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ふらんす堂編集日記 By YAMAOKA Kimiko

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無頼にして演歌!?。。。

1月25日(木)水沢腹堅(さわみずこおりつめる)初天神  旧暦12月10日


無頼にして演歌!?。。。_f0071480_17511435.jpg
枯柏。
風が吹くとごはごはと音がする。



積雪が凍ってえらく寒い。
週末はまた雪が降るらしい。
こんどはもっと寒波のすごいヤツがやってくるということ。

それに負けない為にわたしは右腕をぐるんぐるんと回してみる。

で、

どうなったかって。

腕がいたくなっただけ。
でも、そんな意味のないことをしてまで、やってくる寒波に立ち向かうのだ。

要は、

心意気よ、

心意気。。。。






無頼にして演歌!?。。。_f0071480_17545318.jpg

『自句自解ベストⅡ100武藤紀子』が出来上がってくる。


著者の武藤紀子さんは、俳誌「円座」を主宰、「晨」と「古志」の同人である。
宇佐美魚目を師とあおぐ俳人である。

これは、たいへん面白かった。
校正をしていても校正にならず、読み込んでしまうほど。
たくさん紹介したいが、そのうちのいくつか。


 山吹に鯨の海の流れをり

宇佐美魚目先生が添削された数少ない句のひとつ。
はじめどんな句だったか忘れた。山吹と鯨は初めからあったような気がする。添削後「これでいい」と先生はごきげんだったが、私にはどう良いのか今でもまだわからない句だ。 (『円座』平成六年)


 地獄絵の女は白し秋の風

お堂の裏へ廻ると、壁いっぱいに地獄絵が描かれていた。真紅の炎がめらめらと立ち、地獄の責め苦を受けている人間達がいた。髪をふり乱した白衣の女が多い。
「地獄絵の女は白し秋の蝉」と作って出したら、「秋」と「白」はつき過ぎと言われた。どうせつき過ぎなら、思いきってべたにつけようと思い、「地獄絵の女は白し秋の風」として句集に入れた。 (『朱夏』平成八年)


 青き馬たづさへて年歩み去る

『百千鳥』という句集は、章立てとして幾つかの項目を作って句をまとめた。春夏秋冬という章の他に、雪・月・花・恋などで、最後は存問という項目にした。その一句目がこの句で、田中裕明さんを悼む句である。
十二月三十日に逝かれた。 (『百千鳥』平成十七年)


 鳥の目に少年消えし冬干潟

最後に魚目先生にお会いした時、珍しくその場で添削して下さった一句。
原句は「鳥の目に少年細し冬干潟」。
二十年ぶりの添削であり、最後の添削であった。
「細し」より「消えし」の方がよいとはおぼろげに思えるが、なぜよいのかは、まだ自分の力ではわからない。 (『冬干潟』平成二十六年)


 北国の夜明けの色の鱈を買ふ

この句を演歌だと言った人がいた。
「夜明けの色」が演歌だ。
この句こそ貴女の句だと言った人もいた。
そうか、私の俳句の本質は演歌だったのか。(『冬干潟』平成二十六年)


 雀より少し大きく更衣

自分ではもっとも成功したと思える句。
「更衣」の季語のつけ方が最高だわと自画自賛の句。
もっとも何が言いたいか自分でもわけがわからない句。
季語を取り合わせた句としては、ひょっとして魚目先生を越えたかしらとまで思っている句だ。(『冬干潟』平成二十六年)


 木枯を恋ひ風狂を恋ひにけり

第三句集『百千鳥』の跋文で俳句の相棒の中村雅樹君が私のことを「無頼」と言ってくれた。しかし私は雅樹君を「マサキ」と呼び捨てにするばかりである。 (『冬干潟』平成二十八年)


頁を繰るのももどかしくどんどんと読めてしまう。
武藤紀子さん、言いたい放題(?)である。
そこがたいへん小気味よい。

巻末に「わたしの俳句の作り方」を収録する。









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by fragie777 | 2018-01-25 18:46 | Comments(0)


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