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5月31日(水) 麦秋至(ばくしゅういたる) 旧暦5月6日
Zaandijk Schans (ザーンセ・スカンス)の風車村風景。4日目に行く。 どうも午後4時を過ぎると急激な眠気に襲われ、前後不覚に眠ってしまう。 眠りの底の底にいる感じ。 スタッフに起こされて、朦朧としながらいったいここはどこなんだ……としばらく自分がどこにいるのかわからない。 時差ボケからまだ抜けられず、スタッフたちは呆れている。 さて、第八回田中裕明賞を受賞された小津夜景さんは、北海道の出身である。 その関係から北海道新聞が田中裕明賞受賞俳人として写真つきで紹介をしている。11日付け。 ◇田中裕明賞に小津夜景さん句集 釧路出身でフランス在住の俳人小津夜景さんの句集「フラワーズ・カンフー」が第8回田中裕明賞(ふらんす堂主催)を受賞した。小津さんは北海道新聞に「気がついたら、こんなことになってしました。賞のことはあまり気にせず、楽しんで書く気持ちを今後も大切にしてゆきたい」とコメントを寄せた。授賞式は7月23日(日)東京都内で。 同賞は45歳までの俳人が出版した句集が対象で、これまでの受賞者には関悦史や津川絵理子、北大路翼らが名を連ねている。 この小津夜景さんのコメント、わたし嫌いじゃないな。 27日付けの日刊「ゲンダイ」では、第7回田中裕明賞受賞俳人である北大路翼さんが紹介されている。第2句集『時の瘡蓋』の刊行を機にということであるのか。北大路さんの写真と彼の部屋の本棚の写真とともに。「プロの本棚」というコーナーだ。 「2Kのアパートに7つの本棚が来訪者を圧するように並ぶ」「小学生の頃に阿佐田哲也を読みふける」「『ゼロ次元』の加藤好弘と出会い心理学に興味」 などの見出しが目をひき、ふたたび新しい北大路翼が浮かびあがる。 全文を紹介することはできないが、いくつかをパッチワークとなってしまうが紹介したい。 小学生時代からアウトローなのである。小学5年で約束事を排した自由律俳句の種田山頭火を知って以来、「俳人」になると決めていたという。 (略)2Kのアパートには7つの本棚が並び、さまざまなジャンルの本がぎっしり。その中にはお堅い心理学系の本も目だっている。 「10年くらい前に前衛パフォーマンスアート集団『ゼロ次元』の加藤好弘さんと出会ったのがきっかけです。彼は夢でトリップするということを言っていて、そこから夢に興味を持つようになりました。それでユングを中心にいろいろと手に取った。ユング派の心理学者として、河合隼雄さんの本も多く読んできました」 「昔話や童話の研究書も読んでいます。絶版になっていますが、ブルーノ・ベッテルハイムの『昔話の魔力』(評論社)は面白かった。昔話にはいくつかのパターンがあって、そのパターンというのは俳句の季語にも共通しているのです。たとえば、『桜』という言葉の背景にはどういうストーリーや意味づけがあるのかと考える。昔話のパターンを知っていると、その世界観で句を作ることができます。」 「日本画家の松井冬子さんの画集はたしか数万円したんですが、買ってしまいました。死体や幽霊などの絵が多く、引かれるものがあります。会田誠さんの画集もいろいろと参考になります。」 「他の俳人たちの句集は自ら買い求めることはありませんが、俳人では江里昭彦さんが好きで、江里さんからいただいた『ロマンチック・ラブ・イデオロギー』は大切にしています。江里さんの句はぬめぬめしていてエログロで面白いんですよ」 と写真のように手に取ってみせてくれた。7つの本棚には、俳人である彼の血と肉となるヒントが揃っている。 そうなのか、江里昭彦さんの句集『ロマンチック・ラブ・イデオロギー』が愛読書とは。。。実はこの本づくりの実際はyamaokaがやらせてもらったのだ。 俳人の大井恒行さんがKE堂書店にお勤めのときに立ち上げた出版部門での刊行の句集であるが、大井さんが実際の本づくりをこちらに任せてくださったのだ。 江里昭彦さんとは、1988年に詩集『去勢歌手(カストラート)』を刊行させていただいたご縁がある。 北大路さんが手にしている句集をみてちょっと驚いたのだった。 今日の讀賣新聞の長谷川櫂さんによる「四季」は、武井美代子句集『あしかび』より。 青梅のみな覚めてゐる雨の中 武井美代子 梅雨のころ、梅は青葉に包まれ、青い実をつける。その実は目も覚めるような鮮烈な緑。つまり目が覚めるのは、人のほう。それを青梅のほうこそ目が覚めているといった。雨に濡れた緑の目を大きく見開いている。句集『あしかび』より。 今日はお一人、お客さまがお見えになった。 俳人の岩田由美さん。 第4句集の句稿をもってご来社くださった。 岩田由美さんは、2010年に刊行された第3句集『花束』で第34回俳人協会賞新人賞を受賞されている。 それに次ぐ7年ぶりの句集となる。 ご夫君は、俳人の岸本尚毅さん。 「岸本に句稿を見て貰ったのですが、いい句もいくつかあるですって、、、」と岩田さん お二人は俳人同士としてとても信頼しあっておられる。 岸本さんは俳句について書いたものをまず岩田さんに目をとおして貰い意見を聞かれらしい。 邑書林から刊行された『セレクション俳人 岸本尚毅』に寄せた岩田由美さんの岸本尚毅論は優れた俳人論だ。俳人岸本尚毅の最強の理解者であるとわたしは秘かに思っている。 3人の男の子を育てられた。 「一番下の子が大学に行き、やっと手が離れましたのでこれから少し自分のことをやりたいですね。」と。句会なども行きたくても行けない日々であったようだ。 3人の男の子の子育ては、さぞ大変だったのではと尋ねると、 「フフフ……家の壁にいくつか穴が空いております」と明るく言われたのだった。 さすが、 である。 岩田由美さん。 今日は武者小路実篤庭園に寄って行かれるという。 「俳句をつくれたら」と。 わたしは入り口までご案内し、入り口のところにあった蚊よけスプレーをたっぷりかけて差し上げたのだった。 オランダの「風車村」の風景を紹介します。 あまりにも美しく気持ちの良いところだったので、いい空気が写真をとおして伝わるといいな。 しかし、である。 そんな素晴らしいとこであったが、わたしたちはとんだ嫌疑をかけられたのだった。 風車村に入って間もないとき、一人のイギリス人のような学者風の中年男性に話しかけられた。 辺りにはほとんどまだ人がいない。 紙切れをもっていてそれを指さしながら、その行き先を尋ねているようだ。 彼の話をもっと聞こうと立ち止まっているところに、いったいどこから現れたのか一人の黒人のガタイのきわめていい制服姿の男が現れた。 英語で話しかけてきたのだが、多分察するところこんな感じだった。 「おい! ちょっと待て!」 と言いながら、警察官手帖のようなものをさっと見せてすぐにしまい、 「おまえらの荷物を見せてもらう。まず、お前からだ」とわれわれに居丈高に命令する。 「パスポートを見せろ」 みなパスポートをみせる。 「次は財布。」ひとりひとりの財布を調べはじめる。 「マダム、あんたもだ」 わたしが財布をさしだすと、ユーロ札をかぞえ、小銭をあらため、その横にあった円札まで取り出され皆の前で数えられる。(わたしの今の全財産だ。没収されたらどうしよう、と不安になる) 4人全員の財布をしらべおわったら今度は持ち物検査だ。 わたしはバッグの口を大きくひらき彼にみせる。 「よし、OKだ。実はこの辺で麻薬の取引があるという情報が入ったんだ」 (これは彼が言ったか、わたしたちの憶測かちょっと判然としない) 「Go!(行け)」という言葉を残して、あっという間に何処かに去っていった。 わたしたちは一体今のは何だったんだとまるで一瞬の悪夢を見ているようだった。 しかし、何も取り上げられることもなく無事にすんでほっと胸をなでおろしたのだった。 しかし、すこしたってわたしは友人たちに言った。 「だけどさ、ポリスだったから良かったけどあれがポリスを粧った悪党だったならなすすべなかったよね」 彼等は複雑な表情を見せたのだった。 でもねえ、「Go!(行け)」はないよね、せめて、「ソーリー、マダム、ムッシュ、くらいは言って欲しいわよ」とわたしはいまもなお憤然としているのだ、実は。 気を取り直して、風車村を紹介したい。 風と緑と光を感じてほしい。 鳥の声が満ち満ちでいた。 鴨に餌をやりにきた女の子。 きわめて静かで長閑である。 細胞が生き返るよう。 まだ人が少ない。 オランダの烏。 身体が小さく、頭のところが一部灰色である。 わが影。 あはっ。 この牛からのチーズだろうか。。 少し黒雲がたちこめてきた。 この後、わたしたちは雨に降られることになる。 わたしの前に飛んできて、美しい囀りをはじめた四十雀。 マラソンマンが走り去った。 風車村の地図。 麻薬の売買が、こんな長閑なところでなされるとは。。。 ポリスの態度の悪さを責めるよりも、まずは無事に帰れたことを喜ぶべきか。。。。。
by fragie777
| 2017-05-31 21:20
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