ふらんす堂編集日記 By YAMAOKA Kimiko

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樟のものがたり。

1月7日(木) 七草  旧暦11月24日


樟のものがたり。_f0071480_17235697.jpg



ご近所の丸池公園には、おおきな樟(くすのき)の森がある。

いつもはそこを遠目にみて過ぎてしまうのだけれど、いろんな鳥の鳴き声がするので、
お元日におそるおそる入ってみた。


樟のものがたり。_f0071480_17241065.jpg

樟によりかかって樟をみあげる。

鳥の声やとびかう気配はするのだけれど、姿はしかと見えない。

しっとりとした木の気につつまれてこうしていることは悪くない。

鳥声も耳にここちよい。




樟のものがたり。_f0071480_17240758.jpg

樟のものがたり。_f0071480_17240313.jpg

見えるのは樟とその枝と葉っぱ。

時折子どもがやって来て走り抜けていく。

マスクはずそうかなって思ったけれど、人間もやってくるのでマスクは外さなかった。

体を樟にあずけ、頰をよせてみる。
いい気持ちである。


樟は、白洲正子の著書『木』によれば、(いまたまたま目の前の仕事机にこの本があったので開いてみたのだけれど)

語源は「奇(くす)しき」に出ており、全体に芳香があって、樟脳を採ったり、薬に用いたところから、霊木として古くから尊ばれていた。日本書紀の神代紀には、樟で造った船のことが記してあり、今でも縄文遺跡などから、樟の丸木船が発掘されることは珍しくない。

とあり、日本の樟を代表する場所をいろいろと紹介していてそこに行ってみたくなるのであるが、いまは無理よね。
面白かったのは、日本に仏教が伝来した頃は、樟で仏像をつくることが多かったということで、それが平安初期になって檜の方が仏像に適しているということで、樟から檜に変わったのだそうである。檜に変わる前は、やはり樟は霊木として崇められてきたのだそうである。そして、白洲正子はこう書く。

その樟をつかった代表的な作に、大和の法輪寺の観音像がある。(略)若い頃の私には、この仏像のほんとうのよさがわからなかった。法隆寺の百済観音や、中宮寺の弥勒菩薩の、あのロマンチックな魅力に引かれていたからでただ芸もなくつっ立っている仏像に、何の興味も感じなかったのである。が、年をとるにつれ、仏像はこれでいいのだ。これが檀像の源泉だと、そう思うようになった。うまく説明することはできないが、この彫刻はあらゆる技巧を拒絶して、霊木の美しさを活かすことに集中している。天衣はまとっていても、その柔らかいな素肌のぬくもりは、わたしには裸像のように見えてならない。(略)


へえー、面白いじゃないということで、わたしは何度かかつて通ったことのある法輪寺を思い起こしながら、その仏像をしかと見たことがあったろうかとネットで検索してみた。(かつて「イケメン仏像をめぐる旅」で、この斑鳩にも二度三度きている)

→法輪寺 仏像

このなかの「虚空菩薩仏像」だと思う。


どうだろう。白洲正子さんが感動した所以、わかります?
これがあの樟でできているのか、、、、



今日はブログにこんなことを書くつもりではなかったのだけれど、たまたま「樟」のことを書き出したら、こんなことまでに発展してしまった。


ともかく、「木」もそれぞれ物語をもっている。
それをすこしずつ知っていくことも楽しい。

 


 夕鵙や樹影をまろく樟榎     斎藤夏風
 






今日はわたしは朝から出社。
パートのTさんとわたしの二人だけだった。

あとから文己さんがやってきて、わたしが昼にでかけ、Tさんは帰って、文己さんは早めに退社して、いまはわたしひとり。
複数の人間がいる時は窓を細めにあけているので、風がはいってくる。
だから皆あったかくして風邪をひかないように気をつけながらの仕事である。


わたしがポワンとしている間にリモート環境をスタッフのPさんが整えたので、在宅勤務でも仕事はとどこおりなく進むことがありがたい。








樟のものがたり。_f0071480_18180144.jpg





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by fragie777 | 2021-01-07 18:38 | Comments(0)


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