくれた現場の人たちに御礼を言いたい。 そしてなによりも、献身的な介護をされていた山本敦子夫人の「どうしても間にあわせて手に取ってもらいたい」という切なる思いがあっての実現となったことをもうしあげておきたい。 四六判函入り背継ぎ表紙という凝ったものである。 これはまだ製本がされていないものをそれらしくして撮ったものである。 また、改めて紹介をしたいと思う。 鈴木明先生、 長い間のご縁をありがとうございました。 全句集を手にとって喜んでいただけたことは何よりと思っております。 ご冥福をこころよりお祈りもうしあげます。 昨年よりなんども鈴木明氏宅へこの全句集のために車をはしらせたスタッフのPさんは、 先生に手に取ってもらえ、喜んでもらえたときいて誰よりもホッとしていた様子だった。 Pさん、緑さん、お疲れさまでした。 いま少し前に佐藤鬼房氏のご息女の山田美穂さんからお電話をいただいた。 渡辺誠一郎著『佐藤鬼房の百句』をお送りしたその御礼にというご丁寧なお電話だった。 著者の渡辺誠一郎さんは、佐藤鬼房邸とは家がちかくらしくてよくお訪ねしているらしい。 「本を持ってこの間も誠一郎さんが来てくれました。父が生きていたころは、ふたりで炬燵にならんで坐って、わたしが嫉妬するくらいに仲が良くて……」と笑いながら山田美穂さん。 「それはいいお話ですね」とyamaoka。 (師と弟子がひとつの炬燵で並んで仲良く談笑するなんて、こちらの気持ちまで和んでくるようだ) 「母も今年99歳になりましたが、とても元気で読書もするし健在です」と。 そして、 「高野ムツオさんや渡辺誠一郎さんたちにはよくしていただいて」と、東北の人らしいあたたかなつながりを感じさせるお電話だった。 「いまは山椒の時期で忙しくて、お手紙をかかなくてはならないのだけど、電話でごめんなさい」と山田美穂さんはおっしゃっていたが、こちらこそお電話をとおしてあたたかなお人柄をかんじることができて、嬉しかったです。 この百句シリーズは、いろいろと好評である。 まだまだ刊行したい俳人の方が多い。 しかし、佐藤鬼房の作品を偏愛?している渡辺誠一郎さんや、赤尾兜子について是非書きたいと申し出てくださった藤原龍一郎さんや、すこし前に森澄雄の百句に情熱をもって取り組んでくださった岩井英雅さんのような師への思いにみちたそういう人に書いてもらうっていうことは なかなか難しい。 そういう師への一途さってこちらの気持ちまでその俳人へひきつけられていく。 弟子に一途に愛された俳人は幸せかもしれない。 明日は新刊紹介をします。
by fragie777
| 2021-05-31 18:56
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