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7月8日(土) 温風至(あつかぜいたる) 旧暦閏5月15日
「何を捜しているの?」と聞けば、 「とかげ!」 ですって。 「捕まえたら家に持ってかえるの?」と聞けば、 「持って帰らない。家には守宮がいるから…」 ウン? よく分からないんだけど、なんとなく納得してしまった。。。 さて、今月の詩人・森山恵さんによる「祈る詩」は、T・S・エリオットの作品である。 わたしたちは森山さんが紹介する詩に、エリオットの思いもかけぬ一面を見いだすだろう。 カバの救済の詩が、ユーモラスに詠まれている。 しかし、そこには現世の教会への痛烈な批判がこめられているのだ。 厳格なキリスト教徒の家庭に育ったエリオットであればこその詩であるのかもしれない。 森山恵さんは、この「カバ」と題された詩の作品を耕してそこにこめられている意味や、読みの手掛かりを説き起こしてくれる。 それのみならず、現実の「カバ」(上野動物園の故サツキ)にも思いを馳せ、あるいは詩歌における「カバ」をも紹介する。 「カバ」とはただ者にあらず。 この「祈る詩」を読めば、わたしたちの心に「カバ」に対する崇拝の念が湧き起こってくるだろう。 雪のごとく純白に洗い清められ 殉教の乙女らが彼に口づけるだろう、 かたや、「真の教会」は地上に留まり 腐臭を放つ霧に包みこまれているのだ。 最終章では、カバは「雪のごとく純白に洗い清められ」とあり、すばらしいことに森山さんは真っ白なカバの陶器の写真を配して、読者に至れりつくせりである。 森山恵さんは言う。 大きな笑い、つまり哄笑にはものごとを転覆させる力がある そして、 笑いと共に鋭い問を突きつける一篇である 是非にこの「祈る詩」を読んでいただきたいと思う。 同じ日、少女もまた別のものをさがしていた。
by fragie777
| 2017-07-08 18:48
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