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10月21日(月) 旧暦9月23日
枳殻(からたち)の実。 完璧に近い球体である。 枝には堅い鋭い棘がみっしりとついている。 こうして全体をみるとどちらかというと渋いおもむきである。 この枳殻の実は、もうなんべんも見上げている。 「ふおんな天候がつづいておりますが、」という手紙の書き出しに「ふおん」を「不隠」と書いてしまって便箋一枚を無駄にしてしまった。 「不穏」だよね。 広辞苑で確認した。 パソコンに「ふおん」と打ち込めば、「不穏」ってすぐに出てくるけど、書き文字はおぼつかない記憶を引っ張りながらであるので、文字恰好が似ていると間違えてしまう。 えっ、? そんな間違えをするのは、yamaokaだけだって。。。 フン、そうかもしれないけどさ、 気がついただけ、良しとしてよ。 わたしとしては、書き直して手紙を出せただけでも上出来っていうこと。 そこんとこ分かって欲しいなあ。。。 今日は新聞の記事を紹介したい。 20日付けの讀賣新聞の長谷川櫂さんによる「四季」では、月野木潤子句集『和草』より。 立山を曳くかに鰯曳きにけり 月野木潤子 鰯(いわし)引く(曳く)とは、地引き網や船引き網で鰯を獲ること。最盛期が秋だからか、鰯引くも鰯も秋の季語にしている。この句、富山湾の鰯漁である。秋晴れのはるかかなたには立山の連山。峰々がやがて雪で白く染まる。句集『和草(にこぐさ)』から。 21日付けの讀賣新聞の「枝折」では、井越芳子句集『雪降る音』が紹介されている。 2007年から18年までの372句を収めた第3句集。五感をとぎすませ、やわらかな感性で詠む。 樹の輪郭風風の輪郭冬近し 井越芳子 おなじく21日づけの毎日新聞の酒井佐忠氏による「詩歌の森へ」は、二冊の句集をとりあげている。仙田洋子句集『はばたき』と井越芳子句集『雪降る音』である。タイトルは「内なる音を聴く」。抜粋して紹介したい。 向日性に富んだ詩性が魅力の仙田洋子が第4句集『はばたき』(角川書店)をまとめた。前句集の『子の翼』以来、実に11年の月日がたった。俳人が一冊の句集にかける歳月の重たさは並大抵ではない。 〈はばたきに耳すましゐる冬至かな〉。句集名となった一句。作者の言によると、愛すべきインコ達が家族に加わり、また、毎日にように庭を訪れる野鳥の「はばたき」から生まれた句だという。インコとともに暮らす家族のぬくもりが「はばたき」の音ともに伝わってくる。(略) 井越芳子の第3句集『雪降る音』(ふらんす堂)も、俳人協会新人賞を得た前句集『鳥の重さ』以来、12年ぶりの新句集。この句集も微かな音に耳を澄まし、感覚と思考がない交ぜになった詩性の魅力がある。詩人の高橋睦郎は、「もののほんらい持つ内なる音につねに聴覚を澄ましつづける」と帯文で書いている。 〈雪降る音母を隠してしまひけり〉〈日盛は花のくづるる音と思ふ〉。1句目は母の死後、雪を求めて八甲田山へ「一人吟行」をしたときの作。他に〈火のいろを冬の海より持ち帰る〉など凝視から生まれた発想が詩的。今後は「認識をもので捉えていくことが大きな課題」と作者はいう。 去る14日(月)に、句集『和草』を上梓された月野木潤子さんをお祝いする会が、東京・日本橋にある「HAMACHO DANIG & BAR 『セッション』」で開かれた。 句集担当のPさんが出席した。 その模様をPさんのレポートに基づいて少し紹介したい。 浜町ホテル 1Fのブルーノートと提携されているダイニング&バー「セッション」にて催されました。 娘の若菜さんによる、スタイリッシュでスマートな形の会で、帯を執筆ただいた小形眞子さんプロデュースによる、俳句×音楽の特別円巣“ニコグサ・セッション”や太神楽の出し物などもある華やかな会でした。 ご挨拶をされる上田久差子「らんぶる」主宰。 月野木潤子さん、御句集『和草』出版おめでとうございます。 本日は細かい雨が降っておりますが、私が晴れ女で潤子さんが雨女なのでどちらが勝つかと思っていたのですが、ほどよくおしめり程度の雨です。「和草」という名前は生えたばかりの草のことをイメージしますので、やはり水分が必要ですので、そういう意味でちょうど良いお天気、潤子さんの詩心が湧いてくるんじゃないでしょうか。 『和草』ができあがって、本当に感激いたしました。私は拙い序文を書かせて頂きましたが、潤子さんのお人柄であり、人生であり、少しでもお手伝いができたら良いかなと思い序文を書かせて頂きました。 とても素敵な帯文ですね。 この形の帯はなかなかふらんす堂さんでもないと伺いました。このようななめらかさ、ピアノを思わせるような形。そしてピアニストの小形眞子先生がとても素敵な帯文を書かれています。 中に「『和草』の旋律感」という言葉に私も惹かれまして、まさに潤子さんの俳句は音律で出来ているといっても過言ではありません。 パセリ刻むてのひらにパとセとリ つつと来てつつつつと去る小鳥かな いいですよね。 また、リズム感もそうですが、やわらかい句、ワルツみたいな句というのもありますね。 花栗も夜もくだちてゆくばかり すーっと流れていく音楽性。 鳥どちは水見せ花は空を見せ 眞子先生がご指摘していたように「休符まで透けて見えるような」と書かれていらっしゃいますが、まさに俳句というのは17音が繋がってはいるんですが、どこかに休符があったり呼吸があったり。一呼吸置くことによってまた詩情があふれ出していくという川の流れのようなところがある、そういうムードに潤子さん俳句は繋がっているのではないのかなとつくづくと思いました。 一冊になるとやはり重みが違いますね。 潤子さんの人生がここに詰まっています。 私の序文でも書かせて頂きましたが、まさに「家族の肖像」のような句集だと思います。 もちろん俳句というのは自分のことを詠むものですが、当然ながら自分であり、御主人であり、ご両親であり、お子さんであり、お孫さんであり、ひ孫さん、すべてそれが潤子さんの目の中で生きている、潤子さんの身体の中で生き続け、潤子さんの詩の中に生き続けているという、そういうところが『和草』の魅力です。 柞葉の母の形見の秋袷 ペン胼胝の父にうれしき鯊の竿 コンサイスは兄の形見や終戦日 姉逝くや千草の花につつまれて 夫の忌の榊の花のほつほつと 人日の初子得てより半世紀 この初子は、1月7日生まれのご長女の若菜さんですね。私と同い年でそういう意味でもご縁がありました。 母が子に子が母に編むクローバー 六月の花嫁小さきゑくぼ見せ 桃吹きて孫は長子を授かりぬ さり気ない描写であり、俳句というのはポエジー性がないといけないと思うのですが、潤子さんの目を通して心を通して全て詩になっているという、それが潤子さん俳句の魅力です。潤子さんの俳句を見るときの目はとてもキラキラされています。少女のような、幼子のような目をして俳句を作っていらっしゃる気がします。 いつも出会った時が新鮮、一期一会と申しますが、それがこれからも全部キラキラと、今後ますます俳句の目を養って頂けると信じております。 『和草』の上梓は嬉しいことですが、これからまた更に楽しい素敵な俳句が生まれて、音楽がまたたくさん出てくることを願って止みません。 今日は本当におめでとうございました。 ご挨拶をされる著者の月野木潤子さん。 皆さま本日は天気の悪い中をお運び頂きまして、こんなに会を盛り上げてくださいましてありがとうございました。 『和草』については、こんなに褒めて頂いていいのかしらと思っているくらいお褒め頂いて、少し有頂天になりかかっております。お許し下さい。 やはり、日差子先生のご序文にもありましたけれども、自分が育った富山県高岡市に対して、私は少女時代にちょっと反感を持ちましたり、嫌な思い出や目をつむりたいこともあったんですが、この句集を出すに当たりまして、その心もだんだん解れて参りました。 句集を出した後に、いろいろな方からお電話やお手紙を頂いて、その中で思いがけない友達から連絡をもらいました。認知症でお話もできないし交流もできないと言われていたお友達からいきなり電話がありました。「句集を貰って、読んですごくよかった」と言われて時には、私は嘘かと思うほど喜びまして、そういった俳句を通して、一冊のたった一つの句集を通して、いろいろな交流を皆さまとさせて頂きましたことを再確認いたしましたことをとても嬉しく思っております。 今日ここにお運びくださいましたことで、また私の力強いいろいろな物が、案外自分の中から湧いてくるのではないかと、自分自身でも期待しております。 今日は本当にどうもありがとうございました。 月野木潤子さんと月野木麻里さん。 麻里さんがこの会をプロデュースされた。 麻里さんも俳人。俳号は月野木若菜さんといって「知音」に所属しておられる。 月野木潤子さま、第1句集『和草』のご上梓、おめでとうございます。 心よりお祝いを申し上げます。 ![]() ![]() ![]() 明日は祝日。 しかし、雨になりそうである。 晴れ晴れとした太陽光線が欲しいとねがう今日この頃。
by fragie777
| 2019-10-21 18:26
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Comments(2)
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