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9月18日(月) 敬老の日 社日 旧暦7月28日
武蔵野・谷保天神に咲いていた曼珠沙華。 昨夜の台風の雨風の音でなかなか寝つかれなかった。 けっこう怖かったのだけれど、いかがでした、皆さんは。 そんなわけで、今日は大寝坊をして飛び起きた。 (ああ、仕事に遅れちゃうって)大急ぎ食事をして一息ついたところ、今日が祝日であることに気づいたのだった。 (なあんだ……) と思ったとたん、身も心もだれてそのあとはまるでパンダのように椅子にもたれて呆然としていたのだった。 しかし、いつまでもそうしてはおられず、 午前中はすこし更衣などをして、午後から仕事場にて仕事。 新聞記事などを少し紹介したい。 本日の朝日新聞の「風信」では、小野あらた句集『毫(ごう)』が紹介されている。 水筒の暗き麦茶を流しけり 小野あらた 1993年生まれの第一句集。日常を見つめる目の確かさ。ささいな事柄こそ心に残るのだ。 同じく本日の毎日新聞の「新刊紹介」では、後閑達雄句集『母の手』が紹介されている。 吾よりも母の手あたたかしいつも 後閑達雄 第2句集。アルツハイマー病が進行しているという母への思いがこもった一冊。別に住む父と、一人暮らしの著者と、現代を映し出す家族の日々が丹念に詠まれている。 同じく毎日新聞の櫂未知子さんによる「俳句月評」は、ふらんす堂刊行の二冊の句集についてである。タイトルは「清々しい若手句集」。抜粋して紹介したい。 まずは1972年生まれの黒澤麻生子句集『金魚玉』について触れ、 ひとの児に絵本読みたる十三夜 ひとの子の思はぬ重さ春満月 赤ん坊は水のかたまり十三夜 昼寝して赤子ほどよく熟れてをり たまたま子どもに関する作品を挙げた。著者は子を授からなかったらしいが、そのことがかえって、作品に繊細な陰翳をもたらしている。得られなかったからこそ、もたらされる豊饒がたしかにあることを『金魚玉』から感じ取ることができた。(略) もう一冊は、小野あらた句集『毫(ごう)』。 水筒の暗き麦茶を流しけり 月光の濁りつつある船料理 頂へ手摺の続く涼しさよ 葛餅の蜜の届かぬ角三つ 書名の『毫』でわかる通り、本書は「きわめてわずかなもの」で満ちている。ともすればトリビアリズムだと片付けられそうな、微細な描写の句も多い。しかし、近年の若手の自意識過剰な作品のありようや、述べたがっている句の多さに食傷気味な身としては、この句集のあり方はかえって清々しかった。(略) 俳誌「草樹」で、宇多喜代子さんが金田咲子句集『平面』を評しておられる。タイトルは「自然素材のような句」。 こちらも抜粋して紹介したい。 金田咲子が第一句集『全身』を刊行したのが昭和59年、「雲母」で飯田龍太の選を受けていた時代であった。このたび、その後の句を収めた第2句集『平面』が刊行された。その間三十余年、じつに久々の句集である。 熟柿や坂みなぎつて誰もゐず 花八ッ手隣家なまなましくありぬ ふかぶかと塔暮れてゆく塔の先 人を待つ間の秋風を見てゐたり 少年のごとくに雛の間をよぎる 『平面』にある昭和時代の句である。見得をきったようなところのない見るからに飯田龍太のところで学んだ人だとわかるような句だ。肌ざわりがなめらかで、風に吹かれるまま身に添う自然素材の衣服をまとったような、そんな感触の句である。(略) この三十年の間に母を失い、夫君と永別している。集名の『平面』は、 死は平面しづかに春の逝きにけり による。長く看取った夫が、妻がたまたま傍を離れた際に絶命する。目にした夫はすでに立つことはなく、地に平行する平面体として身を横たえている。まさに「死は平面」である。最愛の夫、すなわち春が遠のいていった、その直感からなる句だが、詳しく語られる死にも増して多くを伝える。 久々の『平面』は今後の健吟を期待させる底力をもった句集であった。 明日は新刊紹介をします。 国立の郷土資料館に飾られていた十五夜飾り。
by fragie777
| 2017-09-18 19:11
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Comments(2)
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Daxiongmao
at 2017-09-18 21:51
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yamaokaさま
曼珠沙華…花火のようですね。 昨日は、帰り際お待たせしたり、お食事中にお邪魔したり、 色々失礼しました。 お渡しした記事、私達の太極拳の、生い立ち(?)の一端が 見える気がします。 あの文中のひとつの言葉が、知人の記事に繋がりました。 ありがたいご縁です。
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fragie777 at 2017-09-18 23:05
玲玲さま
記事有難うございました。 先日お話くださった婦人のことと併せて拝読しました。 楊名時先生の生い立ちからその後のことまでまとめて読むことが出来たのは大変良かったです。 お手数をおかけしました。 有難うございました。 (yamaoka)
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