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6月8日(木) 旧暦5月14日
わたしの腰の痛みは、旅の疲れということもあるのかもしれないが、ひょっとするとR化や日常的なものが積み重なった腰の痛みかもしれないらしい。 整体をしてもらっている片山洋次郎氏に電話で尋ねたところ、「慢性化すると脊柱管狭窄になります」と言われてしまった。 ひゃあーである。 というのは、旅をともにしたS君はまさにその脊柱管狭窄で苦しんでいたのである。 「椅子にできるだけ浅く背筋をのばして坐るように。背もたれに身体をゆだねないように」など、片山氏からいくつかのアドバイスを貰い、できるだけそれを実行しているのだが、いつも椅子にふんぞり返ってラクチンな姿勢をとるのが好きだったわが身にとって、かなりツライ姿勢が強要されるわけである。 ご飯を食べ終わったあとも、(あーあ)って言って椅子の背もたれに身体を預けるわけにもいかず、いったいわたしはいつ寛いだらいいんだ、と泣きたくなってくる。 しかし、脊柱管狭窄はツライものがある。一歩、いや二歩、三歩手前でとどめたいものだ。 少しは良くなっているような気がするのだけれど。。。。 さて、『鷹羽狩行俳句集成』(たかはしゅぎょうはいくしゅうせい)を紹介したい。 菊判ハードカバー装。 1140頁。 本句集は、俳人鷹羽狩行の既刊年代別句集 (『誕生』『誕生』(定本抄)『遠岸』『遠岸』(定本抄)『平遠』『平遠』(普及版抄)『月歩抄』『五行』『六花』『七草』『八景』『第九』『十友』『十一面』『十二紅』『十三星』『十四事』『十五峯』『十六夜』『十七恩』)に番外句集(『長城長江抄』『翼灯集』『翼灯集』以後、『俳日記』『啓上』『啓上』以後)を加え、句集解題、年譜、初句索引、季語索引を収録した俳句集成である。収録句数11,672句。 写真のように大冊である。 編者は片山由美子さん。本来なら「狩」35周年を記念して刊行される予定であったが、その膨大な作品数に予想以上の時間がかかってしまい、集成の作業に着手してより四年を費やして今年の6月に刊行。 本集成には、鷹羽狩行の既刊全句集を収録している。すなわち、十五歳で俳句を始めて以来、七十年間の句業をすべて収めたことになる。 当初は「狩」の創刊三十五周年記念事業の一環として、平成二十五年に刊行の予定であったが、内容が膨大なため、季語索引・初句索引、年譜作成などの作業が予定通り進まず、大幅に遅れてしまった。しかし、その結果、鷹羽狩行が平成二十七年に第七十一回日本藝術院賞を受賞、そして藝術院会員となったことも年譜に記すことができたのは幸いであった。 顧みるに、鷹羽狩行の活動は現代俳句の隆盛とともにあった。昭和五十年代から平成までの俳句を牽引してきた主要な俳人の一人が鷹羽狩行だったことは言うまでもない。前衛派から守旧派まで百花繚乱の俳壇において、有季定型という伝統を守りつつ、現代性を追求し続けてきた。その結果が本集成に収められている作品と言える。 鷹羽狩行が「狩」を創刊したのは昭和五十三年である。それから間もなく四十年となる。現在の誌友で当時から「狩」に投句していた人は百人いるかどうかという状況である。主宰の初期の句集を持っていない、あるいは作品を読んでいないという人も少なくない。まずそういう誌友に、時代を追いながら作品を読んで欲しいが、この集成の刊行によって俳壇の多くの人たちに鷹羽狩行の俳句を改めて読んでもらう機会となることを願っている。 索引と年譜、著書解題も充実させたので、今後の作家研究の資料としても役立つことと思う。 編者である片山由美子さんの「あとがき」を抜粋して紹介した。 この「集成」について十全に語られていて申し分ない。あとはひとりでも多くの人に読まれることを願うのみである。 しかし、刊行を開始してから、安くない価格であるにもかかわらず読者からあるいは書店からの注文も少なからずあり、版元としては嬉しい限りである。 本句集を読みすすめば、いかにわたしたちが知っている俳句が多くあることかということに気づく。 編集の作業をすすめながら、改めてそのことを思ったのである。 また、初版本と定本を収録することによって、作者の推敲をたどることもできるというのは、その俳人を知る上でおおいなる資料となるだろう。 集成を読むことによって、新たなる鷹羽狩行に出会うということもきっとある。 まとめて読めるということが集成の強みである。 本句集の装幀は君嶋真理子さん。 君嶋さんは、目下、「狩」(鷹羽狩行主宰)の表紙とカットのデザインをしているというご縁もある。 堂々たる一冊となった。 おすすめしたこのクロスを鷹羽先生はとても気に入ってくださった。 扉。 花布は、黒。 栞紐は、白とグレー 製本がすばらしくどの頁をひらいても本が閉じることがない。 こういう製本ができるところが少なくなりつつある。 美しい仕上がりである。 奇しくもふらんす堂30周年の記念すべき年に、ご縁をいただいている鷹羽狩行先生の集成を刊行することができたということをことのほか喜びたいと思う。 人の世に花を絶やさず返り花 鷹羽狩行
by fragie777
| 2017-06-08 19:43
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Comments(2)
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