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7月30日(月) 旧暦6月18日
川遊び。 先日頭皮の湿疹のことをブログで書いたら、3週間頭皮の湿疹のかゆみに悩まれていた方がさっそく皮膚科に行って、お薬を処方してもらって3日で治ったとツィートされていた。 その方が、わたしの具合はどうかと尋ねてくださっているので、お答えします。 目下クスリを塗っております。 わたしの場合それほど痒くないので、完治したかどうかはまだ分からないのだが、こういうウイルスによる湿疹は治ったと見えて再発する場合があるので、投薬はつづけた方がよいのかも。 そしてもう一度お医者に行って、診察を受けた方がいいのかもしれない。 この猛暑、身体に変調をきたす人が多い。 友人のYさんは、耳が腫れてきて、結局その腫れがひかずお医者に行ったとおろ、帯状疱疹ですって。 わたしはまだなったことがないのだけど、痛いらしいわ。 早く分かれば早く分かるほどいいらしいのだけど、案外気付かずにいる人が多く、すさまじい痛みが出てからわかる人も多いらしい。 生きているといろんなことがありますね。 新聞の記事もあるのだけど、今日は新刊紹介をしたい。 第一句集シリーズのものである。 A5判ペーパーバックスタイル。72頁 4句組 著者の内田茂(うちだ・しげる)さんは、昭和28年(1953)宮崎市延岡に生まれ、現在は大阪・八尾市在住。平成15年(2003)に俳人のふけとしこに師事、平成22年(2010)ふけとしこさんの紹介で俳誌「青垣」に入会し、大島雄作に師事。現在は「青垣」の編集チーフである。俳人協会会員、現代俳句協会会員。平成16年(2004)から29年(2017)までの作品を収録。序文は大島雄作主宰、跋文はふけとしこさん。 内田さんが俳句の道に入ったのは五十歳になる直前だった。(略) 「知命」での俳句入門は早い訳ではないが、退職後カルチャー教室で始める人が多い昨今、決して遅い訳でもない。内田さんはこれからが脂がのる時期だ。今回、これまでの句をまとめて拝見し、初期の句にも光るものはあるが、第三章、第四章の後半に秀句が多いと感じた。 狂言のやうに人逝く寒の内 貝寄風や砂丘の襞に鉄の浮き 万緑へラップを聞かすスピーカー 釣り銭の硬貨熱々海の家 箱買ひの水積み上ぐる万愚節 目借時ぷしゆうと開くバスのドア 山の日の束子で洗ふスニーカー 出来秋の声を届ける宅配車 ロボットの声は少年冬ぬくし 日常生活や日常を取り巻く社会や自然をできるだけ今の言葉で詠みたいという内田さん。俳味と詩情の折り合いがついた句を求めてゆきたいともいう。それは私の作りたい句と同じだし、「青垣」もそのような句が目に付く。内田さんと「青垣」の相性はいい。これからますます深化するのは間違いないので、この『管制塔』の刊行を節目とし、更なる高みを目指してほしいと願って、紙幅に限りがあるので筆を擱きたい。 序文を抜粋して紹介した。大いなる期待を寄せた序文である。序文によると内田茂さんは、「青垣」で「蕪村の秀句」を連載されているということだ。退職後、藤田真一教授の下で1年間学ばれたということである。「俳味と詩情の折り合い」というのも古典を学ぶことでご自身のなかでうまれてきたものか。 跋文はふけとしこさん。「働く人も故郷も」というタイトルがある。初学からのお付き合いゆえか、作品の機微にふれた跋文である。 旋盤のグリスの匂ふ極暑かな 溶接の火花転がる夜業かな 近所に町工場があると聞いたことがあるが、通りがかりに立ち止って、そこでの仕事振りを見ることもあるようだ。景を写しただけにも見えるが、根底には働く人々への愛情ともとれる気持の動きが流れている。気持の動きと言ったが、決して重く詠むことはなく、ましてや情を乗せすぎることもない。実に淡々と詠みこなしている。 星飛んで管制塔に人の影 変哲もなき郷なれど星月夜 空港という言葉はないが、地方の空港の様が覗える。表現の抑制とはこういうことなのだ。「変哲もなき郷」と言いながら、被さるように降るように星の見えるこの場所を、やはり愛しているのだ。わざわざ「変哲もなき」という言葉を選んだのは逆の心理だろう。平たく言えば照れ隠しのようなもの。そしてこのことはとても大事なことでもある。 本句集の担当はPさん。 Pさん好きな句は。 初雪やなほなほ書きの筆走る 虫の音のまだ整はぬ夕餉かな 別れ雪らしい牛乳噛んで飲む 相席の大工の若き日焼かな 一斉に膝崩したる夏座敷 留守居して薄切りハムに巻く秋思 佳きことの一つ蜜柑の甘かりき 薄氷を踏んで光を解き放つ 山の日の束子で洗ふスニーカー ロボットの声は少年冬ぬくし 野暮用と雑用のあり台風圏 わたしもこれは面白いとおもった。台風圏のなかであちこちと彷徨する男がいて、野暮用だけでなく雑用もあるという。いったいどんな用なのだ。「野暮用と雑用のあり」と言っているのだから、明確にこの二つはことなる。わたしだったら、野暮用と雑用の違いをどんなふうに意味づけするだろう。この意味づけの仕方によってその人の人生観が見えてくると言っても過言ではない。いやいや、しかし、頭の上を台風が渦巻いているのだから急いでその二つの用事を果たさねばならない、意味づけどころではない。しかし、こだわる。「野暮用」を広辞苑でひけば、「(略)つまらない用事。趣味や遊びに関わらない仕事のための用事」とある。すると内田さんは、すでにお仕事を退職しておられるのだから、これはたとえば近くのコンビニに水道料金を払いにいくとか、そんなことか。して、雑用は? 「雑用とは種々雑多の事」であるらしいから、う~む、ということは編集チーフである内田さんのことだから、印刷屋さんへゲラを届けるとかそういうことか。どちらも台風がやってきていても先に延ばすことなんてできない。 で、内田さん、わたしのこの大雑把な推理、当たってまして? 飽き性と言われる私がこれほど長く続けられたのは、俳句の深遠さに魅了されたのは言を俟ちませんが、この間、いくつかの超結社句会に参加したり、近世俳句(与謝蕪村など)の勉強会に参加したりする中で、互いに切磋琢磨できる俳友に恵まれたことも大きな要因になっています。 『管制塔』は、私の第一句集です。平成十六年頃から二十九年までの二百三十句余りを収めました。句の配列は概ね年代順になっていますが、校正等により後年に収めた句もあります。なかなか結実しませんが、私が目標とする俳味と詩情の折り合いを少しでも感じていただければ、これほど嬉しいことはありません。 「あとがき」を抜粋して紹介した。 本句集『管制塔』は第一句集シリーズの第二弾となる。 装丁は和兎さん。 色を変えただけのシリーズであるが、すっきりとしていて割と評判がいいようだ。 扉。 和兎さんが選んだこのブルー。 青臭くなく、大人の男性にふさわしいいい色だ。 BLUE NATTIER フランスの伝統色である。「ナティエのブルー」と呼ばれ、「ナティエ」とは有名な肖像画家で、パリに生まれ1685年~1766年まで活躍した。素晴らしい色を出すので有名である。特にそのブルーは名高い。と、記されている。 ただのブルーではなくて、BLUE NATTIER。 そう思うとなんと素敵なこと。 すでに物語を秘めたオリジナルな一冊となった。 ロボットの声は少年冬ぬくし やっぱりロボットの声は少年でなくっちゃ。ほかの声はすべて「寒い」って思う。 季節を問わないとしたら、1 少年、2青年 3おばさん 4おじさん 5若い女性 6少女 の順序かな。少女をふくめた若い女性はどこか残酷でコワイ気がする。それが声に出る。(わたしも一度はそういう時期を通過したのだけれど。女子ってコワイよ) あなたはいかが。。。
by fragie777
| 2018-07-30 19:13
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