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2月4日(木) 東風凍解(はるかぜこおりをとく) 旧暦12月23日
明るい日差しのなかで日向ぼっこをしている鴨たち。 いつもいそがしく動き回っているコガモもゆっくりとしている。 秋にやってきたこの鴨たちもやがて帰ってしまうかと思うと、とても寂しい。 人間関係が稀薄になった分、わたしのありあまる愛情(?!)は、人間以外の生きものにむかっていく。 彼らには知らぬ存ぜぬのことだろうけど。。。。 あら、かわいい、とか、まあ、綺麗とか、畢竟それほど高尚の愛情ではなくて、お安い愛情なのかもしれないけどなあ。 まっ、いいか。。 すすめている西宮舞さんの句集の箔押し見本があがってきた。 とりだしたところそのあざやかな華やかな色にふらんす堂室内がいっしゅん明るくなったほど。 こんなブルーのクロスを使うことなんてなかなかできない。 装幀のなかでうまくマッチしないと無理である。 当初は、鮮やかなグリーンだった。 西宮舞さんは、グリーンよりブルーをご希望されたのだった。 そこで提案したのがこの色。 もう一色もう少し落ち着いた色を提案したのだが、西宮さんはこちらを選ばれたのだった。 もとより使ってみたかったクロスである。 イタリアの明るい海の色を思わせるようでもあり、なんと呼んだらいいだろうか。 いま色見本帳で一番近い色をさがしてみた。 日本の伝統色で近い色は紺碧(こんぺき)と名付けられた色か、フランスの伝統色をさがす、もっと近い色があった。 ACIDE-BLUE 直訳すれば酸性のブルーとなるが、「言い換えれば果物の酸味。ブルー・アシードは緑がかったブルー」とある。果物を感じさせるブルーというのも面白い。 あるいはこのブルー、わたしにはどこか馴染みがある。 そうか、沖縄紅型などに使われている青にも近い。 家が呉服屋なので、いつのまにかそういう色が刷り込まれていて懐かしさを呼び起こすのかもしれない。 ともかく、ああ、なんていい色!と、すごく幸せな気持ちになったのだった。 さっそく西宮さんに写真をメールしたところ、 「とても素敵です!」というお返事。 この鮮やかな青をまとった句集がまもなく出来上がってくる。 カバーもはんなりと美しいものとなった。 句集名は「鼓動」。 第5句集となる。 楽しみにしていただきたい。 俳人協会より「俳句文学館」報がとどく。(2月5日号) 「この一冊」という欄に、鈴木久美子さんによって伊藤敬子著『鈴木花蓑の百句』が紹介されている。 「俳句における写生の大切さを問う一書である」と。 昨年著者の伊藤敬子氏は急逝をされたが、本著はその数ヶ月まえに伊藤氏によって一挙に書きあげられたものである。 原稿用紙がドサッと送られてきたときは、ちょっと唖然としてしまったのだが、もとより「花蓑の百句」は刊行したかったもの、その情熱にひっぱられようにしての刊行となった。 「花蓑研究」で俳人として出発した伊藤敬子のすざまじいまでの情念が書かせたものか。 あらためて伊藤敬子氏の生前のご尽力に御礼を申し上げたいと思う。 花蓑の句を知るためのテキストとしては最良のものである。 大いなる春日の翼垂れてあり 鈴木花蓑 翅立てゝ鴎ののりし春の浪 〃 流し雛堰落つるとき立ちにけり 〃
by fragie777
| 2021-02-04 18:49
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