ふらんす堂編集日記 By YAMAOKA Kimiko

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それと同時に、泣き出したくもなる。

3月1日(月)  旧暦1月18日

今日から3月である。


それと同時に、泣き出したくもなる。_f0071480_16435991.jpg

春の野の花。

ホトケノザ、カラスノエンドウ、イヌフグリ。

あたたかな日差しのなかに見つけると、ああ、春なんだってしみじみ思う。



それと同時に、泣き出したくもなる。_f0071480_16440149.jpg






 犬ふぐりへは小さき風小さき日   後藤比奈夫






今日は久しぶりで白檀の香を炊いた。

ほんの朝のひとときであるが、香を炊くという時間があるのは悪くない。

わたしはほぼ毎朝、炊いている。
ほん3分から5分くらいだけれど。
今日は何の香を炊こうかしらって、それをいろいろとチョイスするのもたのしい。 

香を炊きながら、バッハを聴きながら、太極拳を演舞する。
和と洋と中。。。
なんのこっちゃ。。。。






昨日の朝日新聞の角谷昌子さんによる「俳句時評」は、俳人協会賞のこと。
ふらんす堂刊行の句集がとりあげられているので抜粋して紹介したい。


今年で俳人協会は60周年を迎える。この記念の年の第60会俳人協会賞を野中亮介の句集『つむぎうた』(ふらんす堂)が受賞した。
 玄界の荒れし夜更けの火消壺
 分校の廊下走るな羽抜鶏
 うすらひのこの世を離れはじめけり
福岡在住の作者にとって玄界灘の荒波は命の滾(たぎ)りそのものだ。分校を駆け抜ける羽抜鶏はユーモアたっぷり。豊かな風土詠のほか師・水原秋櫻子の幽玄さを彷彿する「うすらひ」の句など幅がある
第44回俳人協会新人賞は安里琉太の句集『式目』(左右社)と篠崎央子の句集『火の貌』(ふらんす堂)だ。二十六歳の琉太は歴代最年少受賞となる。作風は柔軟で言語感覚が抜群だ。
 芹の根をひきたるみづの昏さかな
央子の風土詠は骨太で力強い。
 野焼終へ仁王の如き父の顔
両者とも季語を生かして個性的な世界を展開する。

ほかに、第35回俳人協会評論賞受賞の井上弘美著『読む力』(角川文化振興財団)、南うみを句集『神蔵器の世界』(ウエップ)について触れている。






それと同時に、泣き出したくもなる。_f0071480_16441404.jpg

総合誌「短歌」3月号



藤島秀憲歌集『短歌日記2019 オナカシロコ』について荻原裕幸さんが、書評を書かれている。全部引用したいところであるが、抜粋して紹介したい。


(略)本書は、2019年、一年間毎日一首を書いて、日記を添えた上、ふらんす堂のウェブに発表された連載をあらためて書籍化している。日記は、短歌の詞書になっているわけでもなく、情報の補完をするわけでもなく、かと言って、全く離れてしまうというわけでもなくて、双方が滑らかにつながった、ユニークな雰囲気のある読み物となっていた。そんな書法から生じた産物なのか、日記の一行のようでいて、しかも短歌でしか見られない類の、柔らかなことばのひかりを含む秀歌が頻々と見られた。文語の要素の多い文体だけど、構成はきわめて散文的で、そこに独自のテイストが生じている。
(略)
 はつ秋のポプラの影にわが影を仕舞いてバスの影を待つなり
 一日を町にとどまる冬の雲かどのパン屋にパン焼き上がる
 鳥も木もお互いの名を知らぬまま春夏秋冬仲のよろしも
読んでいて、こころから穏やかな気分になれる。それと同時に、泣き出したくもなる。ここには、私たちの、昨日にも今日にも明日にもあるべき、日々の平穏があるからだ。





少し前の2月16日付けの京都新聞では、彌榮浩樹さんが津川絵理子句集『夜の水平線』を「詩歌の本棚」に取り上げてくださった。抜粋して紹介したい。

『夜の水平線』(ふらんす堂)は、津川絵理子の第3句集。日常で遭遇するささやかな機微を俳句的魅力の濃い文体で形象化した作品群。
 九月来る鏡の中の無音の樹
 日めくりに透ける次の日花石榴
 短日や紙鍵盤に指の痕
清楚な佇まいの言葉で、時間・空間・五感の重要性・錯綜を描出する。静謐な眩暈。
(略)
 ほどきたるネクタイ長し花菜漬
 甘露煮の醜きかほや春の暮
 笹鳴や蛇口の下に靴洗ふ
美しい仕上がりだが内容は実はグロテスク。この構造の複雑さに、作品の旨みがぎゅっと詰まっている。
 汗うかぶ鼻男の子女の子
何と単純な言葉遣いよ!これで子どもの息づかいまで感じさせる、もはや魔術だ。 
一九六八年生まれ。神戸市在住。

ほかに、井深信男遺句集『コンパス』(青磁社)と、小池康生句集『奎星』(飯塚書店)が紹介されている。






明日は新刊を紹介します。





それと同時に、泣き出したくもなる。_f0071480_16441139.jpg

これは今朝淹れた珈琲。
ひと口飲んで、おもわず「美味い!」って叫んでしまった。
あまりの美味さに涙が出そうになったなっほど。
今日はことのほか美味しく淹れられたのだ。
なんだろう、珈琲の美味さは人によっていろいろだと思うが、わたしは何を以て美味いって思ったのだろう。
珈琲を味わいながらしばし考えた。
わたしの場合、たぶんそれは、口中を通過するときの少し重たいまろやかさ、かもしれない。
さらりではないのだ、苦味も酸味も香りもあってしかもやわらかな抵抗感のある感触。
この感触は冷めても失われないのである。

このブログを読んでくださっている方にも一杯ご馳走したいわ。

だけどね、
それが叶って召し上がっていただいたとき、
口に含んだ途端、
「ゲッ、なんだこりゃ!!」
なんて言われちゃうかもね。

そんなもんよ。

って思っている。














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by fragie777 | 2021-03-01 18:24 | Comments(0)


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