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4月7日(日) 旧暦3月3日
春爛漫の一日、石田郷子さんが暮す名栗にうかがう。 名栗の桜が美しいコア山に、石田郷子さんの句碑が建った。 今日はそれを見に行く。 地元の人のご好意で句碑が昨年の11月に建ったのである。 染井吉野がまさに満開である。 コア山のここに佇つべし花のころ 郷子 遠くには白く名栗観音がみえる。 すばらしい眺望である。 「郷子さん、こっち向いてください」と言っても、なんとも恥ずかしそうでなかなかこっちを向いてくれない。 散る花もなく咲き満ちている。 やがては名栗の観光名所になるだろうが、いまは地元の人が訪れるのみ。 杉山、そして桜の帯がつづく。 石田郷子さんは、季節を問わずここにはよく来る。 「椋」の人たちとの記念撮影。 今年米寿を迎えられた「椋」の田中遥子さん。 気持ちのいい場所だ。 お昼は山の茶屋で。 句碑を建てられた地元の石屋さんの平沼庸欣(のぶよし)さん。養蜂家でもある。 句碑が出来たいきさつが面白い。 石田郷子さんと平沼さんがコア山で時々あうことあって、ある時、「石田さんの句碑を立てたい」と平沼さんに言われたという。 「ええっ、わたしでいいんですか? 金子兜太さんのような有名な俳人でなくていいんですか」と言ったところ、 「いや、名栗に住んでいる人なら誰でもいい、有名じゃなくていいんです」と言われて、石田郷子さんはそれならとOKしたということである。 平沼さんは、「わたしは俳句については門外漢、句碑をたてたりするのが仕事、句碑を建てて大勢の人に来てほしいのです」と村おこしの気持ちが十分にある方である。 そして、昭和50年に平沼さんが、名栗の先の奥武蔵にはじめて立てた句碑が石田波郷の、 万緑を顧るべし山毛欅峠 波郷 だったということを今日のご挨拶で聞いたのだ。 この波郷の句碑は、かなり有名で矢島渚雄氏なども訪ねているという。郷子さんの父上で俳人の石田勝彦氏も訪ねているということだ。 わたしも一度、行ったことがある。 その時に道の途中で山鳥を見かけたのだった。 平沼さんいわく、「石田(郷子)さんがどういう俳人であるかは全然知らなかったのですが、最初に立てたのが石田波郷の句碑だと思うと、不思議な縁を感じます」 夕方、わたしたちは名栗をあとにしたのだった。 地元の人たちにコア山とともに愛される句碑になるだろう、きっと。 花の雲とは君をのせ我をのせ 石田郷子 狼のふり返りたる桜かな 市川英一
by fragie777
| 2019-04-07 20:56
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