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2月2日(土) 初午 旧暦12月27日
道端に売られていた春を待つスカーフたち。(文京区・根津) (今日は午後ちょっと時間が出来るな。じゃ、松本秀一さんの個展をちょっと覗こう!)って午前中に決めた。 午前中は用があったのであるが、仕事場に寄って案内状をつかんで飛び出した。 のは、 いいけど、 途中でなくした。 まったく、もう! それを気づいたのが電車で向かっている最中。 松本秀一さんのFacebookをのぞいて画廊の名前を確認し、それをネットで調べiPhoneマップで確認した。(便利だね!) 5年くらい前だったかしら、やはり松本秀一さんの個展で訪れたことのある根津の画廊「リブレ」である。 松本秀一さんは、画家にして歌人であり俳人であり農業者である。 愛媛県宇和島市で米作りをしながら、創作活動にいそしんでおられる。 ふらんす堂より、2008年にエッセイと装画の本『ペーパーウェイト』を上梓されている。 歌集は『早苗の空』、『男(を)の子のやうに、日差しのやうに』を上梓。 根津のにぎやかな路地に静かにある画廊だ。 すでにお客さまが。。 (画廊の主人に写真を撮っていいですよ、って言われてすこし遠慮がちにとる) わたしもよく知っている1枚である。 今回は新作と旧作が展示されているようだ。 松本さんにはお会いできなかったが、作品をながめているとその人に向き合っているような気持ちになる。 「二階にもどうぞ」と言われる。 誰かの書斎のような居心地のよい空間がある。 画廊自体も素敵な空間である。 「彼は、繊細きわまる銅販画で知られる版画家、そしてシンプルな言葉の空間を作る俳人、さらには家業の米作りに励む農民なのだ。それに、こんどは歌人にもなった。こういう人は(略)起きてから寝るまでの行動のことごとくが創造である、という気がする。 と言えば彼は光沢のある頭に手を置いて、「いやあ、そんなことはないですよ。それは坪内さんの悪い思いこみです」と言うだろう。 画廊から外をながめる。 『ペーパーウェイト』がおかれている。 代掻きは、田植えのための大事な作業。耕運機、やがてトラクターが出回る前は、牛の力で田起しや代掻きをしていた。わが家にも牛がいた。そして夏草を刈るのが、若い父の朝の日課だった。 と、書いて、「田植えの頃」の絵を思いだす。村上華岳(一八八八〜一九三八年)の初期の日本画である。そこには日本の農村の、なつかしい田植えの風景がひろがっている。画面右には、牛を使って代掻きをする農夫、左には田植えをする人々。梅雨どきの、「天使の梯子(はしご)」がかかっているような空模様。 そこで、「村上華岳展」の図録を取りだした。わたしの視線を、華岳の絵は引きつける。代掻きを終えて水に寝かしつけた土が、その温ぬくもりと感触によって、官能的とさえいえる逸楽を呼び覚ますように。 表現において、方法や感覚、心情や技術ではなく、どこかに、この土のような「物」があること。頼りになるのは、水によって変容する土のようなものであること。ページをめくりながら、そういうことを考えた。 代掻きしのち漣のうまれけり 秀一 『ペーパーウェイト』「代掻き」より。 この個展は、画廊ギャラリー「リブレ」で、2月10日までやっています。 リブレ 東京都文京区根津2-29-4 03-3827-1925 東京メトロ千代田線根津駅より徒歩5分 月曜定休 これはふらんす堂にある松本秀一さんの作品。 以前うかがった個展で気に入ってもとめたものである。 いまでもすごく気に入っている。
by fragie777
| 2019-02-02 19:08
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