ふらんす堂編集日記 By YAMAOKA Kimiko

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薔薇の日々……老いをたのしみあじわう

3月15日(月) 菜虫蝶化(なむしちょうとなる)  旧暦2月3日


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昨日「神代22世紀の森」にいた鶫。
目がかわいいでしょ。



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山茱萸もまだ咲いていた。








俳人の西宮舞さんからいただいたメールに、

我が家の庭では今白木蓮が盛りです。アーモンドの花も咲き始めました。

とあって、日当たりのよい素敵なお庭なんだろうなあってしばしうっとりとした。
と言っても「アーモンドの花」っていったいどんな花なんだろうってネットでしらべたところ、桜によくにた華やかな花である。
美しいピンク色。
白の木蓮、そしてピンクのアーモンドの花、青い空がひろがり、そのお庭にたたずむ美しい西宮舞さんを思い浮かべた。
スラリとした目の大きな西宮舞さん。
久しくお目にかかっていない。




このブログに「矢切の渡し」がいい歌って書いたが、何人かの歌手が歌うのをYouTubeで聞きくらべた。
ちあきなおみ、藤圭子、美空ひばり、
みな上手い。
美空ひばりときたら、それはもう腸にしみ通る(←安直な比喩!)ようだ。声の表情は抜群。
あえて好みからいえば、藤圭子かな。。。。
しかし、甲乙つけがたくそれぞれ味わいがある。
この「矢切の渡し」で、おすすめの歌手っています?(細川たかしが歌うのをよく聞くが、わたしは男子より女子が歌うほうが共感(?!)できる……)



!





新刊紹介をしたい。


五十畑明句集『百景』(ひゃっけい)。


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四六判ハードカバー装帯なし。 二句組 私家版

前句集『薔薇』(2019刊)につぐ第2句集である。著者の五十畑明(いかはた・あきら)さんは、1944年栃木県宇都宮生まれ、現在は千葉市在住。前句集『薔薇』同様、今回の句集『百景』も多くを薔薇の句がしめている。本句集は大きく三つにわかれ、第一部は、「老い百景」、第二部は「薔薇百景」、第三部は「千葉百景」となっており、老いを積極的にうけとめその日々を詠んだ句、薔薇との出会い、その魅力、ともにある生活を詠んだ句、お住まいの千葉の自然や風物や生活を詠んだ句、の構成である。
つまりは、敢えて言えば「老い賛」「薔薇賛」「千葉賛」というそれぞれへのオマージュである。特筆すべきは、「薔薇」や「千葉」へのオマージュはわかるが、この「老い」へのオマージュである。第一章の「プロローグ」に、

時の流れは早い。いつのまにか年をとってしまった。残された時間は少なくなってきている。
死がいつ訪れるのかは誰れにもわからない。突然明日かもしれない。いやもっと先かもしれない。これからの残された先の時間が短くても長くてもいつ終末を迎えてもいいよう心掛けたい。(略)
以下の句は老いに直面する喜怒哀楽の経験や感想をとりまとめたものである。

とあり、つまりは「老い」を積極的に受け止めながら、それを俳句に詠んだものである。
 

 余生とは花と病を友として

この一句に五十畑さんの「老い」に向き合う姿勢が端的にしめされているとおもった。「病を友と」して老いを生きるというのだ。とても自然体でいいと思う。余生をいかに豊かに幸せに過ごすか、本句集にはそのことが語られているのだ。

 思ひ出に生きるもよしや老の春
 春満月雲なき空を歩みけり
 夏野菜スープに仕立てきのふけふ
 束の間の風花惜しむ神田かな
 薔薇盛り過ぎても気品とどめをり
 薔薇の芽の赤も緑も心地よく
 挿木して薔薇の命をつなぎけり

担当の文己さんがあげた好きな句である。
わたしも始めから終わりまで拝読したが、文己さんがあげた句を見逃していた。つまり、老いに向き合う姿勢のよろしさだ。

 
 思ひ出に生きるもよしや老の春

そうか、老いるということは長く生きているということである。生きる時間が長ければ、人は沢山の思い出があるはずである。嫌な思い出の多い人はできるだけそんなことは思い出さず、前向きに生きればいいし、素敵な思い出を持っている人は、大切な宝箱からとりだすようにそれらをとりだして再び反芻するのもよし、きっと五十畑さんは、たくさんの良き思い出をお持ちの方なんだろうと思う、ゆったりと時間を過ごすことができるようになって、その思い出の味をかみしめている五十畑さんの姿が彷彿としてくる。

 夏野菜スープに仕立てきのふけふ

第一部の第3章に「農事に精を出し」という項目がある。「春耕や十年にして道なかば」からはじまって、畑仕事の日々が俳句となっている。とても具体的に。たとえば、「目があつて互ひにびつくり山かがし」という句、「十年にしてやうやくのトマトかな」など。掲出の「野菜スープ」の句はもちろん自身の畑でとれた夏野菜である。「きのふけふ」だから、いろんな夏野菜を日々味わっておられるのだろう。第一部には旅に出たり人との交流を大事にしたり、余生を無理なくたのしく充実してすごす日々が俳句に詠まれている。
 
 薔薇盛り過ぎても気品とどめをり

第二部は、薔薇へのこころからのオマージュである。プロローグは、「若い頃は桜が好きだった。」ではじまり、その後「ロンドン滞在三年間」を経て、薔薇に魅了されたことが書かれている。「花の色や形、香り、枝葉と花とのバランスなどすべての面で薔薇は美しく、清々しい。薔薇のとりこになった。」そして、「ロンドンから帰国して以来、少しずつ薔薇を学習。栽培の準備。植栽して管理などなど。薔薇とのつきあいは二十年以上となる。今、薔薇とともにある生活を楽しんでいる。」とある。掲出の一句を読んだだけでもいかに五十畑さんが、薔薇に魅了されつくしているかがわかる。わたしは薔薇がどちらかというと好きな方だが、いや、結構好きかもしれない、で、薔薇って頽廃に向かうときに蕾や盛り時とはちがう独特の美しさをみせると思う。これはほかの花ではかんがえられないことだ。頽廃の美を見出すのは薔薇のみ。そんなのわかんないって、それはね、大人になって成熟しないとわかんないのよ。「矢切の渡し」とおんなじよ。ってそこにいくか!いえ冗談です。


第三部は「千葉賛」である。「プロローグ」に「千葉に住みついてもう長い。千葉への愛着は深まっている。千葉は私の古里である。」「千葉にはほこる自然がある。」とあり、千葉の自然や土地、人々の生活風景などを俳句に詠む。

 古利根の運河の岸の菜花かな
 菜の花や生きるも死ぬも千葉の土

千葉のすばらしさを俳句で賛美しながら、心から千葉を愛しておられる五十畑さんのお姿が彷彿としてくる。
句集はどんな風に編まれてもいいが、このような編まれ方をするのも俳句のもっている「挨拶性」を十全にいかしたことによるひとつの結実である。


校正者のみおさんは、前句集「薔薇」に続いて校正を担当でき嬉しく思います。植物を育てる才能のな いわたしにとって、五十畑さんの生活は憧れです…。 ということである。




本句集の装丁は、前句集とおなじ君嶋真理子さん。


赤と緑を上手につかって品のよい一冊になった。


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タイトルは金箔押し。


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用紙の風合いがいい。


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表紙は目がさめるような赤。


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見返しはローズ色のマーブル模様に。



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扉。


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花布は、緑と白のツートン。


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スピンは緑。


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 つつましく心豊かに余花の雨   


私はスローライフをモットーとしている。今もこれからものんびりゆったり生きたい。そしておだやかな日々であることを願っている。(著者)



五十畑明氏が近影とお庭の写真を送ってくださった。




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 五十畑明氏。




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いろいろな薔薇が咲きあふれているお庭。



「所感」と題して、句集上梓後のお気持ちをくださった。
以下に紹介します。


待ちに待った句集「百景」が完成しました。これは私にとってとても素晴らしい宝です。これもひとえにふらんす堂さんのお陰です。校正、デザイン、色校正、印刷など全ての工程で正確かつ丁寧に作業を進めていただきました。本当にありがとうございました。心より感謝を申し上げます。 私は一日にひとつの感動を一句にまとめられればとの思いを抱きつつ、句作りをしています。空の色、雲の流れ、風の動き、樹木のささやき、花々の香り、そして季節のうつろいなどの自然に感動し、それを俳句にできればと、また、世の中に一喜一憂しながら人情の機微や 心の動きをみてそれを俳句にできればと考えています。 その上で私の句を読んでいただいた方が少しでも共感を持っていただけたら、そんな素晴らしいことはないと思っています。 句集「百景」の発行を機に、これからの残り少ない人生を一層俳句にいそしみ、益々精進したいと決意しています。





五十畑明さま
こちらこそ再びのご縁を感謝しております。
「老いをたのしみあじわう」
わたしもそのようになりたいと思います。
薔薇は決して育てられませんが。。。







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by fragie777 | 2021-03-15 20:17 | Comments(0)


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