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6月14日(木) 住吉御田植神事 旧暦5月1日
昨日のこと。 「クイーンズ伊勢丹でね、すごくきれいなコーラを売っていたのよ。あれ欲しいなあ」 と言うと、スタッフがすぐにネットで調べて 「ああ、ワールドカップラベルのコカコーラですね。限定版だ」 「そうなんだ。あんまり可愛いんでどれを買うか迷っちゃってね」 「全部買えばいいじゃないですか」 「でも、コーラ飲まないもん」 「誰かに飲ませちゃえばいいでしょ」 「そっか」 ということで、昨夜クイーンズ伊勢丹に行って全部買った。 あまりにも可愛くてきれいなので写真に撮ってみた。(出社前の忙しい時間にである) ![]() これ。 きれいでしょ! で、 いろんなとこで撮った。 こりゃ、階段。 あはっ。 どれか一本を選んで買うってなると、どれ選ぶ。 こういうの考えるの大好き。 わたしはフランスのヤツ。(一番左)色合わせとレイアウトが好き。 その次がドイツかな。。 あなたはどれを選ぶ? たわいもないヤツって笑いたい人は笑って。。 わたしはそれなりに幸せ。。。。 さて、さて新刊紹介をしたい。 四六判ハードカバー装。198頁 著者の足立賢治(あだち・けんじ)さんは、昭和27年(1952)岐阜県瑞浪市生まれで現在も瑞浪市にお住まいである。昭和59年(1984)に「狩」入会、平成6年(1994)「天衣」入会、平成9年「天衣」同人、平成19年「狩」同人、俳人協会会員である。岐阜県を中心とした文芸祭で俳句の選者などもされている。本句集は平成59年(1984)から平成29年(2017)までの作品を収録した第1句集である。序句、帯文、鑑賞6句を「狩」の鷹羽狩行主宰が、跋文を「天衣」の岬雪夫主宰が寄せている。 寒星といふ宝石のなか帰る 狩行 大寒や斧鉞の一字定まれり 原稿の推敲をしていたところ決定的な一字を得た。大寒の厳しさに通う。短い詩型だからこそ、一筋縄ではいかない深い内容が、言えたという秀句に注目した。 豆雛の雲上人をたなごころ 小さな豆雛だが、ちゃんと雲上人としての装いをこらしている。本来ならば庶民には近づくことのできない人、それを手中に収めているという。いかにも俳諧味にあふれ、豆雛に語りかけているような様子を十分にあらわしている。 棒切れが正宗なりしこどもの日 チャンバラごっこをした少年時代。棒切れを、名刀「正宗」であるかのように振り回して遊んだのだろう。〝姓は丹下、名は左膳”などと、映画の主人公のせりふまでまねて。こどもの日を迎えて、あらためてチャンバラごっこの昔を思い出した。 帯文と鑑賞6句より抜粋して紹介した。 タイトルの「寒北斗」は、集中に「寒北斗故郷つひに出ずじまひ」という一句に拠るが、跋文と「あとがき」に拠ると、さだまさしの「寒北斗」の曲がお好きで、「ふと仰ぎ見る古里の窓に横たう天の川、お前の意志を曲ぐるなとはげますごとき寒北斗」というフレーズが大好きで付けられたという。 跋文を書かれた岬雪夫主宰は、 足立さんの故郷(ふるさと)は、岐阜(美濃・飛驒)でも美濃の東部にあり、長野県の木曾に近い。盆地のようなところで、山あり、川あり、田畑、国道、鉄道、町並み、古道(中仙道)、宿場ありで、どこか故郷らしい故郷である。(略) 足立さんの故郷には、地元の人、村の人が演ずる「相生座」という芝居小屋がある。他村の芝居小屋を移築したものであるが、舞台、衣装、客席、演目など、江戸時代の雰囲気が残っていて、長くつづいている。(略)足立さんは、昭和五十年三月岐阜大学国語国文学科を卒業して教職へ。その勤務校の和田章校長(画家・俳人)の著書『はくぼく歳時記』(自作の句とエッセイ)に感化され俳句の道へすすまれた。それで、「学校」の句や「子ども」の句も多い。 と著者について丁寧に紹介し、集中の句をたくさん取り上げられている。いくつか紹介したい。 螢狩はぐれてよりの瀬音かな 十薬や昔恐れし外厠 ネクタイに軍手の祝辞植樹祭 道みちの犬を起こして除夜詣 地芝居の子役が吹かす煙管かな 幕引きの手も足も見え村芝居 窓開けしままの教室祭笛 薫風や肘でおさへて答案紙 車椅子自在にまはし卒業す 白百合や死は始まりと神父説き 才媛の色まだ見せず実むらさき 水に爪たて空蟬の流れゆき 足立さんの俳句信条「季語を生かす」「寄物陳思」「切れと省略」「世俗に流れない」「畏敬の念」などが、益々、大きな世界へと広がっていくことを心から期待している。慶祝。 跋文を抜粋して紹介した。 本句集の担当は、Pさん。好き句は、 ナース帽反り強くして聖五月 爪立ちで歌ふ校歌や休暇明け 立春や影強く踏み下校の子 夢二の絵にも似て妻は春の風邪 鶏鳴を継ぎ卒業の式辞かな 春風をふところに入れ太極拳 水に爪たて空蝉の流れゆき 赤い羽根つけし不逞の輩かな ナース帽反り強くして聖五月 「聖五月」という季語はむずかしいと聞いている。ナースの帽子にその五月への思いを集約させた。洗い立てで糊のきいた真っ白なナースの帽子、「反り強くして」という措辞が働く女性の戦闘態勢のようなものを感じさせて厳粛である。まさに聖なる五月への粛々とした空気に満ちている。わたしも好きな一句だ。 『寒北斗』は、私のはじめての句集で、昭和五十九年から平成二十九年までの三百二十句を収めました。 句集上梓にあたり、鷹羽狩行先生にはご多用のところ序句鑑賞文を賜り、また帯文までいただきこの上ない幸せに感謝の気持ちでいっぱいです。 「狩」には昭和五十九年に入会し、以後小学校の担任を務めながら投句を続け、退職後の今に至るまで三十有余年経ちました。この間、鷹羽狩行先生には厳しく温かい選、ご指導を受けてまいりました。ここに改めて感謝申し上げます。 さだまさしの曲「寒北斗」は、煮凝、煤払い、晦日、去年今年、福寿草……と、季語満載の作品で私のお気に入りでもあり、句集のタイトルにしました。 また、岬雪夫先生には、句の再選、句集名のご教示等、懇切丁寧にご指導いただきました。そして何より身に余る跋文をいただきありがとうございました。 最後に「狩」「天衣」句会の諸先輩、句友の皆様、そして私を俳句の世界にお誘いくださった和田章先生に心より感謝申し上げます。 「あとがき」の言葉である。 本句集の装丁は、君嶋真理子さん。 やはりタイトルの「北斗七星」を装画とした。 この装画の色をブルーと薄緑とふたつ用意したのであるが、足立さんは緑の方を選ばれた。 タイトルは銀の箔押し。 表紙は濃い緑。黒緑か。 緑色の糸に黒の糸が織り込まれている質感のあるものだ。 手にとるとザラザラと布の感触がいい。 しかし、こういう布クロスがどんどんなくなりつつある。 文字は銀箔押し。 見返しは乳白色のものに緑系こまかな星の砂(?)が鏤められている。 扉は金の上品な光沢のある用紙にカバーとおなじ薄緑色とスミで印刷。 静かな佇まいの上品な仕上がりである。 ほかに、 磔像に真向ふ二人冬日向 打ちし蚊の魂残るたなごころ 雛段を組めば遠のく内裏かな 鉄棒に服の掛けある春隣 水に爪たて空蝉の流れゆき 岬主宰もPさんもあげていたが、わたしも好きな一句である。 流されていく空蝉の様(さま)が目の前を擦過していく。 空蝉の命の軽さ、ああ、命はすでにない。 しかし、爪をたてているのだ。
by fragie777
| 2018-06-14 19:18
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