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1月4日(月) 御用始め 旧暦11月21日
横浜の港に咲いていた冬薔薇。 夕暮れの薔薇である。 お正月休みに珈琲が飲みたいという人間に、わたしが飲むついでに淹れてやった。 ペーパードリップ式である。 「美味いね! どうやって淹れたの」 「別にいつもどおりに」 「自分がいれるのと全然ちがう。すごく美味いよ」 「珈琲屋さんやったらお客はいるかなあ」 「絶対入るよ!」 と言われて、木のカウンターでお客を前にして珈琲を淹れている自身を想像した。 失業したらやるか。。。 なあんてね。 どの仕事もそんなに甘くない。30秒の夢物語だった。 珈琲の美味さって語るほどにはわからないけど、冷めても美味い、っていうのはわたしの基準である。 冷めてしまっても苦みも酸味もコクも失われないもの。(どこかとろりとしている) そういうのが好き。。。 新刊紹介をしたい。 A5判ペーパーバックスタイル 230頁 「世界の俳人90人が集うアンソロジー」と副題が付されている。(英語、フランス語でも) なかなかの大冊である。 編者は向瀬見音(むこうせ・みね)さん。1960年東京生まれ。2013年から作句をはじめ、大輪靖宏、山西雅子、櫂未知子から俳句の指導をうける。2019年第1句集『詩の欠片』を上梓。『国際歳時記「春」』。本アンソロジーはすでに5冊を刊行し、これは6冊目となる。現在、「HAIKU Column」主宰。俳句大学国際部機関誌「HAIKU」Vol.1~Vol.5までの編集長兼発行人。日本伝統派協会、俳人協会、国際俳句交流会、フランス語圏俳句協会AFH.上智句会、「舞」会員、「群青」購読会員。 本著は、まず俳句作品(講師作品、選者作品、レギュラー作品)があり、「今週の秀句」と題する一句鑑賞があり、最後にエッセイを収録している。 かなり読み応えのある内容である。 本著の担当のスタッフのPさんが、編者の向瀬美音さんにいくつか質問をしてお答えいただいた。 それを紹介したいと思う。 (1)HAIKU大学としてはじめられた活動だとは思いますが、このコラムの刊行をはじめようと思ったきっかけはなんですか? 国際俳句に興味がありました。 外国語ができて、俳句も少しわかるので、何か役に立てるかなと思いました。 古典的な三行詩、饒舌な国際俳句と日本の俳句に違いがあるように思いました。 Facebookを使った活動なので、瞬時に投稿が集まり、参加者、投稿者もどんどん増えていってきて、また、一句鑑賞という欄を、毎週設けて以来、選者の選と鑑賞が、教育的でこれを文章にしたくなりました。 (2)現時点でどんな国の方が参加されているのでしょうか? 国は、フランス、イタリア、ベルギー、オランダ、インドネシア、ルーマニア、 イギリス、スイス、ハンガリー、チュニジア、アルジェリア、モロッコ、ヨルダ ン、モーリシャス、レユニオン、カメルーン、インド、マレーシア、アルゼンチ ン、ベトナム、日本です。 また、何人くらいの人が参加していますか。 メンバーは2500人ですが 皆勤の人は100人ぐらいです。 (3)海外の人にとって俳句とはどうとらえられていますか? 世界で最も短い詩として理解されています。 自然と関わりのあるものと捉えられています。 (4)今後も活動を続けて行かれると思いますが、どんな展望をお持ちですか? 目的は歳時記、春、夏、秋、冬を作ることです。機関誌は一年に一回は出したいと思っています。 本文より各国の方の作品をすこし紹介したい。 Eva Su(Starry Starry) エヴァ スー(インドネシア) 日本語、英語で表現。 砂浜にきみの足跡大旦 first day of new year her footprints in the sand Jean-Louis Chartrain ジャン-ルイ シャルトラン(フランス) 日本語、フランス語、英語で表現。 夜の葉の短かき飛翔秋の月 lune d’automne un bref vol de nuit pour la feuille luna d’autunno un breve volo notturno per il lenzuolo Ninok Ruhiyat ニノック ルイヤット(シンガポール)の作品。日本語、英語で表現。 ビアグラス熱狂的なロックかな frenetic rock and rolls beer glasses わたしもすこし目をとおしたのであるが、思ったことは皆さん熱心であるということ。 その俳句熱が活字をとおして伝わってくる。 向瀬さんのお話によるとそもそもはFacebookから始まったということである。 それも驚きだ。 日本の俳句がそれほど人気があるとは、、、、、、 本書に記されている永田満徳氏の「7つの俳句の規則」を紹介しておきたい。 1、取り合わせ 2,切れ 3,季語 4,今を読む、瞬間を切り取る 5,具体的な物に託す 6,省略 7,用言は少なく これを見るといわゆる日本の俳句についてこれまで語られてきたことと同じであるのではないだろうか。。。 本書の装幀は和兎さん。 タイトルは金箔文字に。 世界に120冊、ほど送りましたが、反響がすごいです。 まずレイアウトがとても美しく、ゴージャス、、読みやすい、空気感があって良 い、こんな句集を見たことがないなど、すごい反応です。 と向瀬さん。 今年も機関誌を出すことになった。 なぜかと言うと、毎週の一句鑑賞で、それぞれの選者が丁寧に何枚にも渡って選句、鑑賞をしてくれるからだ。それを文字にしないわけには行かない。 Haiku Colum を初めて毎週一句鑑賞を10人くらいの選者に交代でお願いしているが一度も滞ったことがない。しかも、選句鑑賞を英語、フランス語、イタリア語でそれぞれ三ケ語で書いてくれる。とても貴重な資料なのだ。この一句鑑賞の欄には時には500以上の句が貯まる。それを、無償で鑑賞してくれる選者には感謝の気持ちで一杯である。 時に日本人がとてもいいと思う句と、海外の人がとてもいいと思う句が違うこともあり、そのためにも、これはとても貴重な欄である。 Haiku Columnのメンバーはどんどん増え、現在2200人である。初めは国籍は分からず、言語のみでメンバーを理解してきた。 しかし、歳時記を作るにあたって、メンバーの国と名前を全て日本語で示すことになった。これは大変な作業であったが、本当に地球儀を一周するような経験をした。知らない国もあり地図で確かめた。しかし、今は全員の国籍がわかる。おそらく30カ国に及びであろう。 機関誌が出るたびにメンバーに送るのがとても大変な作業であったが、今回の歳時記作りで、はっきりと名前と国籍がわかって楽になってきた。 歳時記と今回の機関誌から、日本語訳を17音で統一することにした。 2行に直訳をしてから、17音にする作業なので、意訳は出来るだけ避けられたと思う。 この17音訳によって、日本の俳人が海外の俳人の句に関心を持ってくれたらと願う。 それから、季語を紹介し始めてからメンバーの関心が季語にあると理解し、今や私たちの活動は季語を中心に進めている。 さて、もう4 年目になるが、なぜこんな大変なことを続けられるのかと自問することがある。それはやはり面白いからである。そして、日本の俳句に行き詰まった時、新鮮な新しい、そしてスケールの大きい発想を目にすることができるからである。 この毎日の新しい発見がある限り、私はこの作業を続けていく気がする。 向瀬美音さんの日本語の「あとがき」を抜粋して紹介した。 それにしても情熱がなければできないことである。 向瀬美音さん。 興味のある方は是非に読まれることをおすすめしたい。 新型コロナウイルス蔓延による状況はますますたいへんなことになりそうである。 ふらんす堂もリモートによる仕事をさらに徹底し、仕事場は当分の間二人体制でいくことにした。 ただ、お客さまには迷惑がかからぬよう、連絡を密にしながらやっていくつもりである。 皆さまもどうぞくれぐれもお気をつけになってくださいませ。
by fragie777
| 2021-01-04 19:21
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