ふらんす堂編集日記 By YAMAOKA Kimiko

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蛙のピンバッジ。

4月5日(木) 清明(せいめい) 旧暦2月20日


蛙のピンバッジ。_f0071480_18031243.jpg
名栗に咲いていた紫華鬘(むらさきけまん)。

花言葉は、「あなたの助けになります」ですって。

 
 膝ついて土やはらかし華鬘草    大石悦子



そして、

すぐちかくにあったのがこれ。

蛙のピンバッジ。_f0071480_18034277.jpg
かまきりの卵である。
ここから100から200匹の幼虫がはいだしてくる。

現場に立ち合いたいような、立ち会いたくないような。。。。。








今日は新聞の記事を紹介したい。

今日の毎日新聞の坪内稔典さんの「季語刻々」は、深見けん二句集『夕茜』より。

 それぞれに歩く川べり蝶の昼   深見けん二

蝶のひらひらする昼、人々が思い思いに川べりを歩いている光景だ。「それぞれに」がいいなあ。この上なく平和だ。「背伸びするものもいくつか犬ふぐり」「もの芽やあまねく庭に日のさして」「好きこその理系の未来入学す」も句集「夕茜」(ふらんす堂)にあるけん二さんの句。彼は1922年生まれ、「夕茜」は90代の句集である。







4月2日付けの京都新聞の彌榮浩樹さんによる「詩歌の本棚」は、ふらんす堂刊行の句集が二冊とりあげられている。また第5回田中裕明賞を受賞された西村麒麟さんの句集もとりあげられている。
なかなか京都新聞は目にすることがないので、全文を紹介したい。



『雲なつかし』(ふらんす堂)は岩田由美の第四句集。平成二十二年から二十九年までの作品二百九十一句を収録。生活者ではなく、眼だけをきらきらと見開いた報告者が、周囲の世界を丁寧に浚い、その質感を清潔に提示してゆく。
 
 水の湧くところ五月の鬼やんま
 大小のざりがにのみな同じ顔
 新涼や水清らかに亀を飼ふ

小動物の〈存在の質感〉を描出した三句。「水」の働きもあり、「鬼やんま」「ざりがに」「亀」の輪郭が、彫刻物のように静謐で艶やかだ。
 
 虹の色帯びて薄雲初御空
 探梅や日に輝ける靴の先

硬質で繊細な感覚の美。

 あともどりして春水に映る空
 初花に障子閉ざして映写会
 花冷の灯して昼や本を読む

人事句も、人間的な意味づけではなく、〈明るい暗さ/暗い明るさ〉の体感的な把握・表現がなされる。そんな中、

 桔梗の蕾食ふ虫その中に
 檸檬咥へし鮟鱇はベニスに死す

のグロテスクは、印象的。
昭和三十六年生まれ。横浜市在住。「藍生」「秀」所属。
『鴨』(文學の森)は西村麒麟の第二句集。
 
 友達が滑つて行きぬスキー場
 少し渦巻いて大きな春の川
 滝茶屋に座ってゐたる女の子
 手を振つて子どもと大人春の風

ひたすらに凡事、素っ気ない表現。なのにどこか不思議なのは、ことばの取り合わせの精妙な機微に拠るものだ。

 蛤の水から遠く来たりけり
 鰻重を真つ直ぐ伸びてゆく光

「蛤」「鰻重」と「水」「光」とが、俗事の臭みを脱かれ、幾何学的な組み合わせによって詩に転じている。宗教性や哲学性に届く気配すらもする。

 紫陽花や傘盗人に不幸あれ

切なく、可笑しい。「不幸あれ」の言葉遣いの丁寧さが、本音を俳味へ昇華させる。

 鴨泳ぐ少し後ろに脚付けて
 猪の顔の走つて来たりけり

実に印象的な活写だ。「少し」「顔の」の言葉のもたつきが、ユーモアの裏地となる。一九八三年大阪市生まれ。川崎市在住。
『街騒』(ふらんす堂)は津田ひびきの第二句集。

 金魚より赤い爪して男待つ

「金魚より赤い爪」は、印象鮮やかで、不思議。この〈力強い把握〉〈剛胆な措辞〉が、句集全体の特徴だ。

 春キャベツ顔の大きな夫帰る
 ブティックの大きな鏡銀杏散る

思い切った断定によって日常から迫り出してくる、詩。「顔の大きな夫」は「春キャベツ」と組み合わされ、ロマンチックにではないが、肯定されているのだ。「大きな鏡」には、黄葉の季のすべてが映し出される。大ぶりの詩だ。

 火を焚けば別れに似たり浜の秋
 春色の海のしづくのピアス欲し
 流さるることまだ知らぬ雛かな
 水遊び濡れてゐることまだ知らず

「水」「濡れ」や「別れ」「まだ」、負のイメージの言葉が、逆に、事象を肯定的に描出している。太い描線による情感の強さが、味わい深い。
一九四二年生まれ。兵庫県西宮市在住。「知音」同人。








今日は春寒の一日となった。

ヒートテックは着ないものの、わたしは革ジャンをはおった。
革ジャンは、6月頃まで結構重宝するのだ。
風をとおさないので薄着をしても防寒になる。
わたしの理想は白のTシャツの上に革ジャンをはおるというもの。



スタッフのPさんが、夜でかける予定があるらしいのだが、今日は薄手のコートを着て来てしまって「どうしようか、困った」って言っていたので、革ジャンを貸してあげることにした。
襟元に小さな蛙のピンバッジがついているのだが、(けっこうこのピンバッジが気に入っているのよ。)それをPさんがはずして着ようとしていたので、「ダメ、取らないで。革ジャンがちゃんと返ってくるように」と言うと、「分かりました」と素直にPさん。そしてわたしの革ジャンをはおっていそいそと出かけていった。

いったいどこへ行くのだろう。。

わたしの蛙のピンバッジのみが知っている。




わたしはPさんの薄手のコートを着て帰るつもり。
しかし、そのコートもわたしが何年も前に彼女にあげたものであることを言われて気づいた。

Pさん、まだこれを着ていたんだ。。。


















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by fragie777 | 2018-04-05 19:15 | Comments(0)


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