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9月16日(月) 居待月 敬老の日 旧暦8月18日
水澄む。 今日はほぼ夕方近くまで家で無為にぐたぐたとして過ごす。 (人間は無為すごすこともできるという特権を持っている、なんてね。) ぐたぐた、 ぐたぐた、 ぐたぐた。 猫たちはときどき甘えにやってくる。 そして、 穴蔵をはいでるような感じで、仕事場へ行く。 どうしても今日中にしておかなくてはいけないことがいくつかあったのだ。 ついでにこうしてブログも書いてしまおう。 少し前のことであるが、いま句集をおすすめしている斎藤昭信さまより珍しいものをいただいた。 斎藤さまは、中国語が堪能で中国文化にも詳しくよく中国にも行かれるお方である。 担当の文己さんとわたしに、 「はい、これ中国のおみやげ」ってくださったものが、小さな黒いワイングラスのようなもの。 「夜光杯(やこうはい)と言ってね、玉できているものなんです」ということ。 夜、杯に酒を満たして、月光の下でそれをすかすと杯に光があることから、夜光杯と呼ばれるようになった。 ウィキペディアにある。 昨日太極拳の友人で中国語が堪能で中国文化に精通していて、「北京はわたしのふるさと」という友人のYさんに「夜光杯」のことを話すと、 「ああ、夜光杯ね、わたしも持っていたし、よく知っているわ。珍しいのよ」ということ。 そして「夜光杯」にまつわる漢詩を一篇教えてくれたのだった。 涼州詞 王翰 葡萄美酒夜光杯 欲飲琵琶馬上催 酔臥沙場君莫笑 古来征戦幾人回 涼州の詩 王翰 葡萄の美酒 夜光の杯 飲まんと欲して琵琶 馬上に催す 酔うて沙場に臥す 君笑う莫れ 古来征戦 幾人か回る 涼州の地に駐屯した出征兵士にとっては、名物の葡萄のうま酒を、月の光に照らされる杯で飲むのがもっとも趣きがある。今、それを飲もうとすれば、馬上でかき鳴らす琵琶の調べが酒杯を促すようである。 今、戦(いくさ)に出ようとするこの砂漠に酔い臥すことがあっても、人々よ笑わないでほしい。昔から遠く西域への戦にかり出された人たちの中で、幾人が無事に故郷に帰ることができただろうか。 という意味であるらしい。 「西域のものだからワインがいいのよ」ってYさん。 そういえば齋藤さんも、そうおっしゃっていたような気がする。 夜光杯自体は、6センチくらいの小さなものである。 自然の玉であるので、文己さんとわたしのものの模様はまったく違う。 ちなみに作者「王翰」については、 王 翰 687-726 初唐から盛唐の政治家・詩人 山西省太原(?)の人。幼少時代から優れた才能の持ち主であったが、それにうぬぼれて、酒を好み馬を飼い、女性や楽士を集めて宴会や狩猟にふけった。24歳で進士に及第し順調に出世していたが行動に問題が多く、その後南方に左遷され、その地で死んだ。詩人としては名声を得、特に国境地帯の兵士を歌った辺塞詩に特色がある。享年40歳。 夜光杯。 ボルドーワインを満たしてみた。 (ちょっとこの写真の撮り方だとムードないわね) 美しい月夜となったら月明かりに照らされながらワインを味わってみたいと思う。
by fragie777
| 2019-09-16 18:34
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Comments(2)
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Daxiongmao
at 2019-09-16 22:18
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yamaokaさま
夜光杯、って夢のある素敵な名前ですよね〜。 yamaokaさんのおかげで、夜光杯にまつわる思い出に、 何十年ぶりかで浸りました。 夜光杯の横にいる、可愛らしい足長ハリネズミさんが 気になります!
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fragie777 at 2019-09-17 18:28
玲玲さま
先日はお世話になりました。 昨夜も夜光杯でワインを飲みました。 残念ながら月はみえませんでした。 その背後にあるものを知るとまたいっそうワインの味も深まっておもえます。 月の美しい秋に似合う夜光杯かもしれません。 「夜光杯」について教えてくださってありがとうございます。 ブログを見た友人が、「あの詩、わたし詩吟で詠ったことがありますよ」と電話をくれたのでした。 (yamaoka)
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