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1月25日(木)水沢腹堅(さわみずこおりつめる)初天神 旧暦12月10日
枯柏。 風が吹くとごはごはと音がする。 積雪が凍ってえらく寒い。 週末はまた雪が降るらしい。 こんどはもっと寒波のすごいヤツがやってくるということ。 それに負けない為にわたしは右腕をぐるんぐるんと回してみる。 で、 どうなったかって。 腕がいたくなっただけ。 でも、そんな意味のないことをしてまで、やってくる寒波に立ち向かうのだ。 要は、 心意気よ、 心意気。。。。 『自句自解ベストⅡ100武藤紀子』が出来上がってくる。 著者の武藤紀子さんは、俳誌「円座」を主宰、「晨」と「古志」の同人である。 宇佐美魚目を師とあおぐ俳人である。 これは、たいへん面白かった。 校正をしていても校正にならず、読み込んでしまうほど。 たくさん紹介したいが、そのうちのいくつか。 山吹に鯨の海の流れをり 宇佐美魚目先生が添削された数少ない句のひとつ。 はじめどんな句だったか忘れた。山吹と鯨は初めからあったような気がする。添削後「これでいい」と先生はごきげんだったが、私にはどう良いのか今でもまだわからない句だ。 (『円座』平成六年) 地獄絵の女は白し秋の風 お堂の裏へ廻ると、壁いっぱいに地獄絵が描かれていた。真紅の炎がめらめらと立ち、地獄の責め苦を受けている人間達がいた。髪をふり乱した白衣の女が多い。 「地獄絵の女は白し秋の蝉」と作って出したら、「秋」と「白」はつき過ぎと言われた。どうせつき過ぎなら、思いきってべたにつけようと思い、「地獄絵の女は白し秋の風」として句集に入れた。 (『朱夏』平成八年) 青き馬たづさへて年歩み去る 『百千鳥』という句集は、章立てとして幾つかの項目を作って句をまとめた。春夏秋冬という章の他に、雪・月・花・恋などで、最後は存問という項目にした。その一句目がこの句で、田中裕明さんを悼む句である。 十二月三十日に逝かれた。 (『百千鳥』平成十七年) 鳥の目に少年消えし冬干潟 最後に魚目先生にお会いした時、珍しくその場で添削して下さった一句。 原句は「鳥の目に少年細し冬干潟」。 二十年ぶりの添削であり、最後の添削であった。 「細し」より「消えし」の方がよいとはおぼろげに思えるが、なぜよいのかは、まだ自分の力ではわからない。 (『冬干潟』平成二十六年) 北国の夜明けの色の鱈を買ふ この句を演歌だと言った人がいた。 「夜明けの色」が演歌だ。 この句こそ貴女の句だと言った人もいた。 そうか、私の俳句の本質は演歌だったのか。(『冬干潟』平成二十六年) 雀より少し大きく更衣 自分ではもっとも成功したと思える句。 「更衣」の季語のつけ方が最高だわと自画自賛の句。 もっとも何が言いたいか自分でもわけがわからない句。 季語を取り合わせた句としては、ひょっとして魚目先生を越えたかしらとまで思っている句だ。(『冬干潟』平成二十六年) 木枯を恋ひ風狂を恋ひにけり 第三句集『百千鳥』の跋文で俳句の相棒の中村雅樹君が私のことを「無頼」と言ってくれた。しかし私は雅樹君を「マサキ」と呼び捨てにするばかりである。 (『冬干潟』平成二十八年) 頁を繰るのももどかしくどんどんと読めてしまう。 武藤紀子さん、言いたい放題(?)である。 そこがたいへん小気味よい。 巻末に「わたしの俳句の作り方」を収録する。
by fragie777
| 2018-01-25 18:46
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