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ふらんす堂編集日記 By YAMAOKA Kimiko

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幻の一花とも。

7月10日(水) 浅草四万六千日  旧暦6月8日


幻の一花とも。_f0071480_17411653.jpg

梅雨ただなかの矢川緑地。その3




朝仕事場に行くと、スタッフの緑さんから、

「yamaokaさんも黒の服装ですね」と言われた。

見るとスタッフのPさんも黒のワンピースを着て、目を泣きはらしている。

このことではっと気づかれたあなた、同じ世界を共有するお仲間ですね。

そうなのである、亡くなったジャニさん(ジャニー喜多川氏)のために、わたしもスタッフのPさんも喪に服しているのである。

フン、

笑ったりバカになさりたいなら、そうなすって結構よ。

昨晩だった、ジャニー喜多川死す、と悲しい知らせが届いた。
ある程度予期していたこととは言え、大きな欠落感に襲われたのである。


そうは言うものの、ジャニさんは、現役のまま彼が育てている少年たちに囲まれて幸せな一生を終えたのだった。(仕事人としても心底うらやましい)

わたしは今朝、時間のゆるすかぎり撮りためてある「少年倶楽部」(ジャニさん演出)のビデオを流し、しばし哀悼をささげたのだった。
はかなくて美しくてすぐに色褪せるものがきらきらしている。

ジャニさん演出の舞台などもこれまでいろいろと観てきたが、もう二度と見ることはできないのである。
ジャニー喜多川によって多くの夢と生きる力を与えてもらった多くの女子たちあるいは男子たち、彼女彼らの嗚咽が波のように繰り返し聞こえてきそうである。日本列島が泪であふれそうである。

言っておきますけど、わたしは大真面目よ。

心より哀悼の意をささげたい。

(何かが終わったかもしれない。。)そんな思いがぬぐえない心境である。








さて、昨日のブログで小川軽舟さんの句集『朝晩』を紹介したのであるが、大切なことをいくつか忘れてしまった。

すこしここに書き記しておきたい。

まず、この句集には、各省の見出しとなる頁五箇所に、挿絵(イラスト)が描かれている。これは小川軽舟さんのご希望によるもので、谷山彩子さんの装画である。谷山彩子さんは、俳誌「鷹」の表紙を描かれておられるイラストレーターでおられる。本句集のために描かれたイラストのなかから、装丁者の玉井一平さんが各章にふさわしいものをそれぞれレイアウトをされた。
いくつか紹介したい。


幻の一花とも。_f0071480_17402984.jpg

幻の一花とも。_f0071480_17403145.jpg

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どれもとてもさりげない表情をして、句集におさまっている。
ただ、そこにおかれたカットというのではなく、この句集の世界に風通しのよい奥行きを与えている。
そして、すこしもうるさくない。イラストそれぞれが句集にある優しさを添えている。
風通し、優しい表情、というもの、それはどこかで著者の小川軽舟さんの世界につながっていくものだ。
シンプルな白い装丁と響き合ってたいへんすてきだ。

わたし、こんな大事なことを忘れていたことに昨晩、気づいたのだった。
谷山彩子さま、大変失礼をいたしました。

そして、もうひとつ、これはわたしが勝手にやったことだけど、この句集に一見同じように見えるんだけどほかの句集とはちがう「ある表情を加味した」というと言い過ぎか、ある「ちいさなはからい」をしたのである。ほんとうにほんとうにそれは耳かき一杯くらいの小さなことで、わたしと神のみぞ知るところだったのだけれど、先日小川さんには申しあげたので小川さんは知るところとなった。ほんの少しのことなので殆どの人は気づかないと思う。少しもったいをつけて言っているように思えるかもしれないが、わたしにはこの一冊を作らせて貰う上で大切なことだった。句稿をいただいたときにそうしようって思ったのだ。本が出来上がってわたしは満足した。(それは自己満足にすぎないかもしれないが、より美しい一冊になったと確信している。ぜったいね。)そうでしょ、小川軽舟さま。って有無をいわせないyamaokaである。
もし気づいた人がいらしたら、ご連絡を。金一封は差し上げられないけれど、褒めてあげますわ。。。

 いつか欲し書斎に芙蓉見ゆる家

「私の平凡な人生は、過ぎ去ろうとする時代の平凡だった、だからこそ書き留める意味もあるだろう」とあとがきに書かれている小川軽舟さん。新しい時代がはじまり、小川さんが慈しむ家族という共同体はどこへ行こうとしているか。
窓辺に美しく咲く芙蓉の花、それは変容していく家族という共同幻想へ捧げられた幻の一花のようにも思えてくる。









昨日今日と、坪内稔典さんが「e船団 今日の一句』で、小川軽舟句集『朝晩』を取り上げている。
まず、今日の句より


 関係ないだろお前つて汗だくでまとはりつく   小川軽舟

部下にむかって腹を立てている場面か。部下でなくても、たまにこの句の人物のようなヤツがいる。作者は温和な印象で、立腹を表に出さない出来た人物、という印象だが、こんな腹立ちまぎれの名句に出会って、私はうれしくなっている。句集『朝晩』(ふらんす堂)から。


そして、昨日は、

 梅雨の日々ジャージでゆるく暮らしたく   小川軽舟

新句集『朝晩』(ふらんす堂)から。作者は単身赴任をしているエリートサラリーマン。「ジャージでゆるく」暮らす日々の退職老人としては、このような句を見ると鼻高々になる。ただ、ジャージでゆるく暮らすことに慣れると、一種の堕落というか、劣化をきたす。



坪内さんらしい鑑賞がおもしろい。 ちょっと戦闘的な軽舟さんとルーズな武装解除をした軽舟さんがいて、どちらもわたしたちの知っている軽舟さんとちょっとひと味ちがう。
句集『朝晩』はいろんな軽舟さんに出会えます。







今日はもうブログはおしまい。

なぜって

これから追悼集会をやるんよ、

ふたりだけどね。

笑うな。。。。


















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by fragie777 | 2019-07-10 19:08 | Comments(0)


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