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1月10日(日) 水泉動(しみずあたたかをふくむ) 十日戎 旧暦11月27日
雄々しい寒木である。 櫟と名札をつけていた。 「櫟(くぬぎ)」はブナ科落葉高木。 実はオカメどんぐりとよばれる丸い団栗。 この荒々しい木肌がなんともいいなあって思う。 1月10日の今日は、俳人・綾部仁喜の忌日である。 今日は藤本美和子著『綾部仁喜の百句』より。 寒木を寒木として立たしめよ 『寒木』 樹木を詠んだ句が仁喜には多い。なかでも、雑木がことに好きで、自宅の庭にも橡、楢などの木々が何本か植えられている。この「寒木」もまた雑木の一種なのであろう。葉をすっかり落とし尽くした一本の裸木が寒気のなかに立ち顕われる。枝だぶりや樹形がもっとも露わになる寒中の時節。寒気が一木の全容を際立たせる。「寒木」のみが描かれたシンプルな表現に「言葉を惜しむ」という仁喜の言葉が思われ、座五「立たしめよ」の文語表現の声調には作者の心中の声を聞く思いがする。 もうひとつ紹介したい。 寒木となりきるひかり枝にあり 『沈黙』 描かれているのは一木だが、寒林を思わせる。それは「ひかり」の一語によるもので、それぞれの木々がきらめきをもって立ち上がってくるからである。すべての葉を落し尽くした「寒木」の枝ぶりが「ひかり」によって仔細に見えてくる。一木の全容から細部の「枝」に焦点を絞り込んでゆく叙法によって授かった一語「ひかり」。「ひかり」の強度が備わった一句の声調。対象そのものに切りこんでゆく「一物仕立」の句である。木々を詠んだ場合、ことに対象と一如となっていることに注目する。 綾部仁喜先生が亡くなられてすでに六年が経った。 目下、藤本美和子さんの編集で「綾部仁喜全句集」の編集作業をすすめつつある。 石田波郷選の句も収録したいという藤本さんの思いもあって、資料を目下集めておられるのだが、俳句文学館の閲覧室が利用できなくなってそれもかなわぬ状態のままである。 今年はこの全句集のことに力を注ぎたいと藤本さんは言っておられるのであるが。 わたしたちも年譜製作などお手伝いできるところはお手伝いしたいと思っているのであるが。。。 以下の写真は今日の寒木。 この黒々とした裸木は、ゆりの木。 こちらはコナラの寒林である。 鳥が飛び去った。 目白だろうか。。。 寒林を鳥過ぎ続くもののなし 髙柳克弘 で、 これは余談であるが、わが家にある『手塚治虫博物館』(手塚治虫・小林準治著)によると、 「櫟(くぬぎ)」は、 カナブンやクワガタ、カブトムシなどの甲虫が時に好きな昆虫採集家にとって、クヌギやコナラに木は、宝の山のようなものである。これらの木の樹液には、先の甲虫類をはじめ、オオムラサキやゴマダラチョウのような美蝶が集まるからで、『アドルフに告ぐ』で木の穴に手を突っ込んでいるアドルフの気持ちはとてもよくわかる。穴の下には樹液が流れた跡が描かれているが、これは手塚治虫の少年時代の光景そのものであると思われる。(略) クヌギの樹皮は灰黒色から濃茶色で縦に不規則に裂けているが、この形がクヌギの木を特徴づけていて、なんとも落ち着いた味のある模様になっている。(写真参照*yamaoka)これはコナラも同様で、コナラとクヌギの混成林が、今も埼玉県新座市の手塚プロダクションの正門前には健在だ。(略) クヌギはサクラやスギ、クスノキのような名木にはならないし、天然記念物にも指定されないが、いつまでも存在してほしい木だと思う。 とあり、その木が描かれている漫画の場面が紹介されている。 それが面白い。 さらに付け加えるならば、先日紹介した「樟(クスノキ)」は、本書によると、 本当にたくさんの木を正確に描き分けてきた手塚治虫が、一番思いを込めて、敬愛の気持ちを持って描いたのは、クスノキだと思われる。 とも記されていた。
by fragie777
| 2021-01-10 21:07
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