ふらんす堂編集日記 By YAMAOKA Kimiko

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個展にうかがって、詩の朗読をしてしまった。。。

12月10日(月)  旧暦11月3日

個展にうかがって、詩の朗読をしてしまった。。。_f0071480_15244300.jpg
旅二日目の昨日は長浜・彦根城で遊んだ。

冬紅葉がまだまだ美しかったが、お殿様がいた城の紅葉はなんとも典雅な趣である。


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まるで日本画のようである。

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散紅葉さえその景色が計算されつくされている。





8日、9日の讀賣新聞の長谷川櫂さんによる「四季」は、三森鉄治句集『山稜』より。

 貝殻のうちなる白さ涼夜なり  三森鉄治

貝の肉体は滅んで貝殻が残る。生きているうちは外に晒されなかった貝殻の内側。いわば秘められた白。人間でいえば骨の白さである。ひそかな死への思いを一個の貝殻に象徴させている。句集『山稜』から。


 さし伸ばす掌に滴りの弾けたる   三森鉄治

滴りは落下する泉。あるいはささやかな滝。夏の山をあふれて岩を流れ落ちる。その夏山の命への讃歌である。作者は滴りを掌(て)で受け止め、その弾ける力をいとしんでいる。自分の死後もつづくこの世界に憧れているのだ。句集『山稜』から。





ここまで書いておいて今日は夕方から出かけた。

銀座の画廊で画家・森信夫さんの個展が今日からありそのオープニングパーティに出席するためにスタッフの文己さんと出かけて先ほど戻ったところである。
仕事場に戻ってブログを書く予定だったが遅くなってしまったので、家で書いている。

森信夫さんは、さきごろふらんす堂より刊行された弟さんの森雄治詩集『蒼い陰画』を上梓されたのである。
この『蒼い陰画』については、すでにブログでも紹介したように、森雄治さんはすでに31歳で1995年に亡くなっている。
詩集の作品は、森雄治さんの17歳から20歳までに書かれたものを一冊にしたものである。

この度の個展はその詩集のために制作した作品が並べられている。


個展にうかがって、詩の朗読をしてしまった。。。_f0071480_23230232.jpg
2018.12.10から12.16
画廊「香月」
〒104-0061東京都中央区銀座1-9-8奥野ビル605
℡&ファックス 03-5579-9627


手動式エレベータに乗って6階まで行くとすでに人が集まっていた。


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俳人の夏石番矢さんの姿がある。


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左端が画廊のオーナーの香月人美(かづき・ひとみ)さん。

今日は香月さんによる『蒼い陰画』の詩の朗読もある。


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作品はすべて詩の作品をイメージ化したもの。
詩集に使われた作品も2点ある。


朗読が始まった。

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部屋を暗くしてドアの外の廊下の灯りで読む。


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作品が声とともに立ち上がり、それはまた活字をとおしてみる世界とはべつのものとなって身体に届いてくる。


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わたしも文己さんもおもわず聞きほれてしまった。

しかし、である。
香月人美さんは、ここにいる全員が朗読をしましょう、というではないか。

はじめて詩集を手にする人もいる。


ということで、


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恥ずかしながらyamaokaも、文己さんも朗読した。(yamaokaの写真はありません)
とても上手には朗読できなかったけれど、声に出して作品を読むことによって、すでにそこにはいない森雄治さんという存在に呼びかけているような、ずっと作者を身近に感じたように思った。
ちょっと不思議な感じ。。
しかも一つの詩集を皆で朗読しあうことの、面白い連帯感のようなもの。
こんな経験いままでしたことがなかった。

文己さんは詩集を担当したのみならず、この『蒼い陰画』の作品はすごく好きだという。

とても楽しそうにしている。


最後は森信夫さんが朗読する。


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「ぼくはすべて絵に作品化したので…」と最初は躊躇されていたのだが、朗読をされた。


わたしは「象」という詩がとくに好きなので、その詩の前半の部分と後半の部分を朗読したのだが、森さんがこんなことをおっしゃった。

「僕が20代のときにこの『象』という詩を弟に見せられたとき、好きじゃない、と弟に言ったら弟が残念そうな顔をしたんです。今回この詩集を刊行するために思い立ってから一年間の期間でこの詩を読み返して、入れようと思ったんです」

「今日はいろんな人が詩を朗読しました。弟の詩を朗読してくれると聞いたときは、声は弟の詩に合わないんじゃないかって思ったんですね。しかし、実際に聞いてみると、いろんな質感で聞こえてきたんです。その質感によってそれぞれ微妙な演奏となっているような気がします。はじめて読む人がつっかえたり、読み間違えたりする、そのことも面白い。絵を描くときに間違った色を重ねることによって面白い色が見えてくるように、読み間違えによって弟の詩にちがう色がみえてくるんです」と森信夫さん。

「朗読のための朗読ではない、良さがありましたね」と夏石番矢さん。

夏石さんはこの詩集を寄贈されて読んで、「僕は17歳から20歳までにとてもこんな詩はかけないと思った」と言っておられた。
またご自身のブログにこの詩集について紹介をしている。

→夭折詩人森雄治の詩集『蒼い陰画』





会が終ったときは、すっかり遅くなってしまい画廊ちかくの中華飯店に文己さんと入って、中華粥を食べてから帰ってきたのだった。

それにしても二度とは味わえないような面白い個展のオープニングパーティだった。

森雄治さんの作品をここで一篇ほど紹介したいがもうすでに12時を回ってしまった。。





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これは詩集の特装版にいれられてある森信夫さんの版画の作品である。










すでに、12時をかなりすぎてしまった。

これから「大地の会」への注文にチェックをし(明日回収にくる)、それからお風呂に入って寝る予定。
ああ、
まだメールをチェックしてなかった。


では、では。












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by fragie777 | 2018-12-10 15:43 | Comments(0)


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