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1月10日(木) 十日戎 初金比羅 旧暦12月5日
ここは中庭のある風通しのよい博物館だった。 19世紀頃とみられる女性の木乃伊も見た。 とうとう芝信用金庫に書類を提出することができた。(3度も書き直したけれど) 窓口でいくつか訂正をさせられ、しかも訂正をするときに更に間違えてしまい、「どうしよう!」って窓口の女性(いつも親切)に訴えると、「大丈夫ですよ。このそばに書き直してください」とその方がにっこりと笑って対応してくれて、どうにかセーフとなった。 ヤレヤレである。 ちゃんとした書類を書くことって苦手ってつくづくと思った。 じゃ、なにが得意かい?って聞かれると、 ウーンと、 (いま、五分くらい考えたのだけど、) ない!! っていうことが判明した。 よくこれで人間やって来たと思う。 本当に。 ああ、でも、 あったわ。 なんでもすぐに忘れちゃうことが得意かも。 恥多き人生であるけれど、忘れちゃってるからかまやしないのよ。 今日は「赤旗」に1月6日に掲載された村上鞆彦さんによる日下野由季句集『馥郁』評を、抜粋して紹介したい。タイトルは「純度の高い言葉を核に光を放つ」。 日下野由季さんの俳句は、一途である。外へ向かってがむしゃらに、という一途ではない。内側へ、つまり自分の心の深部へ、静かに根を下ろしてゆく一途である。(略)著者30代の作品を収めた今回の第2句集『馥郁』にも、そんな佳句が多い。(略) 〈またひとつ星の見えくる湯ざめかな〉、湯ざめをいとわず、夜空の奥を見つめた一途な眼差しが美しい。著者は対象の核心に鋭く切り込むというよりは、ゆっくりと時間をかけて対象との同化を試みる。そうすることで初めて見えてくるものがある、と言う。(略) 〈星涼しいのち宿るをまだ告げず〉、新しい命を宿した。一粒の星にも似た命の輝き。大切な人に告げるのは、これから。今はひとりの胸にその喜びをあたためている。下五の密やかさが、いかにもこの著者らしい。 心の深部から言葉を掬い上げるのには時間がかかる。その時間に向き合う真摯さを著者は備えている。そうして生まれたこの『馥郁』には、純度の高い言葉を核とした句が、随所で光を放つ。静謐で清らかな一集である。 さて、新刊紹介をしたい。 四六判変型フランス装ビニール掛け 188頁 2句組 文庫本より少し大きめの小さな本である。 著者の三橋瑞恵(みつはし・みずえ)さんは、1943年東京生まれ、2006年「炎環」入会、2015年「炎環」同人、中野区に長く住まわれたが、いまは埼玉県所沢市在住である。本句集に「炎環」主宰の石寒太氏が序文を寄せている。序文のタイトルは「二人と一匹」。この一匹は、猫好きの三橋瑞恵さんであるから、言うまでもなく猫である。「二人」はご主人との二人暮らしである。石寒太主宰は、たくさんの句をあげて三橋瑞恵さんの句をあたたかく紹介しておられる。ここでは、ほんの一部を紹介したい。 迷ひ猫捜す張り紙菊の路地 猫の尾に遊ばれてをり去年今年 春の雲まだ決めかぬる事のあり 夏の夜の光るジョギングシューズかな 春満月新宿三叉路歩道橋 ものの芽や「もういいかい」の遠くより 茅の輪くぐる幼馴染の夫のあと ニュータウンの淡き付き合ひ青林檎 髪切りし子に水玉の夏来る 三言ほど少女と話し鳳仙花 直す句も捨てちまふ句も螻蛄鳴けり 「ことばはやさしく心は深く」私がいつも教えているような句群が揃っている。どのひとつをとっても瑞恵さんの顔がはっきり見える、他の誰でもない彼女そのものである。(略) 春寒しわづかにずれしオルゴール 生活している身近なところに素材をみつけ、それでいてよく読むと彼女の人柄や生きている呼吸が、そこはかとなく、しかし読者に鮮明に伝わってくるのである。 本句集のタイトル「鼾猫」は、 今朝の秋猫に微かな鼾かな による。猫好きの三橋瑞恵さんは、句集のタイトルについて「あとがき」にこのように書いている。 二十五年ほどの間に身のまわりにいた猫は五匹を数えました。猫の鼻の穴は小さく、時に前あしで顔をかくしたり、毛布に押しつけたりして、こんな小さな空気孔で息ができるものかと心配してしまうほどでした。二十二歳で逝ったクロミは、老いてからは私の側で眠っていることが多く、夢を見ているのか寝言を言ったり、稀に、微かな鼾を聞くことがありました。その時の愛らしい思い出を「鼾猫」として、句集の題と致しました。 わが家にも二匹の老猫がいるが、一匹はよく鼾をかく。はじめて聞いたときは、(へえー、猫も鼾をかくのかあとちょっと驚いた。)しかし猫のことなどは言ってられない。yamaokaも鼾をかいちゃうのである。若くないというのは残酷なものである。自分の鼾に驚いてしまうこともあったり。でもね、いつもかくわけじゃないのよ。ごくときどきね。「鼾猫」という言い方はなんだか微笑ましい。「鼾パンダ」もいいか。しかし、「鼾人」ってどうよ。。。「鼾人」はあまりいただけない。 本句集の担当はPさんである。Pさんはどんな句が好きかな。 反古紙の嵩や木蓮の崩れゆく ひんがしに星降る夜の湯冷めかな 路地の子に声を重ねし初雀 二月尽二人でゐても独り言 今朝の秋猫に微かな鼾かな つけまつげ外す勤労感謝の日 路地の子に声を重ねし初雀 わたしもこの句いいなって思った。子どもも雀も可愛らしい。しかもお正月である。粛々とした空気のなかに子どもの弾む声があって、そこへ雀もやって来てチュンチュンと。「声を重ねし」という措辞が、新しい年をむかえた作者の晴れやかな心をも見せている。平成の時代が終わっても、こういう風景は何度も繰り返されてほしい。小さな路地、子どもの遊ぶ声、やって来る雀、平和の象徴のように思える。わたしの家に隣接している路地もかつてはそうであった。雀は相変わらずやってくるけど、子どもは最近見ないなあっておもっていたら、先日見かけたらすごく大きくなって立派なお兄ちゃんになっていた。思春期だな。。。って思った。 つけまつげ外す勤労感謝の日 この句、句集の最後におかれた句である。三橋さん、つけまつげをされていたのですねえ、ご来社したときにきづかなかったから、きっと上手につけられていたんだと思う。「勤労感謝の日」っていうのが面白い。つけまつげはその任務をちゃんと果たしたのだろう。こういう句を最後にもってくるっていうのもいい。人生にたいしておおいに積極的である。「どうよ、なんか文句ある?」って堂々とした感じがいい。 葱食べて生命線を比べ合ふ この句はわたしがチェックした句。「生命線を比べ合」っている様子が浮かんでくる。「あら、あなたの生命線、わたしよりちょっと長いんじゃない」「ううん、ものの本によるとね、長けりゃいいっていうもんじゃないらしいわよ」「ええっ。それってどういうことよ」なんていう会話が聞こえてきそうだ。しかし、この句の眼目はやはり「葱食べて」だ。ほかの野菜じゃだめ、葱は冬の野菜のなかでももっとも侮れないものだ。「ネギ」という言葉の音も、「ダイコン」や「ニンジン」が外にむかっていくような音にたいして、人間の内側にぐっと入り込んでいくような音である。「ネギ」って言葉に出して言ってみて。ぐっと内側に力が入るでしょ。「葱食べて」という幾分粗野でダイレクトな言い方も「生命線を比べ合ふ」能動性によく響いていると思う。 俳句を始めた動機を問われる時、流れの中で出会ったとしか申せません。大学卒業後は附属の幼稚園に教諭として、二十五年間奉職致しました。その間子ども達を前に、小さなお話を朝毎にしていたことを思い出します。それは、通勤途中に出会ったこと、飼猫のこと、季節の移ろいなど、生活の断片を切り取った小さなお話。子どもが興味を引かれるように、すっきり、はっきり、どっきりと。このような経験が、今思えば私の俳句の原点であったように思えるのです。 素敵な「あとがき」である。俳句をはじめるまでのご自身の豊かな経験がいつしか俳句に繋がっていた、ということ。そして子どもたちとの25年間が俳句の原点であると言い得ること。ご自身の過去をこのように大切なものとして俳句に結びつける、その心根が素晴らしいと思う。 ほかに、 独身の恩師逝く夜やほーたるこい 乗り越すや初富士見ゆるところまで なで肩の母親譲り白セーター 百年の碧き文机淑気かな 春燈ふつくらと書く「あ」の一字 如月や少年剣士の袴過ぐ アイリスの開きし朝の微熱かな 初句会師の筆箱に色溢れ 本句集の装幀は君嶋真理子さん。 君嶋さんによってすごくキュートな一冊となったと思う。 マッチ箱と比べてみるとこの本の小ささがわかる。 差し色のブルーがあたたかな色である。 未草いづれ独りとなる覚悟 石寒太主宰は、序文でこの句を「瑞恵さんの覚悟の一句」と紹介している。 逝く秋の人かはしゆく歌舞伎町 句集の最後から二番目におかれた一句である。「つけまつげ」の前に「歌舞伎町」の句か、とわたしはおもわずにんまりした。新宿歌舞伎町はいつも人であふれている。それもあやしさの匂う歓楽街である。わたしは好きな街だが、やはり気合いがいる街だ。歌舞伎町の句をこんな風にさらりと詠む三橋瑞恵さんは、と思った時、東京っ子であることを思いだし合点がいった。三橋さんにも親しい街なんだろう。「逝く秋」という季題によって、歓楽街歌舞伎町とそこに行きかう人、そして著者自身がまとったさびしい影が見えてくる。 今日もフォーを食べるつもり。 フォー好きは多い。スタッフのPさんが、レモン汁とナンプレ―は絶対いれた方がいい、という。 そしてもやしも。 そうか。。。 カルディでナンプラーを買って帰るか。 ただし、フォーって米粉だから、食べ過ぎると太る。 要注意、要注意。 ああ、葱もね、 といっても玉葱だけど。 そのあとで生命線でも見るか。。。。
by fragie777
| 2019-01-10 19:36
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