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1月24日(日) 初地蔵 旧暦12月12日
夕暮れの雪をまつ寒木。 寒い一日となった。 雪になるのだろうか、、、、、 髪を切ってきた。 がぜん可愛くなった。 お目にかけらなれないのが、とても残念。 うそ、うそ、 うそですってば。 髪型はさっぱりしたけど、顔のR化はまぎれようもなく、 法令線とのたたかいの日々である。(つったってたたかいようもないのだけど) 美容室の鏡の前にすわったときに、 「今回どのようにします」って尋ねられた。 「うーん、どうしようかなあ、右側をちょっと短かめにしてアシンメトリーがいいかな」と答えた。 が、 髪を切ってもらいながら思ったことがある。 ちゃらいババアになってやろう。って。 だから、今度この椅子に坐ったときに、いう言葉を思いついた。 いまはまだ内緒。 でも次回は絶対に言うんだ。 グフフフフフ(不敵な笑い) さて、 閑話休題。 ふらんす堂刊行の俳人協会賞を受賞した句集二冊をあらためて少し紹介をしておきたい。 「ふらんす堂通信168」で特集をする予定ではあるが。 野中亮介句集『つむぎうた』 第60回俳人協会賞受賞 純白の湯気立てて人愛すなり 第一句集『風の木』の上木からかなりの時間が経ちました。この間、父母を送り師を亡くしました。私自身も二度の大患に見舞われ、あまり快々とした時期ではなかったように思います。 このような時にあって、体調が良ければ吟行に出かけ、みずみずしい季語の営みに触れては、どれほど生気をもらったことか分かりません。そして、作句に熱中することで他を忘れることができました。私が今あるのも俳句のお蔭とありがたく思っております。 それをただ静かに見守っていてくれた妻には感謝するばかりです。今はふたりの子にそれぞれ家族もふえ身ほとりに明るい声も聞こえるようになって参りました。 「あとがき」の最初の箇所を紹介した。第1句集『風の木』の刊行が1997年であるので、23年ぶりの第2句集の刊行となった。この間、ずいぶんとお辛い思いをされた野中亮介さんである。 「あとがき」を少し長く書かれておられるので、それを紹介したい。句集名の由来なども知ることができる。 私の母は佐賀県に生まれ、幼い時に祖父の仕事の関係で敗戦まで台湾で育ちました。折りにふれてその地と、その人々の優しさ、温かさを口にしておりましたが、特に女学校時代に台湾の方から芭蕉布を織ることを教えてもらったことがとても嬉しかったようで終生、いろいろなものを紡ぐことを楽しんでおりました。 私は幼いころ、ひどい吃音で、ひとりっ子ということもあり殻に籠もりがちでした。そんな時も、たとえば黄金虫が夜、網戸にとまっていたり、山を歩けば必ずどんぐりが肩を打つように降ってきたり、毎日、川蜷が面白い絵を描いて見せてくれたり、などと、結構、それらに触れることで忙しく過ごしていた思いがあります。妙な言い方ですが、顔馴染みがたくさんいたのです。だから、孤独と感じることはありませんでした。考えてみると季語がそっと寄り添ってくれていたのでしょう。 そんな私を寝かしつけるのに決まって母が「がじゅまるさん、がじゅまるさん、つきがでました、まんまるな、おひげのばしてきょうもまた、よいこのゆめにいきましょう」と唄ってくれました。後でこれは台湾に多い「がじゅまるの樹」を詠ったもので、織を教えてくださった台湾のお婆さんが口ずさんでいた紡ぎ唄だと母から聞きました。この唄にはまだ続きがあったように思いますが、幼い私は寝付くまで何度も何度も唄をせがんだと老いた母が笑っておりました。句集名を考えた折、自然とこの唄が思い浮かびそのまま名付けることと致しました。 今、私は福岡で「花鶏」という小さな結社を作り身ほとりの仲間と句会をする幸せに恵まれておりますが、仲間には野に出て、実際、呼吸している季語に触れるように常々勧めています。季語は歳時記にあるのではなく、自然の中にこそ息づいているのだと。そして、その声を実感することで何倍にも人生が豊かに幸せに感じられるようになるのだと。 〇自選句より 山出づる真水のこゑや初硯 獅子舞の歯の根合はざる山の冷 しろたへの余呉しろがねの初諸子 涅槃絵図掲げ真鯉の浮かぶ山 ぜんまいの月の中まで伸びあがる 乾かしてまた雨を行く遍路笠 幾重にも水音ときとして郭公 遥かより帰るところの涼しくて 草笛のさらに上手のゐたりけり 空海の筆勢夏に入りにけり 盆提灯たためば熱き息をせり 葛晒す上澄みの月捨てながら からすみを炙り唐津の風の松 綿虫や束ねてもどす金剛杖 ◆プロフィール 野中亮介(のなか・りょうすけ) 昭和33年(1958) 福岡生。現在も在住。昭和53年(1978)「馬酔木」入門。水原秋櫻子に師事。秋櫻子没後は林翔、杉山岳陽の指導を仰ぐ。昭和62年(1987)「馬酔木」同人。平成7年(1995)第十回俳句研究賞受賞、馬酔木賞受賞。平成8年(1994)福岡文学賞受賞。平成9年(1995)句集『風の木』上梓。第21回俳人協会新人賞受賞。平成13年(2001)「花鶏」を創刊主宰する。俳人協会評議員、日本文藝家協会、俳文学会各会員、福岡市立文学賞選考委員、讀賣新聞よみうり西部俳壇選者。 篠崎央子句集『火の貌』 第44回俳人協会新人賞受賞 縄文のビーナスに臍山眠る 本句集には角谷昌子さんが跋文を寄せている。一部抜粋して紹介したい。 央子さんのふっくらとした頰から思い出すのは、棟方志功の女人の版画だ。志功は高天原の天磐戸の前で踊った女神「天乃宇受女之美胡登図(あまのうずめのみこおとず)」を描いた。妖艶な姿ではなく少女のようで、どこか央子さんと似ている。(略) 海鼠腸やどろりとうねる海のあり 白き炎(ほ)を吐きて女滝の凍てにけり 火の貌のにはとりの鳴く淑気かな 〈海鼠腸〉をすすりながら眺める冬の海は、鉛色にうねり続ける。〈女滝〉は〈白き炎〉を曳きながらその丈を結氷させてゆく。鶏冠から顎の肉ぜんにかけて真赤な〈にはとり〉は燃えるような〈火の貌〉だ。年明けのめでたさを寿ぎながら、天地へ高々と声を上げる。作者は〈海〉〈女滝〉〈にはとり〉と一体化してそれぞれの本質に迫る。この対象との一体感は鍵和田主宰の詠みぶりにも通う。央子さんは、中村草田男、鍵和田秞子のいのちを詠み、俳句の可能性を探るという志をしっかりと継いでいよう。 自選句より 血族の村しづかなり花胡瓜 狐火の目撃者みな老いにけり 東京の空を重しと鳥帰る 栗虫を太らせ借家暮らしかな 残雪や鱗を持たぬ身の渇き 筑波嶺の夏蚕ほのかに海の色 黒葡萄ぶつかりながら生きてをり 倭の國は葦の小舟や台風圏 篠崎央子さんも比較的長い「あとがき」を書いておられる。抜粋して紹介したい。 恋とは、新しい言葉との出会いである。幼い頃より動植物が好きだった。鴨を見れば、尻を触りたい衝動が走り、蚕を見れば頰ずりしたくなる。屁糞葛を首飾りにしたり、十薬をコップに活けたりしてはよく怒られた。美しすぎるものが俳句の題材にならないように、恋もまた少し歪なものを対象としてきた。 霊威を持つものは、みな異形である。私は、茨城県つくば市の片隅にある小さな村で育った。村の人たちは、鳥や木々に希望のようなものを託していた。鳥も木々も完璧ではなく、どこか歪である。畑で収穫される野菜も清流で釣り上げる魚も左右非対称で、ただ、陽の光のなかで輝いていた。大学に入り『万葉集』を研究するようになったとき、それまで漠然と抱いていた動植物に対する憧れが、言葉になることを知った。万葉人は、鳥や鹿や草花、大樹に魂を通わせ、歌となした。その言葉に触れるたびに、故郷の村人の根底に流れている魂の記憶を思った。 両親が共働きであったため、一人でいる時間が多かった私は、野原で花を摘んだり童話を読んだりして幼少期をすごした。文学部に入ったのも、童話の中で生きてきた私が理解できる分野だったからだろう。動植物と会話ができる日がくる、いつか白馬に乗った王子様がやってくる、そんな妄想癖の強い私を評価してくれたのが文学であり俳句であった。(略) 私にとっては、第一句集となる本書のタイトルは 火の貌のにはとりの鳴く淑気かな に拠った。朝という刻を告げる鶏は、火のような形相を持つ。鍵和田秞子師もまた、火のような情熱を持ち、私達の俳句を明日へと導いてくれている。師の燃え上がる俳句精神に接した弟子の一人としてこれからも邁進してゆきたい。 追記 校了間際の六月十一日、鍵和田秞子師の訃報が舞い込んできました。病床の師が「楽しみだ」と言って下さった本句集をお渡しすることは叶いませんでした。心よりご冥福をお祈り致します。 ◆プロフィール 篠崎央子(しのざき・ひさこ) 昭和50年(1975)茨城県生まれ、平成14年(2002)「未来図」入会、平成17年(2005)朝日俳句新人賞奨励賞受賞、平成18年(2006)未来図新人賞受賞、平成19年(2007)「未来図」同人、平成30年(2018)未来図賞受賞。共著に『超新撰21』(平成22年)俳人協会会員。 野中亮介さんは、俳誌「馬酔木」同人、俳誌「花鶏」主宰、この度のご受賞は、野中さんお一人の喜びのみならず、「馬酔木」「花鶏」の結社の喜びでもあると思う。 また、篠崎央子さんは、句集作成中に師の鍵和田秞子氏が逝去、そして「未来図」終刊。いまは新しい俳誌「磁石」(依田善朗主宰)の同人としてご夫君の飯田冬馬さんととも新たに俳人としての歩みをはじめられた。篠崎央子さんの受賞は「磁石」同人のはじめての受賞の喜びとなったのではないだろうか。 今日の大石悦子さんの「俳句日記」の「巻繊汁」の読み、すぐにわかりました? これって季語、わたしはすぐには分からなかった。料理の仕方が書いてあっても????って思っていた。 「巻繊汁」=「けんちんじる」 って分かってなあんだって思った。 よく知っている汁物ではあるが、こう書くとはね。。。 しかも季語。 そしてあらためて大石さんの俳句を読む。 う~~~む。。。
by fragie777
| 2021-01-24 17:40
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