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9月1日(金)
写真は先日紹介したマン・レイの作品集より。ここには息をのむような作品ばかりがある。 外では九月の雨が降っている。 雨が降るとちかくの野良猫たちが窓からみえるマンションの廊下でゴロゴロと寝ころんで雨宿りをする。ときたま背中に視線を感じてふりむくと、野良猫の「お母さん」(と呼ばれている)がわたしの方をじいと見ているので、「さぼってないよっ」って小さな声で言う。だからそんなに見つめないでよ…。 このマンションには、若い男女にとても人気のある漫画家さんが住んでいて、よくおみかけする。小さなお子さんが一人と奥さまと静かに暮らしてらっしゃる様子。わたしたちの仕事場がよくみえるところにその漫画家さんの玄関ドアがあるので、たぶんわたしたちの仕事風景も目に入っているとおもう。さて、その愛すべき野良猫たちの好きなところがその漫画家さんの玄関ドア前あたりで、そこで呑気にねっころがったり、体をなめたりこの世の太平楽を謳歌している。そうしてその辺りには、その漫画家さんがよく乗る、私の自転車などよりはるかに高級なカッコイイ自転車が止められていて、あろうことかその野良たちがその自転車のタイヤでつめとぎをしていることがあるのだ。オイオイ、だめだよ、そんなとこで爪といじゃ! わたしは思わず、窓のこっち側でさけんでしまう。ホント、愛すべき野良たちである。 スタッフの松田聡子は、この漫画家さんの漫画が大好きだということである。近々このお方はテレビに出られて母校で授業をされるらしい、その番組を絶対見るんですと言っていた。私も漫画はよく読むのであるが、あいにくこの方のはまだ読んでいないので、松田聡子に貸してもらうことになっている。いまからちょっと楽しみなのだ。 午後深見けん二氏より電話をいただく。「古舘さんの『男たちよ』一気に読んだよ。あの人らしい文章で、スマートな良い本になったね」との言葉にわたしもホッとする。古舘曹人氏をひと言でいえば、「気迫の人」で、お目にかかるときはなんというかその「気迫」に圧倒されて緊張しっぱなしなのである。しかし、それはまた人間としての魅力でもあり、静かな凛としたたたずまいがそういう風におもわせるという人間も最近ではなかなかお目にかかれなくなってきていて、本造りをすすめながら、その古舘氏の気概ともいうべきものに触れることができたのは素敵なことであったとおもっている。 十三夜箒を立てゝ掃きにけり 古舘曹人 句集『日本海歳時記』(小社刊)
by fragie777
| 2006-09-01 19:16
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