カテゴリ
以前の記事
最新のコメント
検索
外部リンク
画像一覧
|
10月1日(木) 旧暦8月14日
この間写真を撮らせて貰った烏。 気に入っている一枚。 午前中より出社して、まずは税金の支払いなどその他で銀行や郵便局へいく。 お金も下ろさねばならない。 行く前に、「忘れ物はないかな」と声に出して確認。 で、 出掛けた。 で、 お財布を忘れた。 キャッシュカードが入っているので、お金を引き出せない。 途中で仕事場に戻ってふたたび銀行へ。 「あーあ、疲れたわ」と言って戻ると、スタッフのPさんが、 「あんなに声に出して確認したのに忘れたんですかあ」と言って笑う。 「なんかね、こう焦っている時って駄目よね、忘れちゃうのよ。やっぱりこころを落ち着かせないとね」と言うと 「そんなことないですよ、どんな時でも必ず何かを忘れるじゃないですか」と言って再び笑う。 (失敬な!)って一瞬思ったが、その通りなので、 「はははは、そうよね……」と力なく笑い返したのだった。 今日も午後3時より読み合わせをした。 3時間かけて3句集。 今日は読み合わせが終わったあと、身体がすこしだるいような気がした。 こういう時に風邪をひきたくはない。 仕事場に常備してある葛根湯をさっそく飲んだ。 さ、 あとはブログを書くのみ。 過ぐる7月10日に岡井隆氏が亡くなった。 その死を悼むとともに、その業績を顕彰すべくいろいろな雑誌で追悼特集がなされている。 優れた表現者であったと改めて思う。 ふらんす堂からは2011年に、岡井隆歌集『静かな生活』を刊行。 再び読み直してみたのだが、たいへん面白い。 岡井隆氏のことを思いながら、再び読んでみた。 「短歌日記」にこんな風に取り組んでくださってたのか、と改めて思ったのだった。 ご自身の短歌に、散文の日記ではなく、詩の一行や俳人の俳句や自身の俳句などを添えてみせる。 その一行と短歌が絶妙な響き合いをしているということに、今更ながら気づいたのである。 今日は、岡井隆氏を偲びながら、この一冊の日記のいくつかを紹介してみたい。 1月31日 旗のごとなびく冬日をふと見たり(虚子) 翌る日の朝刊のやうにさはやかに死が配られて来(こ)し ソクラテス 2月21日 鶯に人は落ちめが大事かな(万太郎) イッセイ・ミヤケを着て行くことに決めたんだ。「ネクタイは?」あのアルマーニの黒さ。 3月7日 「私が仕事の机に向つてゐる時は、厩(うまや)の仕切りの中にゐる驢馬みたいだ。」(ルナール日記) われの死ののちも世界はつづくらむほがらかにまた涙垂れつつ 4月6日 「ひどい目に逢ふぞ。男は本から騙されるものだ。」(メフィスト『ファウスト』) 荒れてゐるこころが老いをかくさうとするのだ 靴を穿きかへて出づ 4月30日 「蟻のゆくてに蟻がゐるらし見えねども」(楸邨) もう一度見わたしてから寝ねむとす(なにを見わたしたかは言ふまい) 6月21日 シムボルは悲劇だ「あらどうしましょう」(西脇順三郎) 耐へ耐へてことのすぐるを待つごとしアガパンサスのつぼみふくらむ 8月19日 芋の葉の滂沱と露の面かな(川端茅舎『華厳』) 夏雲のうつくしう立つ北空を欲望ふかきわれの見てをり 9月11日 「『何が?』と聞くべきであって『なぜ?』と聞いてはならない。」 亡くなつた人を話せと人は言ふ俺でいいのかいいなら話す 9月22日 たなごころ墨によごさば蘆(あし)刈らむ(田中裕明) 民衆の声を天よりの声と聞くとは究極の遁辞であらう 11月11日 「汚れつちまつた悲しみに、今日も小雪の降りかかる」(中也) 高齢が長寿ではない実感を服喪の席にありてのべたる 12月19日 皹(あかぎれ)は拇指より示指へ深まりぬ 寂しいと言はず淋しさを知らせ合ふ瞳(ひとみ)の奥の魚(さかな)の光り ★ 歌には、そのころに読んでゐた本や詩集や句集から一行の箴言や好きな俳人の作品などを合はせたりした。コラボレーションといふほどのこともないが、一種の合はせ技であらう。無署名の俳句は、わたし自身の作品で、久しぶりに、『歳時記』をひらきながら創作した。わたしは、日本の詩に、詩・短歌・俳句・川柳などが併存することを喜んでをり、あまりジャンル別にこだはらないのであるが、かといつて、そのジャンルのプロたちにあへてまじつて自分が競ひあつてゐるのをかくすつもりもないのである。 ★ 「あとがき」の一部分を紹介。 たくさんの俳句を読んでおられたようであるが、楸邨はお好きであったようで一番多くその作品が登場している。 このところ、注文がふえているようだが、岡井隆ファンにははずせない一冊であると思う。 目下、東直子さんと穂村弘さんが中心となった行った「短歌吟行会」の本をすすめているのだが、それにもゲスト出演をしてくださったのだった。 あれからずいぶん時間が経ってしまったな。。。。。
by fragie777
| 2020-10-01 20:16
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||