カテゴリ
以前の記事
最新のコメント
検索
画像一覧
|
8月15日(木) 旧盆 旧暦7月15日
夏期休暇最終日。 守山市にある佐川美術館への道、交尾したまま飛んでいたアオスジアゲハが草むらに止まったところ。 夏が終わり、秋となり生殖活動もいっそう盛んになっているのだろうか。 昨日は郷里の秩父から東京へ戻る途中の高速で、秋の虹をみた。 それもダブルの秋の虹である。 良きことがあるかも、などと冗談をかわしたのだが、 サマージャンボ宝くじで10,000円が当たった。 あははははは。 やったね! 期待もしていなかったので、これは虹を見たせい? 。 最終日に銀行に立ち寄ったついでに「買ってみようか」と思いたったものである。 一万円はわたしにとっては、たいした金額である。 あぶく銭、使い果たしてやる!って思っている。 いま発売の「婦人公論」8月27日号に櫂未知子さんが、後藤比奈夫句集『喝采』をとりあげておられる。 年を取るのもすてき、と思える句集に出合いました。後藤比奈夫第十六句集『喝采』(ふらんす堂)です。著者は大正六年生まれ、なんと百歳を超えているのです。文字通り、俳壇の長老といえましょう。 デジタル調アナログ調と踊見る 口中の燃えたる愛のチョコレート 敬老の日に堂々と物忘 白鳥の白は暖かそうな白 かろやかな文体、そして一句一句のあたたかさ。それは充実した人生を送ってこられたからなのでしょう。句集の中に登場する季語たちも、それぞれの居場所を得ていきいきと輝いています。これから俳句を始めてみたいと思っているかたがた、ぜひお読みください。 多くの方々に愛読された「ふらんす堂文庫」であるが、製本にべらぼうにコストがかかってしまい、同じ形での再版がむずかしくなっている。 そういう状況において、永田耕衣精選句集『生死(しょうじ)』がまだ少し在庫があることを先日知った。 これは第五刷まで版を重ねたもので、永田耕衣の自選句集であり耕衣の作品を知るうえではハンディにして読みやすいものである。 文庫本サイズフランス装 栞=小島信夫 定価1,200円+税 非常な贅沢な造本となっており、採算価格を考えると3,000円+税にしても苦しいところである。 かつてふらんす堂をささえてくれた並木製本さんが採算を度外視しして製本をしてくれた故に可能だったものである。 永田耕衣の作品に触れたい人におすすめしたいものである。 つまりとてもお買い得っていうことです。 本句集から、「秋」の句をいくつか紹介したい。 そぞろ寒金剛経の届きけり 『加古*輿奪鈔』 朝顔や百たび訪はば母死なむ 『驢鳴集』 蹴り伏せて野菊水色なる故郷 『吹毛集』 青年を呼びつつありき鵙の贄 『悪霊』 男老いて男を愛す葛の花 『闌位』 君無く我無き時共に薄見む 『冷位』 コーヒー店永遠に存り秋の雨 『殺佛』 白桃の未だ重たき世なりけり 『殺祖』 追い越しし少年見えず秋の暮 『物質』 少年を噛む歓喜あり塩蜻蛉 『葱室』 秋霜や綺羅裡綺羅綺羅それでよい 『人生』 耕衣さんは、くりかえしくりかえし、俳句とは茶化すことである、という。それは当り前のことのようにきこえるかもしれないが、一句々々がすべてそういう覚悟で作られるというようなことは、並々ならぬことだ。その茶化しは強烈で、深く広い。また破壊がそのまま救済だ。 (小島信夫栞「比類のない人」より) 永田耕衣は一度は目を通していただきたい俳人だ。 句集『生死』をおすすめしたい。
by fragie777
| 2019-08-15 18:52
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||