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11月16日(月) 旧暦10月2日
山茶花の花。 花びらを散り敷いているので山茶花とわかる。 自転車で出社。 空気が入っていないようで、どうも今ひとつ重い。 午後、銀行に行った帰るに自転車屋さんによって空気をいれることにした。 ここは空気チューブが店の外にかけてあって、自由に入れていいことになっている。 セルフサービスでね。 でも黙って入れるのはわるいから、店内の店員さんに声をかけた。 「空気入れさせてもらいまーす」。 「どうぞー」と男子店員さん。 で、 前に来たときに教えてもらったようにタイヤのキャップをはずして、空気チューブの先を押し当てた。 「シュッ」と音がするが、手応えが今ひとつ。 (あれー、どうするんだっけなあ)、押し方が足りないのか、もっと力をいれてみる。 シュッ。 それでおしまい。 しようがないから、のこのこと店内に声をかける。 「あのう、空気がうまく入らないのですけどー」 男子店員さんがやってくる。 これでいいのかしら?とやってみせると、 「ああ、それでは反対ですね」 あら、いやだ。空気を天に吐きだしていたみたい。 彼はさっと上手にやってみせてくれ、 「いいですか。ここは絶対回していけませんよ」とさらに注意をしながら、 前も後ろもばっちり空気を入れてくれた。 わたしは空を見上げる。 ああ、何という気持ちのよい初冬の空だこと。 世界はわたしにこんなにも優しい……。 自転車もわたしも大満足。 「どうも有り難う!」 わたしはマスクをしたまま最高級の笑顔を向けた。(目がくちゃくちゃになっただけよ) そして自転車に飛び乗って(と自分では思っている)弾むようにふらんす堂へ戻ってきたのだった。 今日の讀賣新聞の長谷川櫂さんによる「四季」は、『鍵和田秞子全句集』より。 富士隠す冬山ひとつ東歌 鍵和田秞子 冨士山は遠くからよく見える。冬晴れの日はなお。ところが近すぎて見えない場所もある。これはどこだろうか。目の前の山が邪魔をして見えない富士山を心の目で見ているのだ。東歌(あずまうた)は古代東国で歌われた歌。『鍵和田秞子全句集』から。 おなじく同じ日の讀賣新聞の「枝折」より。 20年間の台湾との交流からうまれた『台湾優遊』のほか『青春』『天蓋』『遊戯』などから抄録。エッセー「私と台湾」も。現代俳句文庫の一冊。 今日の日付の毎日新聞の坪内稔典さんの「季語刻ゝ」は、稲畑廣太郎句集『玉箒』より。 冬日向雀ちよんちよん猫だらり 稲畑廣太郎 「ちよんちよん」と「だらり」、このオノマトペが冬の日なたの楽しさを伝える。句集「玉箒(たまははき)」(2016年)から引いた。作者は現在、俳句結社「ホトトギス」の主宰者。高浜虚子、高浜年尾、稲畑汀子、そして廣太郎と、この結社は4代も続いている。高浜・稲畑家は俳句をいわば家業としてきた。つまり廣太郎さんは〈俳句の家〉の当主だ。 「俳壇」12月号が送られてきた。 「本の庭」に菊田一平さんによって、安田徳子句集『歩く』が紹介されている。 抜粋して紹介したい。 「晨」同人安田徳子さんの第一句集。俳句を始めた平成16年から31年までの312句が編年体で収められている。 (略) 俳句を始めたのは平成16年というけれど、あとがきにあ、小学三年生の春休みの「俳句との出会い」が書かれている。いつものように空地の遊び場にいくと友達の姿はなく、自転車でやって来た一人の子に誘われるまま行ったのが、四,五人の子供たちがやっているハイクの会。そこで「見たまま、見たまま」と呪文のように唱えながら二年間俳句を続けた、とある。小説家の重松清氏か加納朋子さんの世界のようで興味深い。 安田さんは四十年後に本格的に俳句を再開した。気になるのはその場にいた子供たち。早熟だった彼らは、今、俳句とどんな係わり方をしているのだろう。 松手入れして灯籠の高くあり 葦切の声があちらに移りけり 剥製の鳥の目あおし冬ごもり この「俳壇」の「巻頭エッセイ」は津川絵理子さん。 「虫と暮らせば」と題して、いろいろな虫の観察体験談を寄せておられる。わたしが名前をしらない虫たちをいろいろと飼って育てておられたようだ。(メールでちょっと伺ってはいたが……。)細やかに精密に虫を観察しながら育てていて、語られる虫の向こうにはいつも津川さんのひたすらな目がある。最後の五行がとくに心に残った。紹介したい。 幼虫たちは独自の世界を生きているわけだが、私が世話をしてるのだから、人間の世界と繋がっていると言える。つまり、新型コロナに苦しむ世界と無縁ではない。しかし日々観察するとそれを上回る規模で虫たちの世界が広がっているように思えてきた。新型コロナは時代を変える現象だが、それだけが世界を動かしているのではないようだ。もっと大きくて複雑な流れが私たちを包み込み、未来へ運んでいるように感じるこの頃である。 今日は着倒した革ジャンを修理(?)に出した。 ボタンのところの革が破れてしまったのだ。 友人がやっているセレクトショップで二十年ほど前に買ったもの、 で、友人のところに持って行ったところ、 すぐに修理してくれたらしい。さきほどラインに連絡が入った。 助かった。 今の季節革ジャンはとても重宝するのだ。
by fragie777
| 2020-11-16 19:41
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