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3月21日(日) 社日 雀始巣(すずめはじめてすくう) 旧暦2月9日
昨日遊んだ国立・城山公園の雑木林。 椋、欅、犬四手、櫟などなどたくさんの木々がけぶるように立っていた。 まさに武蔵野の木々たち。 詩人の西脇順三郎もこの辺をよく散歩をしていたらしい。 毎年梨の花を見るのだが、去年は見られず今年はまだ蕾の状態だった。 このあたりは梨畑がおおく、花の季節は白い梨棚がつづく。 雑木林をぶらぶらと歩いていると、わずかな水場に鴨がいた。 「ほら、あたなたの好きな鴨よ」って友人が笑いながら言う。 yamaokaの行くところ、鴨ありき、である。 すっかり「鴨好き」となってしまったわたしは苦笑いしながら、鴨たちに挨拶をする。 しばらくしたら羽音をさせて飛び去って行った。 わたしに挨拶をしにきたのだろうか。 まさかね。。。。。 「俳句αあるふぁ」春号。 この号をもって休刊となる。 「28年の長きにわたり、ご愛読いただきありがとうございました」と最終頁に記されている。 「特集」は「俳句と生きる」 よく存知上げている俳人の方々が寄稿されている。 宇多喜代子さんの「不要不急という有用」は、感銘ふかく読んだ。 (俳句は、)「ひとり」を賑やかな「ひとり」にするのだ。この「ひとり」は思いもかけぬ「命を支える別の自分」となってくれるやもしれないのだ。真に俳句をしてよかったと思えるのは、「ひとり」になったときの賑わいを実感するときであろう。 ほかに、大木あまりさんや井上弘美さんや細谷喨々さんたちいろいろな方が寄稿されている。大木あまりさんは長い間存知上げている方でいろいろと伺っていたが、掲載の文章を読んでこれまでの俳句と共にある来し方をあらためて知ったのだった。井上弘美さんもそう。お母さまの介護などすこしは伺ってはいたが、大変な時を過ごしてこられ俳句を「受容の文芸」と捉えていることに、そして「季語は常に負の状況を受け入れる」とし「強靱なる詩型」であると。やはり石田波郷の師系につらなる俳人であるとおもったのだった。 本号では、津川絵理子句集『夜の水平線』が一頁の書評にとりあげられている。抜粋となるが紹介したい。 (略)清潔感のある情景を大胆な見立てとともに詠むのは津川氏の作風の根幹をなす部分です。今回の第三句集『夜の水平線』でもその工夫は深まっています。(略) 氏は同書あとがきで「日々の暮しのなか、ささやかだけれど心に留めておきたいものがあります。それらを俳句にしてきました」といいます。しかし、そうして詠まれた津川氏の句には、平凡や通俗とは無縁の、高度に詩化されたイメージが登場します。 六月や沼に花散るいぼたの木 叙景という言葉で括るよりも、オブジェといったほうが似つかわしい句です。イボタノキの花は季語ではないから「六月」という季語をつけた、というほど簡単な句ではないでしょう。六月、沼、花、いぼたの木といった詩語が呼び交わし、緊張の糸を張りながら、唯一無二の映像を作っています。 ほかに、 本書は『西奈須野』『遊牧』『草原』『花綵』に続く著者の第五句集。本書の「著者略歴」によると、著者は草地生態学を専攻し、農水省の研究機関で草原の研究に長く携わったとのこと。句集のタイトルはそのような思いも込め、集中の〈星のことよく知る人と草泊り〉から採ったという。しっかりと大地を踏み締めるその作風は、いきものの温かみを包み込む、草や土の匂いに満ちている。 狼は滅び被爆を免れし 初蝶のごつんと土に止まりけり 夏霧を動かしてゐる牛の群 本書は著者が自身の100句を自句自解するシリーズ。著者は平成12年に田中裕明の「ゆう」に入会。本書でも裕明との交流が描かれる。著者の〈その大き翼もて雪降らしけむ〉は、裕明が亡くなった時の追悼句。裕明の〈大き鳥さみだれうををくはへ飛ぶ〉に呼応したようで、どこか師弟の特別なつながりを感じさせる。著者の創作の背景を知ることができて大変興味深い。 ひらくたび翼涼しくなりにけり 水を見てゐて沢蟹を見失ふ ひとつきはしぐれの虹のやうになる 「新刊紹介」でとりあげられているふらんす堂刊行の句集を紹介したい。 現代俳句らしいいきいきとした取り合せ。「萌」同人。 帆船の絵皿に夏の来りけり 写生句もあるが、感覚的な把握によって風土を詠もうとする句が多い。「秀」所属。 また一つこぼるる萩の水輪かな 磯貝碧蹄舘ゆずりの大胆にして闊達な象徴の世界。「俳句スクエア」同人。 クリムトの金の煌めき卯浪立つ 岐阜の女性史研究をリードしてきた著者、龍太の俳風に連なる。「郭公」同人。 村々の除夜の鐘くる大河かな 言葉少なに叙情を醸す。「泉」同人。 白雲の押し移る夜のほととぎす 天然の風土を力強く詠んできた。「風土」同人。 山々のばうばうけぶる雛かな 俳句の文体を自在に使う爽やかな詠みぶり。「百鳥」同人。 みづうみを日照雨くる夏炉かな 倉田絋文に師事。余情ある句が多い。 さざなみの広がるときの秋の声 『おくのほそ道』の芭蕉句は地図を知ることで印象鮮明になるとする著者が、芭蕉の句文に図と注釈を示すエッセイ。 人事句のみならず叙景句にまでいかんともしがたく滲む滑稽味が逸品。往年の「沖」の新鋭。 冷えびえとまこと大黒柱かな 日本的素材をいつくしみ、ゆかしく思い、丁寧に詠む。文化の香りの句集。「天為」同人。 桜満ち夜空の青きかと思ふ 詩的審美性と描写力の同居。「天為」同人。 母の日の切手の中の子猫かな 暗喩、引用、口語、象徴ーさまざまなレトリックを駆使して俳句と組み合う。「古志」同人。 少年にアメリカの匂ひ夜のプール 血の通った言葉で世界のディティールを描写。「一葦」同人。 針ほどのさやいんげんに花のあと 「俳句αあるふぁ」の編集部の中島三紀さま、そしてスタッフの方々、休刊とても残念です。 そして、長い間ありがとうございました。 再びの刊行を祈念しております。 立金花(りゅうきんか)
by fragie777
| 2021-03-21 20:16
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