カテゴリ
以前の記事
最新のコメント
検索
外部リンク
画像一覧
|
3月22日(日) 旧暦2月28日
神大植物園に一本だけ咲いていた染井吉野。 大きな木である。 遠くから見ると白い花にみえるが、 近づくと、桜色である。 幻想的な美しさだった。 神大植物園にはたくさんの染井吉野があるが、この日咲いていたのはこの一本だけであった。 今日は、田中裕明・森賀まり共著『癒しの一句』より。 3月28日付で田中裕明さんが、鈴木花蓑の一句をとりあげている。 雪の嶺(ね)の霞に消えて光りけり 鈴木花蓑 遠くの雪嶺が霞にまぎれて見えなくなったというのも、春浅い頃の感興である。そのひとたびは見えなくなった雪山が、きらりと光って霞の中にありありとその存在を示した。人の姿のない、純粋な、叙景の俳句である。その客観写生の景色の中に、抽象化された人生の意味を読み取ろうとする人もあるかもしれない。しかし、花蓑のこうのような叙景句は、やはりそのあるがままの風景として味読すべきであろう。そのあじわいのなかに、読者をしてゆったりとした気分にさせすものがある。 鈴木花蓑は明治14年(1881)愛知県半田生れ、俳句を学びたくて高浜虚子に師事した。活躍した大正末期は「ホトトギス」の沈滞期とされるが、その少ない作家の一人として、感覚の冴えた、深い凝視による俳句を作った。「薔薇色の暈(かさ)して日あり浮氷(うきごおり)」「大いなる春日の翼垂れてあり」などがその感覚的な叙景句の代表作である。抽出句は没後の『鈴木花蓑句集』(昭和22年)所収。(霞・春) 夕方に出会った雀。 何か加えている。
by fragie777
| 2020-03-22 21:49
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||