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6月28日(水) 旧暦5月15日
睡蓮。 虫が止まっている。 南日本新聞の6月24日気付の「みなみの本棚」に、高野公彦著『北原白秋の百首』が紹介されている。 抜粋して紹介したい。兵藤昌岳記者によるものでタイトルは「美しい言葉を鑑賞する」 著者高野公彦氏(南日歌壇選者)の師は、北原白秋門下で「コスモス」創設者の宮柊二。著者は白秋の短歌8031首から1643首を選んだ「北原白秋歌集」(岩波文庫、1999年)の編集も手掛けている。今作は、100首に絞り込んだ上で、1首ごとに言葉の意味や歌の味わい方を易しく記載してあり、白秋の美しい言葉遣いを身近に鑑賞できる。 春の鳥な鳴きそ鳴きそあかあかと外(と)の面(も)の草に日の入る夕 第一歌集「桐の花」の巻頭に据えた初期の代表歌。「な鳴きそ鳴きそ」は「江戸期の端唄から採ったフレーズ」という。「調べが軽快で、歌は明るい雰囲気が漂う」と、白秋の紡ぎだす言葉と音楽との密接な関係をうかがわせる。(略) 著者は第二歌集「雲母集」までを青年期と位置づける。11の歌集を青年・壮年・晩年の3期に分け、歌の変化を「動から動へ、絢爛から枯淡へ、そして小から大へ」と大まかに眺め、「言葉のひびきの美しさ、言葉遣いのしなやかさ」が変わることなく一貫している」とする。 物の葉やあそぶ蜆蝶(しじみ)はすずしくてみなあはれなり風に逸れゆく 白秋が晩年に提唱した「新幽玄体」を体現した歌の一つという。「克明な描写によって、一つ一つのものの存在を浮き立たせ、かつそれらを包み込む大きな気配のようなものを感じさせる」と白秋が目指した世界を解説する。 「ペチカ」「待ちぼうけ」など、誰もが口ずさむ童謡の作者でもある白秋。記憶の片隅に残る日本語の美しい調べと情景が、短歌100首からよみがえる。 午後にお二人のお客さまである。 田桐正彦さんと藤田千鶴さん。 田桐正彦さんは、中世フランス文学を専門とする仏文学者であり、女子美術大学でフランス語を教えておられる。著書や訳書もいろいろとおありになるようだ。 今日は、句集のご相談にお見えになられたのである。 来年の3月に教職を退かれるにあたってその記念に句集を上梓されたいという思いがおありになる。 現在は、結社「玉藻」に所属。 句集のデザインをおなじ職場ではたらく若きデザイナーにお願いしたい、ということで今日はそのデザイナーの藤田千鶴さんとご一緒に、ご来社くださったのだ。 「仰仰しいのじゃなくて、うすい本でいいのです。一ページ一句立てで120ページくらいかな」とおっしゃって、ふらんす堂のいろんな本をご覧になりながら、 「フランス装がいいですね」とフランス装に決められた。 「むかしは、フランス装の本をよく読みましたよ。本当はフランス装っていうのはペーパーナイフで切って読んでいくんですよね」と田桐氏。 そうなのである。 本来はそういうものだったのであるフランス装は。(そういう本もつくりたいなあ……) ほぼ句稿は整っておられるのだが、もう少し吟味されたいという思いがあって9月頃に入稿となる予定。 デザイナーの藤田さんは、いろいろな句集をご覧になりながら、きっとご自身のデザインのイメージを膨らませておられたと思う。 テキスタイルを中心としたデザインをされているようである。 田桐正彦さんと藤田千鶴さん。 「この人ね、すごく若く見えるけど、すでにとてもいい仕事をされているデザイナーなんですよ」って、藤田さんのことを紹介された。 藤田千鶴さんは、傍らでニコニコと笑っている。 新しいデザイナーによる句集。 ふらんす堂の書籍に、また新鮮な一冊が加えられることをわたしはとても楽しみにしている。 そして、フランス文学者の方の句集を作らせていただけるというご縁も、「ふらんす堂」としては嬉しい。 あはっ、 こじつけか。。。 いや、そうじゃなくってよ。 田桐氏がふらんす堂を選んでくださったのも、あながち、そういうご縁からということもあるんではないかと、 わたしは勝手に思っているのである。 (それと、もう、大方のこと忘れたんだけど、これでもわたし、学生時代はフランス文学専攻だったんだ。笑っちゃうでしょ。不肖の学生であったことは胸を張って(?)言える。) お帰りになる時に、田桐氏はわたしに向かって、 「仕事が楽しいでしょ!」とおっしゃった。 よっぽどわたしが楽しそうに見えたのかしら。 (これでも資金繰りのことやらなにやら大変なんだけど)と思いながらも、 「はい、楽しいですね!」って。 いろいろあるけど、やっぱ、本づくりは楽しくて心はずむ仕事でなのである。
by fragie777
| 2018-06-28 20:33
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Comments(3)
![]() ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
はい、「たたしめて」と読みます。
ご購入いただき有難うございました。 (yamaoka)
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