ふらんす堂編集日記 By YAMAOKA Kimiko

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きみは透きとおるレインコートをひっかけ

5月5日(水) 立夏 こどもの日  旧暦3月24日



今日は立夏。

夏が始まった。

そして連休は今日でおしまい。


ご近所の薔薇を紹介したい。


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この写真を見るあなたに、『百まいのきもの』(エリノア・エスティーズ著)のワンダのようにこの薔薇をささげたい。








今日は清水昶詩集『朝の道』より。




 暗い五月に



 きみは悲しみの目を瞠り
 泥腐る肉体の辺境に追われてきた
 きみは透きとおるレインコートをひっかけ
 牙の樹林が生い繁る口の墓地まで逃げてきた
 なぐりつける雨にひえ
 どれほどの長いあいだきみが
 声にならぬ叫びに満ちて堪えたか
 わたしは知らぬ
 日と日のあいだで
 口論の花壜は割れ 
 割れ目の深みで狂っている舌
 そして
 やわらかな脳髄にひらいていく傷
 かたくなに閉じたきみは 
 ただ艶やかに匂い
 しめやかな五月の夜に
 嵐のような吐き気がきみを吹きぬけ
 数千の籾殻と一緒に
 光る果物を吹きとばしたことなど
 わたしは知らぬ
 確然と老廃を極める日の底で
 いつものようにわたしは膝をかかえて眠り
 昨日
 わたしたちの赤ちゃんは 
 一言もなく
 死んでいた







 
 荒涼とわが身わが夏はじまれり     中村苑子












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by fragie777 | 2021-05-05 23:05 | Comments(0)


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