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4月21日(土) 葭始生(あしはじめてしょうず) 旧暦3月6日
昨夕のことだったが、わたしは顎をさわりながら、 「ねえ、ねえ、わたしここんところにニキビが出来ちゃった!」と言った。 すると、スタッフの一人が 「それはニキビとはいいません! ニキビと言えるのは20代までで、あとはすべて吹き出モノと言ってください!」 だってさ。 「あっ、そっ…フン」 このスタッフが誰であるか、このブログをいつも読んでくださる方は、おわかりと思う。 さて、 今日は、晩春の武蔵野というよりすでに初夏の気がみなぎっている武蔵野を歩いた。 梅林はすでに青梅が生り木々の濃い影が地にはりついていた。 そしてわたしのお気に入りの鶏。 今日もけたたましい雄叫びをあげていた。 この鶏が一人の老女のところにつつっと近づいた。 そしていつの間にかその傍らに寄り添って鳴いている。 その老女は木のベンチにすわり下を向いてなにかしている。 よく見ると、どうやら納豆をかき回しているのだ。 (なぜ納豆なのか……) しかし、さらに見ると、老女は居眠りをしている様子。 ねぼろけまなこで納豆をゆらゆらとかき回している。 うつら、うつら、 大きく船を漕ぎながら、やがて納豆をかき回す手がとまる。 あやうく箸を落としそうになる。 すると、鶏が鳴く。 その声に老女はあわてて目をさまし、ふたたび納豆を掻き混ぜる。 やがてまた掻き混ぜる手が緩慢になり、ふたたび居眠りをはじめる。 納豆が傾く。 鶏がさけぶ。 老女は納豆を掻き混ぜる。 鶏鳴。。。 うつら、うつら。 昼下がりの老女と鶏。 繰り返される老女の行為と鶏の叫び。 納豆は老女の口には永遠にたどりつかないだろう。 わたしはしばらく見ていたが、老女と鶏に向かってかるく一礼し (幸いあれ!) とつぶやいた。 そして、その場を離れ去ったのだった。 まだ咲き残っていた八重桜。 花と葉のやさしい色合い。。。 これは、 春の闇からふうっと現れたひとりの少女。 この少女、踊り出しそうである。 ゆく春の季節は、予想外のことが起きそうな予感。。。。。
by fragie777
| 2018-04-21 20:49
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