ふらんす堂編集日記 By YAMAOKA Kimiko

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三井住友銀行がやってきた。

11月19日(火)   旧暦10月23日



遅刻しそうであったが、歩いて出社することにした。

今日は比較的あたたかである。

わたしはワイシャツの上に黒の薄手のセーター。
そして黒のやはり薄手のコートを羽織った。




三井住友銀行がやってきた。_f0071480_17205566.jpg

途中で皇帝ダリアが咲いていた。

空の青さによく映えている。



三井住友銀行がやってきた。_f0071480_17205736.jpg
そして石蕗の花。


俳人の人たちが好んで詠む花である。



 母の目の裡にわが居り石蕗の花    石田波郷
 石蕗の花つき出してをる日向かな   清崎敏郎
 石蕗の花財閥の世は遠くなり     松林尚志
 つはぶきの花見るだけに寄り道す   ふけとしこ
 妻来たる一泊二日石蕗の花      小川軽舟





三井住友銀行がやってきた。_f0071480_17211688.jpg

今日の空。

冬空も青いが、青さがちがう。
秋空の方が全体的に濃かったかなあ、なんて思った。。。





これは昨日の朝の写真である。


三井住友銀行がやってきた。_f0071480_17211700.jpg

なんと仙川に三井住友銀行がやってきたのである。
昨日がオープン初日。
仙川には、みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、芝信用金庫があるのだが、スーパー丸正が撤退したところに三井住友銀行が入ったのだ。
ふらんす堂の出版案内の地図にはまだ「丸正」って記してあって、来社のお客さまがまごついてしまうことがよくある。
「スーパー丸正」を「三井住友銀行」と書き直さなくてはならないけど、いつになるかなあ。。。


そんなわけで、「スーパー丸正」でなくて、「三井住友銀行」なのです。
ふらんす堂にいらっしゃるお客さま、間違えませんように。。。


ふらんす堂のメインバンク(!?)は、芝信用金庫でもう30年以上のおつきあいがある。
ここは地元に根付いていて、行くと農家のお婆さまやお爺さまが行員さんと仲良くお喋りをしていたりして長閑で親切である。小さなふらんす堂のこともよく知っていてくれて、わたしが行くとにっこりと店長さんなども笑って挨拶をしてくれるのだ。
これはふらんす堂が有名ということではなくて、わたしがよく行くということと、忘れ物をしたり、落としものをしたり、融資もして貰ったりで、とにかく30年以上のおつきあいは得がたい信頼関係のようなものを作り出したのかもしれない。
窓口の女性がそうじて感じがよく仕事ができることもGood!である。


ともかくも天下の三井住友銀行も小さな街仙川にやってきたのである。







「ふらんす堂通信」の「しののめ集」の選者をお願いしている歌人の東直子さんより、第二歌集の文庫本を送っていただいた。


三井住友銀行がやってきた。_f0071480_17212184.jpg
ちくま文庫刊  定価780円+税


少し前に第一歌集の『春原さんのリコーダー』が刊行になったばかりだからそれに続くこの度の刊行だ。
本歌集も第一歌集と同じように花山周子さんの解説があり、今回は穂村弘さんと著者の東直子さんの特別対談がある。

東直子さんの短歌がまとう不思議な感覚、って何だろうって思いながら頁をめくっていると花山周子さんがこんなことを書いていた。抜粋して紹介したい。

 ただ一度かさね合わせた身体から青い卵がこぼれそうです

「こぼれそうです」と告げられたとき、こちらが、それを、どうにかしなければならないようなおそろしい焦りを感じさせられる。女性的なエロスを感じさせながらもこの歌の主体はまるで子供なのだ。子供が母親の前にやってきて、「おなかがいたい」とい言うときのように、彼女は「こぼれそうです」と言っている。そして東は『青卵』のあとがきの最後でこんなことを言っている。
これを読んでくださった方の奥にある世界に、わたしの短歌が触れることができれば、とても幸いです。
控え目な書きぶりではあるけれど、読んで下さった方の奥にある世界に触れることができれば、というのは、かなりなことを言っていると思うのだ。心に届けば、などと言うのではない。奥にある、世界に、しかも、触れたい、と言っている。ふつうであれば厚かましいとさえ思われかねない内容であると思う。それでいて、実際に東の歌は、ふだん警戒心の強い私の奥にある世界に確かに触れている。なぜか。
私は東の共有願望のあり方は、友情や恋愛で相手を求めるような類のものではないように思うのだ。それは、また他人と自分の区別がつかない幼児が保護者に対し、本能的に、潜在的に、且つ、絶対的に持っていた必要不可欠な欲求であり、誰もその欲求を嗚厚かましいとは思わないのである。

花山周子さんの解説の一部を抜粋したが、「奥にある世界」に触れたいという「あとがき」で、自身のなかにあるかもしれない「奥にある世界」を思ってしまうところが、すでに東直子さんの短歌の世界なのだと思った。
 
 好きだった世界をみんな連れてゆくあなたのカヌー燃えるみずうみ

この歌についての穂村さんと東さんの対談も引用して紹介したかったが、一部のみ、東さんの言葉を紹介しておきたい。

東 そうですね。寂しければ寂しいほど詩的な興奮が起きるみたいなところがあって、去るのが好きというか、きっと去るだろうという予感に胸が満ち満ちていて、どうしてもそういうところで作っている気がします。




興味のある方は是非に!




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by fragie777 | 2019-11-19 18:46 | Comments(0)


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