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10月23日(月) 霜降(そうこう) 旧暦9月4日
雨に芯まで濡れた鶏頭。 さわるとぐっしょりとしていた。 台風も過ぎて東京は晴れ間を取り戻した。 近くのポストに手紙を投函しにいったときにすれ違う人の顔もなぜか明るく感じた。 隣のお茶屋さんでは、三人の大人の女子(?)たちが楽しそうに語らっていた。 カタログハウス発行の「通販生活」がときどき送られてくるのだが、そこに後藤比奈夫先生の取材記事が掲載されていた。 一〇〇歳の現役の方を写真家の梅佳代(うめ・かよ)さんが取材して記事にするというもので、一〇〇歳で現役の方々が一頁ごとに取材されている。その中のお一人としての比奈夫先生である。 お元気そうな姿である。 比奈夫先生のこんなラフなお姿ははじめて拝見した。 わたしたちがご自宅に伺ったときもいつだってスーツ姿でいらしたので大変新鮮である。 抜粋して紹介したい。 (略)「朝起きてから夜寝るまで、頭の中は俳句ばかりですね。99歳で出した句集『白寿』がわりに評判がよくて、もう一冊出せというので8月に『あんこーる』というのを出しだんです。これは面白いですよ」 99歳以降、外出時は車いすの生活になり、ここ2~3年は自由に出かけることも難しくなったと言います。それでもお弟子さんや句友から送られてくる写真を見て俳句を作り、お礼に送ることも多いそう。「上手じゃない写真には隙があるから、俳句になりやすいんですよ」と話してくれました。 (略)今年も心不全で入退院を繰り返すなど、身体は万全とは言い難いようですが、「電話だとよく元気ですねと言われますけど、空元気ですよ」と笑います。 「百になるまでには戦争もあったし、六甲の山津波も来たし、地震(阪神・淡路大震災)もあった。いろいろ難儀ですわ。私の場合、全部俳句になっているから、ぼやっとしているよりマシでしたかね」 「比奈夫先生、記事拝見しました。チェックのシャツが素敵です。お仕事姿も。」と申し上げると、 「ふふふふ、見ましたか。仕事をしている姿ちょっといいでしょ」と電話のむこうの比奈夫先生。 比奈夫先生のお隣の頁は、101歳の画家として「入江一子さん」のお元気なお顔がある。 「100歳で現役」 素晴らしいと思う。 ところで「現役」ってそもそもどういう意味なんだろうかと、広辞苑をひいてみた。 ①常備兵役の一つ。常時軍務に服し、戦時部隊の骨幹とされる役種。 ②限にある職務に従事して活躍している人。 ③浪人に対して、在校中の受験生。 第1義は軍隊用語だったのか。。。。 「100歳で現役」こう書くとスゲー頑張って100歳まで仕事してきたんだぞおっていうイメージだが、きっと実際は好きなことをやり続けてきて、気がついたら100歳になっていてまだ好きなことを止めないでいる、そんな感じなんじゃないかしら。 だから取材されている皆さんの顔がどなたも明るくてどこか「らくちん」な表情をされている。 それがとてもいいのである。 そりゃ皆さん、雨の日も風の日も頑張ってこられたんだろうと思うけど、頑張ったということより好きなことをしてきた喜びがどなたからも感じられて読む側も気持いい。 「100歳で現役」もいいけど「100歳で(仕事の)遊び人」というのでもいいなあ。なあんて。 「現役」という言葉からも自由でいたい、そんなことをふっと思ったりもするな。。。。 本日付の毎日新聞の坪内稔典さんによる「季語刻々」は、志磨泉句集『アンダンテ』より。 頬杖をつくためのカフェ秋の昼 志磨 泉 この秋の昼の光景、いかにも今日の風情だ。ちなみに、私は書店を出た後、きまってカフェに寄る。買ったばかりの本を何ページか読むのだが、泉さんに比べると私のカフェはやや古典的かも。「つつつけばおしやべりしさう石榴の実」も泉さんの句集「アンダンテ」から。彼女の句は今日的なしゃれた発想が好ましい。 坪内さんのように書店をでたあとにカフェに立ち寄って買った本を読む、それも読書の楽しみ方のひとつである。 わたしも大好き。 昨日はお昼を小さなカフェレストランに入ってしたのだが、デザートと珈琲がつくセットを頼んで、本を読んで過ごしたわけであるが、周りの人が食事やらフルーツやら飲み物やらを済ませて入れ替わり立ち替わりしていくのだが、わたしは図太く平然と本を読み続けていたのだった。 混んではいたが、早く済ませて替わらなくてはならないというほどでなかったので、それにそのレストランはとても感じがよくて、居心地がいいのを良いことにたっぷりと居させて貰ったのである。 明るくて風遠しがよくてフルーツの美味しいカフェレストラン。 月に一度は行くかも。。。 「ウラハイ=「週刊俳句」の16日付けの相子智恵さんの「月曜日の一句」 は、日高玲句集『短篇集』より。 馬肥ゆる大津絵の鬼どんぐり目 日高 玲 句集『短篇集』(ふらんす堂 2017.09)所収 大津絵は、江戸時代初期に東海道の宿場町である近江の大津で始まった素朴な民画。元は仏画であったが、後には世俗的な絵も描かれ、旅人のお土産となった。有名な画題としては、仏や鬼(鬼の寒念仏)、藤娘など。藤娘はのちに歌舞伎の舞踊などにも取り入れられていく。 つづきをよむ→「月曜日の一句」
by fragie777
| 2017-10-23 18:51
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