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9月5日(木) 旧暦8月7日
矢川に覆い被さるようにして咲く臭木の花。 強烈な花の匂いがたちこめている。 水辺と臭木の花はよく似合う。 昨夜、髪をあらったあとドライヤーで乾かし、髪を整えてから寝た。 ところがどうだろう。 朝起きて鏡をみると、 左耳の上あたりのひとかたまりがピンとうしろへ反逆的に跳ね上がっている。 寝癖か。 いい歳をして。 櫛ですいてもムースをつけてもすぐに跳ね上がる。 まことに威勢のいい一団である。 まっ、仕方ないか、 とそのままにすることにした。 最近わたしの髪の毛は反乱をおこしていて、硝子窓にうつった自分の髪の毛の威勢の良さにぎょっとすることがある。 (ええっ!! こんなだった!)と。 yamaokaは、ひどく温厚な人間なのに、髪の毛が反乱をおこしているのだ。 いったいいつからであろうか。 さっきトイレにいって鏡をみたが髪の毛だけは相変わらず60度跳ね上がっている。 今日の讀賣新聞の長谷川櫂さんによる「四季」は、小島一慶句集『入口のやうに出口のやうに』から。 ひぐらしのこゑ父母を知らぬ声 小島一慶 蜩ははあるかな声である。彼方から聞こえ、彼方のものを呼びつづける。世界には父母を知らない人がたくさんいる。その人の心の声のようでもある。昆虫は親を知らないなどと読んではいけない。句集『入口のやうに出口のやうに』から。 昨晩の毎日新聞の夕刊には、片山由美子さんが連載している「定型の窓から」に、後藤比奈夫氏についてその句集を中心に書かれている。もう一方は小原啄葉氏の新句集『草木』について。〈円卓を回され海胆を逃したる 啄葉〉 ここでは後藤比奈夫氏について紹介したい。 タイトルは「百歳の芸 俳句の恩寵」 今年は16日が敬老の日である。 敬老の日をうとうとと過しをり この句は、後藤比奈夫氏の新刊句集『喝采』に収められている。 比奈夫氏は大正6年生まれ。今年何歳かを手帳の年齢表で確かめようとしたところ、大正9年からしか載っていない。このこともじつは『喝采』に詠まれている。 新暦百歳以上には触れず 後藤比奈夫氏は、当年百二歳であるが、百歳からの作品を収めたこの度の句集は、驚嘆すべき一冊である。季節に敏感に反応し、当為即妙、俳句とはこんなに面白いものかと思わせる。 前句集『あんこーる』では百歳の芸を堪能したが、『喝采』はそれを超えている。 瀧の上に水現れてすぐ落ちず 俳句に親しんでいる人ならば、これが、 瀧の上水現れて落ちにけり 後藤夜半 という句を踏まえていることは言われなくても分かる。夜半は比奈夫氏の父である。それゆえにこのパロディーが面白さを増す。 チューリップにも定形を外すもの これは、世の俳句に対する批判がのぞく。しかし、チューリップの花には絵に描かれたものばかりではないことを巧みに表現している。 いま挙げたのは卓抜なウイットの句であるが、そればかりではない。 花はみな泰山木も花菩薩 これは花というものの在りようを詠んでいて、深い。どんな花も、御仏を拝するようなありがたさを心に抱かせるというのだ。樹上に咲く泰山木の白い花の気高さから発想したに違いないが、思いの広がり方は驚くばかりである。 いちにちは長く短し沙羅の花 この句も、一日花である沙羅の花のはかなさと美しさが、作者の思いにつながっていくところが絶妙である。 散る花の中へ咲く花揚花火 花火の句はほとんど詠み尽くされていると言ってもよく、詠むのがむずかしい素材である。しかしながら、この句には新しさがある。続けて打ち揚げられる大きな花火の微妙な時間差が目に見えるようだ。 こうしたみずみずしい作品を詠み続け、現役の俳人として歳を重ねてこられたのは、長寿社会というだけではない。俳句文芸がもたらす恩寵というべきだろう。 この記事を読まれた比奈夫先生は、今朝片山由美子さんに御礼のお電話をされた様子である。 片山さんが、「寝ていなくて良かった。明け方から原稿を書いてましたので」とラインをくださった。 明け方に原稿を書かれていたという片山さん、徹夜だったのかしら。 「お元気そうなお声にホッとしました」と比奈夫先生のことをおっしゃっておられたが、片山さんこそ、ご無理さないませんように。俳誌「香雨」を送っていただくたびにその充実度に目を見張るばかりであるが、さまざまなお仕事をかかえ、さぞたいへんであろうと思う。 「ふらんす堂通信」にも、後藤比奈夫氏には、深見けん二氏、池田澄子氏と連載の競詠をやっていただいているが、句をあっという間に作られてしまわれる、まるで人が呼吸をするように。お題を申しあげると、「はあ、そうですか、ふふふ」と面白そうにおっしゃって、さらりとお作りなる。もう定型が骨の髄までしみこんで、俳句を苦吟されることなんて有り得なさそう。 クーラーのきかないふらんす堂であるので、おやつはアイスクリームということが多くなった。 今日もクイーン伊勢丹までパートのTさんに行ってもらってラインに写真を送ってもらい、あれこれと頼む。 わたしは、「苺ミルクキャンディ」を頼んだ。 写真にとって自慢しようとおもったのだけど、なんとピンぼけ。 どうやら食い気のほうに気分が集中してしまったらしい。 スタッフPさんがTwitterにアップしているようだ。 彼女のは牛乳アイス最中。 わたしのより、七十円も高いヤツ。
by fragie777
| 2019-09-05 18:22
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