カテゴリ
以前の記事
最新のコメント
検索
外部リンク
画像一覧
|
1月24日(水) 初地蔵 旧暦12月8日
この日見つけた一粒の竜の玉。 日当たりのよい古民家の濡縁に置いてみた。 そして、 それを次にここに座る人のためにそのまま置いて立ち去ったのだが、、、 気づいてもらえたかなあ 気づかれないか、 あるいは潰されてしまったか。 竜の玉はいつ見つけても嬉しくてドキドキするものだから、 伝言のように置いてきたのだった。 新刊紹介をしたい。 四六判ペーパーバックスタイル。 100頁。 著者・大葉二良(おおば・じろう)氏による本書は、英語と日本語の俳句を収録している句集である。 日本語の俳句を英訳したものでもなければ、英語の俳句を和訳したものでもない。 それぞれが個々の作品として成り立っている、という句集である。 だから、日本語の俳句と英語の俳句では、おなじ場面や状況を詠んでも、微妙にニュアンスが異なるものもあり、その差違を楽しむこともできるのである。 ふらんす堂ではこれまで英語やフランス語の対訳句集を刊行したことはあるが、こういう試みの句集は始めてである。 英語に習熟していないと(いやそれだけでも)なかなかできるものではない、と思う。 頁の多くは英語が占めているのでどちらかというと英語にウエイトが置かれていて、句集名も「sleeping rhinoceros」とのみあり、それについての日本語のタイトルはない。訳せば「眠っている犀」であろうか。 しかし、タイトルはあくまで「sleeping rhinoceros」。 序文と帯文はDavid McMurray、英文のみで和文の訳はない。 日本語は俳句と、著者略歴のみである。 著者については、日本語の略歴を紹介したい。 1944年東京都渋谷区生まれ。カナダ・ブリティッシュコロンビア大学短期留学、慶應義塾大学経済学部卒業。三井銀行(現三井住友銀行)、富士通、コダックを経て退職。その間、ユーゴスラビア(1974~ 75年)、米国(1981 ~ 85年)駐在。コダック・ニューヨーク州勤務のち日本法人代表。句作は木内怜子に師事、「銀化(中原道夫主宰)」、「燎(山﨑千枝子代表)」を経て現在無所属。じゆうにんのかい45周年記念俳句賞、台湾新聞コンテスト2011特別賞、第17回燎大賞準賞、第2 9 回日本国民文化祭英語俳句賞、the 24th World Congress 2016 by United Poets Laureate International優秀賞など受賞。2008年第一句集『吊忍』上梓。現在、詩誌「衣」、英語詩誌「Pandora」、United Poets Laureate International など同人。 作品をいくつか紹介していきたい。 the New Year row, row, row your boat haiku ocean 初春の俳句の海へ漕ぎ出しぬ soda pop till the rain stops in Shanghai 上海の雨やむまでをソーダ水 autumn wind ― pretty seashells picked up to throw away 捨てるため拾ふ貝殻秋の風 winter sun ― returns to his home port a disabled soldier 廃兵の冬日を抱いて帰りけり 本句集の担当は文己さん。文己さんの好きな句をいくつか紹介したい。 mother asked out of the blue “Ever seen spring breeze?” 春風を見たかと母に問はれけり cumulonimbus: memory of a city lost in ancient times いにしへの都市の記憶や雲の峰 autumn night ― losing my way in a maze of train schedules 秋の夜の時刻表へと迷ひ込み Hen-Shin! the way of Showa ― well padded 変身の仕方が昭和着ぶくれて 文己さん、面白い句を選ぶなあ…… いかがでしょう。 日本語だけの句集とはまた違った味があり楽しみ方がある英語句集である。 本句集の装丁は君嶋真理子さん。 図版がなかなか面白い。 目次。 英語の並べ方、置き方にも著者のこだわりがある。 帯の裏は著者の大場さんによる選句6句(英語のみ)である。 シンプルにして瀟洒な一冊。 本日、大葉二良さんよりメールをいただいたのだが、 第七回瀬戸内・松山国際写真俳句コンテストの英語自由句部門で優秀賞を受賞しました。 2月3日の松山(遠い!)の授賞式に参加してきます。 ということである。 ご受賞を心からお祝い申し上げたい。 今日の毎日新聞の坪内稔典さんによる「季語刻々」は、櫂未知子句集『カムイ』より。 探梅やかばんをもたぬ者同士 櫂未知子 季語「探梅」は冬の間に早咲きの梅を見にゆくこと。春になると、季語が「観梅」「梅見」に変わる。句集「カムイ」から引いた今日の句の「かばんをもたぬ者」は近所の人々? それとも男同士か。どちらにしても、気楽な身なりの人たちが探梅に来たのだ。その気軽さ、早咲きの梅に合っている。近づく春をも感じさせもする。 「探梅」ってすごくいい季語だと思う。 早咲きの梅をたずねて山野を逍遥するばかりでなく、「さきがけの春を味わう趣」と歳時記にある。 野趣にして典雅なる、 なんだか良いなあ…… もうすぐ、春がやってくる。 探梅の季節は今よ、今。 そう、 探梅に出かけましょうよ。 皆さんも。。。。
by fragie777
| 2018-01-24 19:05
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||