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9月13日(金) 十五夜 鶺鴒鳴(せきれいなく) 旧暦8月15日
9月の湿原。 涼しい一日がはじまった。 今日はクーラーなしで過ごす。 白の厚地の木綿ワイシャツを着て、黒に地模様のあるパンツをはき、靴を白靴から黒の革の平底のカジュアルなもの(もう十年くらい履いている!)のに替えた。 白い靴から黒い靴に履き替えたことによって、夏は決定的にわたしから去ったと思ったのだった。 今日は十五夜である。 俳句総合誌「俳句αあるふぁ」秋号がとどく。 ふらんす堂の本をずいぶん取りあげてもらっているので、抜粋して紹介したい。 まず、小川軽舟句集『朝晩』を木割大雄氏が書評している。 冬の朝トースト二枚とびにけり お分かり頂けるだろうか。これはもうすっかり、日野草城の世界だ。昭和初期、颯爽として登場した若き日の草城。その姿が見えてくる。 誓子山脈、草城平野という言葉まで思い出して、私はすっかり嬉しくなっている。そういえば、草城に『旦暮』という名の句集があった。 以下は俳人の田島健一さんによって、紹介されたもの。こちらも抜粋して紹介。 『喝采』というタイトルは華やかで気弱なところを微塵も感じさせない。この力はどこから来るのだろうか。 川流れをりて川霧流れざる 口中の燃えたる愛のチヨコレート 春待つや一病抱へ百弐歳 決して言い尽くすことのない静かな息づかいに、確かな厳しさを感じさせる。どの句も踏み外すことなく、しっかりと地を踏みしめるように響いてくる大人の句集である。 黒犬が逃水を横切つて行く 知らない人が隣に暮らす金魚かな 目の前を遠く眺めて春焚火 日常に飽きることのない著者の活力ある眼差しは、多くの読み手を励ますに違いない。魅力的な句集。 黒く来て黒く去る鳥春浅し 春の水とはこどもの手待つてゐる 雪の日を眠たい羊眠い山羊 無理のない筆致に軽快なリズムを生み、一気に読める句集となっている。 十薬や雨にくぐもるひとのこゑ まんじゆしやげ二度つぶやけば呪文めく 目に見ゆるものほど遠し神無月 芭蕉の弟子たちの句を一日一句×一年分、三百六十五句を紹介する。その多様さには目を見張るものがある。芭蕉が彼らを育て、そしてまた芭蕉自身も彼らの存在によって磨かれていったのだとつくづくと思い知らされる。 蕉門の句を通して「座とは何か」という問いに迫る読み応えのある一書。 本号の特集は「金子兜太生誕百年」。 そうか、百年になるのか。。。。 あらためて今日は十五夜 月を見て帰ろうか。 眼が渇くかなしさ月の夜歩きは 能村登四郎
by fragie777
| 2019-09-13 19:30
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