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12月21日(金) 旧暦11月15日
パリのマレ区にあるバスティーユ広場。 塔は7月革命記念柱。 大いなる曇り日。 パリはおおかた寒く、晴れの日が少なかった。 この一角にオペラ・バスティーユが建てられた。 オペラ・バスティーユ。 いまは、オペラは主に、オペラ地区にあるオペラ座(パレ・ガルニエ)ではなく、こちらのオペラ・バスティーユで上演される。 そのことを知らなかった私は、10年ほどまえ3度目にパリに来たときにオペラを予約して、宿がオペラ座の近くにあったのでのんびりしていたら、オペラ・バスティーユであることがわかって大慌てでタクシーを飛ばしたのだが、大遅刻をしてしまったのだった。 オペラ座では、目下のところバレエが上演されるらしい。 しかし、やはりオペラはパレ・ガルニエで観たいというファンの声に応えて、一部オペラが上演されているらしい。 フランス革命200周年記念前夜祭の7月13日に誕生。 (多分わたしはこの年に二度目のパリ旅行をしたのだった。そのことを今思い出した。200周年を記念するおみやげグッズをいろいろと買ったと思う) 設計者はカナダ国籍のカルロス・ロット。 彼はオペラ座を大衆化させ、労働者の集中する地区に、そのエネルギーに応えるべく、現代の素材であるガラス、メタルをふんだんに使った透明度の高い巨大空間を誕生させた。 とある。 ポンピドーセンターといい、このオペラ・バスティーユといい、現代建築の面白さよりもやはりわたしは、古い建物の方がいいなあと思う。 オペラを観るのだったらパレ・ガルニエで観たかったと。。。(あのシャガールの絵のある天井の空間で。) 今回ひょっとしたらパレ・ガルニエで観られるかもということだったが、予定があわずダメだった。 おおいに残念。 新刊紹介をしたい。 A5判ペーパーバックスタイル 72頁 第1句集シリーズ 著者の越智建之(おち・けんし)さんは、昭和19年(1944)愛媛県松山市生まれ、現在は兵庫県川西市在住。平成6年(1994)に俳句をはじめられ、平成10年(1998)俳誌「天穹」入会、平成17年(2006)同人、平成19年(2007)「天穹俳句会みをつくし会支部」支部長、平成20年(2008)「創生俳句会」入会、同人。俳人協会会員。「天穹」の佐々木建成主宰が序文を寄せている。 この度、天穹俳句会風韻同人の越智建之氏が天穹叢書第として句集『澪標』を上梓されることになった。越智氏は、愛媛県松山市という俳句のメッカの地の出身である。氏は関西の金融機関に勤めていたが、東京に単身赴任していた平成十年に天穹に入会した。その後関西に帰ったが、その頃天穹としては空白地帯であった阪神地区に越智氏が中心となって「みをつくし会」という句会を立ち上げ、今日まで規模を拡大するなど支部長として運営に腕を揮ってきた。そして昨年十月に「みをつくし会」は十周年を迎えることができた。この間思い立って民事調停委員を務めている。 本句集を「澪標」とされた所以である。 越智氏の性格は温厚で心優しく実直であり、信頼できる人である。両親や夫人、子供、孫など家族を大切にする家庭人である。趣味は、俳句や旅行のほか、弓道や古典芸能など多彩である。 佐々木建成主宰は、俳句を引用しながら越智建之さんの人生がいかに俳句に詠まれているかを丁寧に鑑賞していく。 銀婚の妻傍らに端居かな 無口なる子より届きしさくらんぼ 良妻も賢母も忘れ春炬燵 弓道場の床踏みしむる冬の朝 文楽の切場語るや玉の汗 能管の清しき響き秋深む 単身や妻を待ちたる更衣 冬の朝小さき机の再出発 調停の苦楽味はひ菊の花 流鏑馬の射手の掛声樟若葉 生き生きと愚痴る女や春隣 壱岐にまあ曾良の墓石や卯月波 蜉蝣やダリの時計の歪みをり 漱石忌われに過ぎたる友ばかり 北斎の画業果てなし寒昴 越智建之氏は、句集の中で病の句を詠んでいるが、今は健康体であり、みをつくし会のリーダーとして会員の信頼が大きい。この度の第一句集『澪標』の上梓を機に、益益句の道に精進されるよう心からお祈りし、お祝いの言葉とさせて頂く。 担当のPさんは、越智建之さんの人生がきっちりと詠まれている句集であるという。節目節目で句を作って来られた方なのではないかと。確かにわたしも拝読して、そう思った。俳句をはじめられたのは50歳からであり単独赴任をされてから本格的にとり組まれたと「あとがき」に書かれているが、そこからの生活が俳句を読めばおおかた見えてくるようにしっかりと俳句に詠まれているのだ。ご病気や手術をされたこともある。仕事もきちんとこなされたと推察する。そしてまた趣味多く人生を豊かに過ごされていることが俳句をとおして伝わってくる。Pさんが好きな句は、 手術待つ廊下に狂ふ黄金虫 子育ての跡を辿りて土筆摘 一声の笛に淑気の能舞台 一年の計も溶けゆく初湯かな 苺はむ妻に年金おりにけり 細く長く吐く息白し弓稽古 苺はむ妻に年金おりにけり わたしもこの句、面白いとおもった。年金をもらうようになった妻がいて、その妻は真っ赤な苺をおいしそうに食べている。夫の視線がやわらかい。多くを語っていないのだが、生活への充足感のようなものが伝わってきて、苺の明るさが妻の人生も照らしているようだ。年金がおりるというきわめて散文的なことがらが、清潔に詠まれているとおもった。 細く長く吐く息白し弓稽古 「弓道5段審査」という前書きがある二句目。「細く長く吐く」という措辞によって息を整えている緊張感が伝わってくる。とくに「細く」というのがその場の粛々とした神聖な場所を暗示しているかのようだ。弓を引く緊張感と息をする緊張感、すべてがはりつめている。わたしは弓を引いたことがないが、さまざまなスポーツで一番静かな息を感じさせるのが弓道ではないかと思う。好きな一句だ。 生き生きと愚痴る女や春隣 これはわたしが選んだ好きな一句。越智さんはさすが人生経験も豊富でおられるようで、女というものをよく知っておられると思った。そうなのよね、女って、愚痴るときでさえどっか楽しそうで、生命力にあふれている。冬の寒さから解放されつつある日など、つい長話をしてしまって、陽気もいいし、いつしか気もゆるんで愚痴ってしまう。そうなるともう歯止めが利かなくなって、やがて愚痴ることさえが楽しくなって、ああ、言いたいこと言ったし、身も心も解放されて春はすぐそこ、そんな女はもう無敵だ。 私の俳句生活は「みをつくし会」を除いて考えられません。従って、句集の題は、「みをつくし会」の元となった難波江の「澪標」としました。今回、句集を出すことにしたのは、天穹俳句会佐々木建成主宰のお勧めと、「みをつくし会」が無事十周年を迎える事ができたことを契機として、ささやかな後半生約二十年の自分史を残しておきたいとの思いからです。 「あとがき」を抜粋して紹介した。この部分は、佐々木建成主宰の序文に相応しているところである。 ほかに、 わが顔の車窓に模糊とある秋思 志低くはあらず青嵐 蓑虫や清貧といふ暮しあり 守るべき者ただ一人鬼やらひ ポケットに半券残る更衣 花菖蒲群れてワルツを踊るごと ボールペン濃い目に替へて初日記 幼子に全ては不思議葱坊主 能管の清しき響き秋深む やや寒に少し膨らむ旅鞄 本句集の装幀は和兎さん。 越智建之さんにふさわしい落ち着いて知的な色である。 中国の伝統色の朱古力色。 身を尽くしあひて十年秋晴るる 写生の的確さ、知性の豊かさ、自在性などの面で氏の多面的な才能が覗く。 序文より。 幸せの重さや西瓜提げ帰る この一句、心に残りました。「西瓜提げ」とあるから多分大きな西瓜を丸ごと買って帰られたのだろう。結構重たいし、格好つけた男性だと西瓜を提げるなんてあまりしたくない。しかし、越智建之さんは、西瓜を提げることに積極的である。さらにその重さを「幸せ」と表現しているのだ。ひゃあ、ってわたしはちょっと感動してしまった。こういう男子と結婚したかったなあ……いやいや、誰? そんなこと言っているのは。西瓜だって幸せだ。丸ごと買ってもらえるんだもの。何等分にも切り刻んだ中身をさらされて売られるのが当世のおおかたの西瓜の宿命である。 今日は先日録画しておいた「シンゴジラ」を観る予定だと言ったら、ついてきて一緒にみようという人間がいる。 「シンゴジラ」がいかにすばらしい作品であるかを解説してくれるんだって。 わたしはどちらかというと、ワインなど飲みながら、静かに観たいのだけど。。。 まっ、いいか。。。。
by fragie777
| 2018-12-21 19:56
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