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2月8日(木) 針供養 旧暦12月23日
念願の苺大福。 とうとう味わうことができた。 苺の粒が大きくあまく、餡は透明感のある上品な甘さ、それはもうおいしゅうございました。 →和菓子「餡の輪」 やみつきになりそうでコワイくらい。 つぎは大福の予定。 新刊紹介をしたい。 四六判並製小口折表紙。 188頁 著者の津田ひびき(つだ・ひびき)さんは、1942年7月生まれ、兵庫県西宮市在住。1996年「知音」(行方克巳・西村和子代表)に入会、2001年「知音」同人、俳人協会会員、2005年には第一句集『玩具箱』(ふらんす堂)を刊行。本句集は第二句集となる。12年ぶりの句集上梓である。 流さるることまだ知らぬ雛かな 思ふこと叶へばさびし実南天 厄介な女のごとく桃美味し 前半の方におかれた3句である。 ある時間を生きてきた屈折した女性の顔が浮かび上がる。この「厄介な女」とは自画像であるかもしれない。複雑に入り組んだ自身の内面をすこしもてあましているかのように。いや、それを楽しむしたたかさがある。基本人間がもっているバイタリティーが好きなのである。だから句集名も「街騒」だ。 ごつた煮の大阪が好き夏が好き 大阪弁からまつて来る暑さかな 関西人である津田ひびきさんは、関西女の無常観をも笑いで乗り切ろうとする(わたしはいつも賛嘆してしまうのだけど)見上げた根性を持ち合わせている、と見た。 本句集の担当は文己さん。文己さんの好きな句をいくつか紹介したい。 ゴジラのごと空き箱潰し十二月 鞄からあんパンひとつ春の風 バス停にバス待つやうに春を待つ 春キャベツ顔の大きな夫帰る 火事跡のブルーシートのわなわなす 割り勘の小銭の濡れてかき氷 コスモスさみし一本も百本も 朝顔の日に日に小さく母小さく 秒針のよく働いて冬に入る 鹿の子の眼の真つ直ぐに歩み来る 梨むけば皮へらへらと不実めく 燦燦と鯨潮吹く二月かな 待ち合はす存外小さき花の駅 第一句集『玩具箱』上梓後十二年を経て、第二句集を思い立った。(その矢先、思いがけない入院や転居などで、やむなく今日まで先延ばしになってしまったが。) ともあれ、振り返ればやはりあっという間。暮らしにそれなりの変化はあったが、今日までどんな時も俳句と繫がってこられたのは幸せなことと思う。 句歴が長くなった分だけ俳句が向上する訳もなく、むしろ落とし穴を感じる事もしばしば……。 これを機会にまた初心に戻り、謙虚に楽しく、自分らしさを少しでも表現出来れば幸いだ。 「あとがき」より。 ユーモア精神のたっぷりある関西女性であるから、句集を読みながらクックッと笑ってしまうこともしばしば。 添ひ遂げるとは嗚呼けふも葱刻む 雪女ひとり暮らしも早や百年 ちゃんと「添ひ遂げ」てくださいませ。 津田ひびきさま。 本句集の装丁は、和兎さん。 「柔らかな明るいイメージで」というのがご本人の希望。 街は街でも、和兎さんは中世の街のイメージでデザインした。 見返しは、さくら色。 扉。 ヨーロッパのような街並みの風景で、 重厚な雰囲気もあり、 また地元、神戸の異人館のイメージともかさなり、 とても気に入っております。 と津田さん。 人が集まれば街が形成されていく。 その営みは古代より営々と繰り返されているのだ。 街騒の猥雑にしてあたたかし 日向ぼこして煩悩を増やしけり 「猥雑」も「煩悩」も、決してお嫌いではない、とわたしはみました。 いかがでしょう。 津田ひびきさま。
by fragie777
| 2018-02-08 19:15
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Comments(2)
Commented
at 2018-02-10 20:55
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
at 2018-02-11 23:24
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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