8月16日(水)
台風接近ということで小雨が降りつづき蒸し暑いことこの上ない。午後から新宿へ行く用事があり、仙川の駅で電車を待っているときに、ふっとイタリアのどこまでも明るくからっと晴れ渡った天気をなつかしく思う一方、日本の湿度の高さをうらめしく思ったりした。でもこの湿度の高さがお肌に良いそうで、日本女性の皺のなさとしっとりとした玉のような肌はそのことによるのであるそうな。ふーん、そうか、じゃ我慢するか…。
(だからと言ってわたしが美しいお肌をしているわけでは決してないのであるが)
キューバ旅行が近づいているブックデザイナーの君嶋真理子さんであるが、今日もふらんす堂にやってきて、装幀を四つほど仕上げて行く。19日にたって9月2日まで帰ってこないので、このところ素晴しい頑張りで一日置きくらい来社して仕事をしてもらっている。「19日も午前中はまだ家にいるかもしれないから、なにかあったら電話下さーい」なんて、まったく君嶋さんらしい大胆なことを言う。去年はイタリア南部にあるマルタ島に行って、ワインをどっさり買って帰ってきたらしいが、今年もキューバのお酒を積み込んで帰ってくるのかな? 葉巻を吸うんだって張りきっていたけれど、お酒も葉巻もほどほどにね。君嶋さん!
ふらんす堂もそれぞれ適当に夏季休暇をとっていて、仕事時間も「ちょっぴりフレックスタイムね」などとスタッフにイッチョマエのことを言ってみた。だから、ゆっくり始まり、帰りもはやい。今日は中井愛が早退をして休暇に入る。中井はダンナさんの郷里の仙台に向かうということである。わたしも早く仕事をきりあげていま読み始めている「ゲド戦記」の2巻にとりかかろう。映画は残念ながらつまらなかったが、原作はなかなか面白い。風も涼しくなった頃、ワインを飲みながら人間がまだ魔法の力を持っていたそんな時空にこころを羽ばたかせるのは、とても素敵だ。
写真は秩父の荒川上流の浦山の風景。